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形の裏側にあるものが宿る場所へ

思い出を重ねるほどに、様々な形にふれていく


形をたどれば、その裏側には、それらを形作るための
営みがある。暮らしの中で育まれ、誰かの手によって
生み出されるもの。その産地の風土を知り、歴史を知る
ことで、ものへの視点を変えながら、旅を続けている。


木立の先に連なる白い四角形



万博は様々な形が散りばめられた場所であり



その会場を囲む大屋根リングには



膨大な人の手によって作られたという形の記憶が刻まれる



パビリオンは、様々な形が提示される最たるもので



その形のイメージは、いつかどこかのデザインやものづくりへ



つながっていくのでは、などと思いながら



会場にちりばめられた、こみゃくのデザインも



多様に変化を続けながら、形は



過去から未来へとつむがれていくものへと。
次に、ふらり立ち寄ったワッセという会場で


行われていたJAPAN CRAFT EXPO 2025。
そこでうたわれる、今を生きる工芸への旅



ふと目に留まるミャクミャク。輝く漆の作品は漆琳堂が作り


中川政七商店が手掛けるもの。100年前のパリ万博で


は出展された麻織物のハンカチーフから、その思いは
時代を超え2025年には、様々な姿のミャクミャクへ



それは鮮やかな色鍋島から、光をとどめる錫の姿に



手漉き和紙は光を通し、ガラスのミャクミャクは反射する


中川政七商店は時代と工芸の間をつないでいる




活気あふれる会場の手仕事をたどる。並ぶ鋳物の一輪挿しや


心地よい音を鳴らす、ピカチュウの姿の風鈴まで

それは能く作るという名の、能作が手掛けるもので


ものづくりの拠点となる富山に建つ新社屋には


訪れそびれたの富山の旅。でも工芸への旅は、この先も



その3日間だけの期間限定で行われていた、形の裏側にある



手仕事にふれることのできるイベントに


運良く立ち寄り、様々なものづくりの形にふれた



私にとっての手仕事への出会いの始まりは


2年半過ごした九州で出会った焼き物の数々


それは旅先でふれ、日常でも手に馴染むように




会場では土の匂いのする唐津の壺に、鮮やかな色鍋島の大皿も


九州で重ねた旅で、うつわという工芸の一端にふれた




土から生み出されるうつわの温かみに、そしてその変幻自在な



形にふれるものも楽しくて。会場の大きな陶器のシーサーを


手掛けるのは、やちむんのふるさとの沖縄の育陶園


やちむんと出会った、九州の工藝風向も懐かしむ




会場には様々な工芸の形。こむまぐの手掛けるどんぐりの


坂をカタカタと降りていく姿にほっこりとしたり



光を柔らかくまとうガラスは、菅原工芸硝子によって



淡い色味を帯びるグラスや



輝ききらめきを見せるグラスも


職人の手によって育てられる作品の数々や



その手仕事の背景にふれる。玉川堂で鳴り響くカンカン

という鎚の音。そこで時は打たれ、歴史が刻まれてきた



工芸の歴史は深く、900年もの時をつなぐ歴史がある


南部鉄器の及源鋳造はその歴史の先へ



会場には小さなものから大きなものまで。ちょこんと


てまねきする招き猫のセトマネキ



小さな円から、大きな円へ。重ねられた朱塗りのお盆は


曲げわっぱの大館工芸社によるもの



会場を、日本につむがれてきたあらゆる工芸を旅するように



たたら製鉄を生業とした田部家の歴史。そして一度途絶えた



たたら文化を、また未来へと伝承していくために


鐵泉堂はものづくりを重ねていく




そして田部の地で生まれた文化は


ぐい呑と日本酒という形で手を取り合って、この先へ


そしてその風景に誘われるように旅をして



きっと旅を続ければ、何か出会いが待っている


日本各地に散りばめられた工芸と


出会う小さな喜びにも期待して


人の手によって生み出されれるもの。どこか温かみが
あって、その背景を感じるもの。それらは、過去から
連綿と続く歴史の上で、物語をたずさえて、未来への
語りを持つ。それらに目を向け、耳を傾けて、得られる
小さな喜び。その喜びに出会うために旅を続けている。


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