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アートは日常へのまなざしの先に

瀬戸内国際芸術祭を目指した小豆島への旅
 

小豆島の醤油蔵の風景の中を進む。また小豆島と
いえば、島のあちこちで舞うような、濃淡の葉を
持つオリーブに包まれる風景が広がる。芸術祭の旅
は続き、次なるアートへ向けて自転車を走らせる。



醤油の香りとともに小豆島はオリーブの色にも包まれ


  
緑は風景にグラデーションを与えている



濃淡の緑の葉の連なりの中に現れる



つややかで黒いラインの



なじみのシルエットが輝くような



オリーブのリーゼントも芸術祭の作品で



醤油蔵の内部にも展示が続く



オリーブのリーゼントは2013年の時の作品で、今は2代目



醤油蔵の奥の明るさに導かれるように



型ガラスに拡散される光の中を進む



焼杉板や瓦や石垣の静かな空気の中で



蔵の土壁には青々とした蔦がしげる



土蔵はギャラリーに改修されていて

内部は漆喰に包まれた展示空間となっている。屋根の



明かり窓からの光がら、漆喰に反射し



土壁に染み込むようなギャラリーの



しんとした空間が広がる。そこで展示されるのは



白くつややかな立体感を持ち、上部の黒い



髷の部分には小銭を入れる穴があいた



髷貯金箱という身近なテーマのアート作品



モチーフは石垣と髷という日本的なるものが



光を帯びて、不思議な様相で組み合わされている



ここには過去の芸術祭の作品も残されていて



2018年のジョルジュ・ルースの作品の写真がはられた



衝立の下部には折鶴や松の葉の透かし彫



ちりばめられたアートやデザインをたどり



パッチワークのように飾られたガラス戸は



並べられたアートとともに、空間に動きをもたらして



壁に掲げられた屋号紋には石の文字


ここは石井家住宅の醤油蔵として歴史を語り



2022年にはアート旅の舞台としても放送された場所
 



ここはアートな小豆島の舞台のひとつで



オリーブのリーゼントは2013年から旅人を出迎える


そのデザインを手掛けるの清水久和氏といえば


S&O DESIGNとして、多くの形を世に出している



大阪・関西万博では、つややかなシルエットの


陶器の街の工芸品として、展示されていた


セトマネキ。抽象化された招き猫が


手招きする様子は、同じく氏が手がけた小豆島の


アート作品の白く輝く、愛のボラードを思わせる


その巨大なアートは人と人をつなげるように


髷貯金箱も手掛けた清水氏は、髪型にちなむ作品の


歴史の人物をモチ-フとした鏡の髪型を展開する


他にも、日常のささやかなモノにも目を向けたり


Canonのデジタルカメラのチーフデザイナ一と


そのデザインは幅広く、暮らしを形づくるように


工業デザイナーでありながら、日常のささやかな


モノへのまなざしが、作品に優しく注がれている


オリーブの木に囲まれたリーゼントの髪型。記憶
が沈殿するような醤油蔵には髷の貯金箱。髪型や、
日常のモチーフが題材ともなるアートを手掛ける
清水久和氏。緑や土壁に、白くつややかに浮かぶ
斬新なアートは、日々の小さな視点の連続の上に
ある。記号としての髪型に宿る記憶。日本的なもの
が解体されて、日常のてざわりが視覚化される。

それらの視点は形を帯び、アートにふれる人々に
気づきをもたらす。デザインとは対象を見つめ、
立ち上がる意味に、角度をつけた形を与えること
でもある。デザインはアートとして人々に関係性
をもたらして、その視点をまた旅に重ねていく。


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