見出し画像

私がインフルエンサーを辞めてよかった理由。youtube副業の本音

好きなことだけでは、生きていけないことがある。

これは、アパレル業界でデザインやトレンドと生きてきた服好きの私が、服の世界を離れ、制服の仕事に転職し、youtubeでインフルエンサーになり、そして辞めるまでの話。

インフルエンサーになったにもかかわらず、なぜその道を離れることを選んだのか。

「好き」と「仕事」そして「生きがい」との距離を何度も見つめ直している人にとって、この話が1つのヒントになれば幸いです。

好きを仕事にしてた頃

私は幼い頃から服が好き過ぎて、アパレルの仕事に就きました。

様々な経験をしたのち、企画へ。
未来のトレンドに向けたディレクションやプレゼンテーションを行う仕事でした。

アパレルの世界は、終わりのないシーズンの連続で、SS(春夏)とAW(秋冬)があります。
年2回の大きな区切り。

でも実際の現場はSS(春夏)とAW(秋冬)に加え、さらに無数の【季節】が存在しています。初春、春、初夏、盛夏、晩夏、初秋…などなど。

この世界にどっぷり浸かっていた私は、季節は感覚ではなく企画単位になっていました。

街を歩くことも、雑誌を見ることも、ドラマや歌番組を見ることも、SNSを見ることも、すべてがコーディネートや企画の種になる。

何気ない風景の中で、頭の中だけが常に忙しかった。

「今後は、こんなカラーが増えてきそう」
「この素材なら、こういう落ち感が出るはず」
「次はこのシルエットが流行りそう」

気づけば、服は楽しむのではなく仕事の為だけのものになっていきました。

なぜ、私は服を買い続けてしまうのか

まずは、どのくらい服が好きで頭の中を支配しているのか…
理由はひとつではありません。

  • デザインそのものが気になる

  • デザイナーに対してテンションが上がる

  • ブランドのストーリーに共感する

  • 服の構造が気になる(分解したくなる)

