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曲面にも導かれながら旅はゆるやかに

日々にじっくりと目をこらせば

今まで見えていなかったものが見え、旅先の風景の
感じ方もまた変わってくるのでないかと、思わせる
デザインやアートの存在を楽しみつつ、小豆島の旅
は続く。まだ島の東側で、目指す土庄港は先にある。




芸術祭の開催されている小豆島の青い旗印や



ピクトサインがたたずむ曲面の壁にも


引き寄せられるようにして、小さなデザインを拾い



モノとモノの重なりや関係性をたどりながら



曲面の壁の間をぬうようにして



もちろん用はそれだけではく



曲面の作り出す風景との出会いや


円の曲面が切り取る背景にもひかれている


ここは醤油蔵の中に並ぶ木桶のイメージがモチーフの



芸術祭の作品ともなる大きな曲面のある小屋。それは


一枚の布のような曲面で区切られたトイレとして




側に建つ茶屋で一休みしたい所だが、先の道のりを思い



進みながらも、気になるものには立ち止まる



神兎と記された大きな兎の首元の



ヤマサン醤油の屋号のまわりではウサギがおどる


卯年は2023年。干支のモチーフも繰り返したどる



遅々とした旅はいつものことで、またどこかで帳尻を



石垣のような塀に、瓦を髷に見立てられた



髷貯金箱の存在感を、風景に重ねながら



小豆島を包み込むしっとりした質感は



木桶から醸される醤油作りの風景とともに



小豆島に刻まれる記憶のひとつとなる



自転車の旅は海から街へ、また海へと



醤油と潮の香りに沿うように、昔と今の



建物の間もたどるようにして


真新しい焼杉板によりデザインされた建物は



いつかは、周囲の建物や緑とともに



風景に馴染んでいくのだろう


旅先の形に目を留める。その形はゆるやかに、また
はっきりと意味を持ち、それらは風景に混じり合う
ように、また浮き立つようにして場へとつながる。
旅は速度によって、見え方を変え、費やす時間は
対象との関係性を変えていく。ふと坂手港の帰りの
フェリーの時刻も頭によぎりつつも、まだ始まった
ばかりと心に言い聞かせ、旅の序盤はゆるやかに。

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