名画座へ行ったよ V
行く年(12月27日)に名画座へ行ったら
来る年(1月3日)も名画座ですよね(ウンウン
それに加えてお正月と言えば初笑い。
昭和の喜劇王と言えば言わずと知れたエノケン(榎本健一)でございまして前々から観たいと思ってた矢先の上映でした。何が何でも行かないと。
「初笑い底抜け旅日記」がその映画タイトル。
(1955年 / 昭和30年)の作品です。白黒の時代劇です。

水戸黄門翁(柳家金語楼)御一行と同じ旅籠に泊まった風来坊の金太(エノケン)と仇討ちを目指して諸国を旅する少年剣士は(本来ならば)ご老公の路銀(旅行費用)で飲み食い乱痴気騒ぎ。
金太と旅芸人姉妹の妹とのロマンスもあり、(旅籠内での)少年剣士の仇討ち達成もあり、の後はご老公の正体も明かされ、路銀は金太に進呈されてめでたしめでたし。
とまぁ、収まる大団円なんですが。
この映画のおもしろさは今ではほとんど採用されないミュージカル形式が取られているんです。
金太が、旅行中に立ち寄った村の掲示板を見てた「年貢の額が多くなる」村人との会話では、そのダイアログが歌唱によって行われています。
旅芸人姉妹と旅籠呼込係との交渉場面もそう。
金太と旅芸人姉妹の妹との会話もそう。
今でこそ、ミュージカルは特別な場(劇場)でしかお目にかかれませんが、当時(1955年 / 昭和30年)映画館で観れたのです。
終戦からわずか10年でこれほどまでに質の高い映画が製作可能だったんです。これは戦前より続く日本の大衆文化の成熟をうかがわせます。
特に後半、旅籠内でのチャンバラシーンにおいて流れるブラームスのハンガリー舞曲と、その楽曲に合わせたアクションの演出。当時から日本映画はここまで完成されていたのかと感心いたしました。
往年の活躍を知らないボクにとって、エノケンはあたかも受け入れられる余地は十分にあります。今後も機会がある毎に楽しみたいと思います。
