島に流れる時間を伝う
カラミ煉瓦の間を抜けて
海辺の道は、森を過ぎて、また海へと至る。
風に揺れるすすき。木々から落ちる木漏れ日。
ゆっくりと朽ちゆくものと植物の鮮やかさ。
揺らめく光と、島に定着する彫刻をたどる。

すすきは黄金色に光を浴びて

海辺に吹く風に揺れる

島に流れる時間を伝う

倒れた煉瓦の柱。鬱蒼と溢れる緑から

落ちる木漏れ日を

ふと見上げる

鮮やかさを増すもの

朽ちてゆくもの

いつかは形をなくすもの

その先へと風景をつなぐもの

エノコロクサが海に浮かび

波間に光が揺れ動く

視界は開け浜に出る

緩やかな曲線に沿って

石の彫刻は空へと伸びる

影が重量を持つ

表面のひんやりとした温度に

島とつながる

線を描く風景の上に

航路標識がすっと立ち

影を伸ばす

光がさざなみ立つ

旅をも指し示す標識が

鮮やかな赤をまとう

静かに流れる時間を

波が緩やかに振動させては

光の溜まりが層をなす

ゆっくりと寄せる波の

足元まで伝わる音
砂の感触を確かめては

やがて引く波を

追いかけるように、波の動きに合わせ

砂を踏みしめては進む

島影がぼんやりと重なる

置き去りにされた流木は
どこからか流れついたもの

波は時を刻んでいく

砂浜に取り残された時間と

繰り返えされる島のリズム
旅の調べをたどりながら

先へと伸びる防波堤に

視線を沿わせては

島への焦点を合わせていく
航路標識の影が伸びる。砂浜に置き去りにされた
流木。曲線を描く石彫刻。隙間からのぞく光の波。
風景が緩やかに線を描く。砂に足が吸い込まれる。
静かに寄せては返す波と、防波堤の先の釣り人。
島に流れ留まる時間を、そっと伝うようにして。