  • トレンドの背景が気になる

  • コーディネートが次々と頭に浮かんでしまう

  • 足りないピースが見えてしまう

この中で特に厄介だったのは「完成していない感覚」でした。

我が家のクローゼットには大量に服がある。
足りているはずなのに、どこかが未完成に見える。
まるでパズルのピースが、あと1つだけ足りないような感覚。

その1つのピースは、納得のいく1着が見つかるまで完成しない。

服を買うことは終わらない企画

例えば、理想のシャツが欲しい場合、その瞬間から始まるのは、買い物ではなく企画。

まず
リサーチをする。
ブランドを比較する。
素材とシルエットを分析する。
予算と用途のバランスを考える。

ここまで、とても時間をかけます。

その後、
候補を絞る。
店舗に在庫があれば試着に行く。

そしてようやく1着を選んでも、それで終わりではなく、次のアイテムリサーチが始まる。気づけば、ひとつの細かい季節に対して小さなプロジェクトが立ち上がっている。

そして次の季節には、また新しいコーディネートが浮かんでくる。

このくらい服が好き。
「服は文化」だと思っています。
お洒落というよりは服オタクに近いかもしれない…


アパレル企画は好きだったけど、続けられなかった

仕事は好きでした。
でも、好きだけでは成立しない世界。

企画は、感性だけではなく数字とスピードで動く。
残業は当り前。
体力がないと続かない…

好きを仕事にすることと、できることを仕事にすることの現実。

長い将来を考えた私は、転職の道を選びました。

制服の仕事に転職

その後、服の世界から少し離れるために制服のある職場に就きました。
そこは個性を出さない世界。

はじめての服を選ばない生活が始まりました。

毎日、コーディネートを考える習慣が無くなった。
最初は「なんて楽なんだ」と時短になる経験をして、服の断捨離もしました。

毎月、洋服代でカツカツだった生活費も余裕が出来、少しずつ貯金も可能になった。

「服を買わないってイイ事ばかり」
と思ったのも束の間…

「誰かと服の話がしたい」という衝動

服の仕事から離れると、服を語る相手もいなくなった。

それが一番つらかったのかもしれない。

「このコーデ、どう思う?」
「このブランド、今季のバランスが良いよね」
「10数年前のデザインがまたトレンドになってるね」

そんな何気ない会話が、どこにもない。

生きることの楽しみも薄れていくほど、ぽっかりと穴があいた感覚でした。

そして、時間と共に服好きは再燃。

ただ、以前と違うところは
「今度は仕事関係なく、自分の好きな服だけを着よう」
と決めたこと。

すると、再びクローゼットが好きで埋まっていく。
季節毎にコーディネートがどんどん浮かんでくる。

でも、もうアパレル業界にはいない

それでも自分が満足であればいい、とコーディネートを組み立てると同時にクローゼットの容量が埋まっていきました。

問題発生と「ユーチューバーへのきっかけ」

当時、私は制服の仕事に就いていました。
コーディネートが大量に浮かび、それに伴い我が家にアイテムが増えていく。

でも、この頃、私のライフスタイルで、私服を着る日は月に8~10日程度

「あれ?今ある大量の服は1シーズンで着まわせない!?」

組み立てたコーディネートをシーズン内で、すべて着て出かける日数が足りないことに気付く…

このままでは、たくさんのコーディネートが思い浮かび、準備が出来ても、実際に着る機会はないままトレンドが少しずつ変わってしまうかもしれない。

コーディネートも服も無駄になってしまう。

私にとっては、とても恐怖で悲しいこと。

そして、少しだけ生きがいみたいなものを失いかけている自分もいました。

何か、この思考と行動を無駄にしない方法はないだろうか…


副業でyoutubeをはじめる

もともと引きこもり気味の私は、友人が多いわけでもないので服の会話はほぼ無いし、コーディネートを誰かに自慢したいわけでもない。

ただ「共感」したい。

そして、どうせなら「個人でビジネスにできたらいいな」くらいの気持ちでした。

私はコーディネートを発表する場所を求め、本業がある中、ファッションで副業を始めました。

Instagramかyoutubeで悩みましたが、動画中心での活動をイメージしていたのでyoutubeを選びました。

この頃、動画編集にも興味があり、良いきっかけだとも思いました。

本業がありましたが
「このままでいいのか?」
という問いもあったので、新しいスキルを身に付ける為にもいい経験だと思い、自己投資のつもりではじめました。

最初は誰にも見られなくて、
(これが現実だよね…)
と思いながらも、浮かんでくるコーディネートの投稿を続けました。

職業柄、マーケティングやブランディング、分析などの知識が多少あったので、試行錯誤しながら投稿を続けると、少しずつ、評価やチャンネル登録者がつくようになっていきました。

約3ヵ月で収益化

あれこれ試しながら投稿した動画がバズり、急激にチャンネル登録者と再生回数が増加していきました。

運が良かったのか、youtubeの収益化条件を約3ヵ月で達成。

その後、1万人突破まで猛スピードで駆け上がっていきました。

「自分の企画が誰かの役に立っている」
という気がして嬉しかった。

インフルエンサーになった瞬間、服の意味が変わった

自分で予想してたよりも早いスピードで登録者が増え、再生回数も伸びていきました。

チャンネル登録者は1万人を超えてからも更に増え、副業としても収入が安定して得られるようになり、楽しいはずでした。

その頃、10万再生以上の動画が何本も出てきて、更に何十万再生の動画も出てきました。

はじめは嬉しい気持ちと、やりがいがありましたが、あまりにも大勢の方から見られている自分に違和感を感じ、外出が億劫になることも増えていきました。

もう一つ、自然と服の選び方が以前とは変わったこと。

純粋に、好きな服ではなく「需要のある服」を選ぶようになってる。

役に立ってるか。
反応が取れるか。
バズりそうか。

気づけば、クローゼットの中身の半分以上が副業の洋服で埋め尽くされていました。

そこにあったのは、
自分のための服ではなく、誰かのための服。

少しずつズレていく

投稿が伸びると嬉しい。

数字が増えると「この服いいよね」と共感をもらった気がする。

でもその正解は、いつの間にか自分の感覚を上書きしていく。

「これが好き」より先に
「これなら再生回数が伸びる」が出てくるようになった。

1つの動画を公開するまでに、企画→撮影→動画編集。
ここまでで何日も時間を費やします。

だから、
「失敗できない」
という、当初とは違う感情に支配されていました。

この頃の私は、視聴者の好む服を着ているマネキンで、もう自分の本当に好きな服は着ていませんでした。

気づいたら、クローゼットは誰かのための服で埋め尽くされていた

youtube副業の収入は次の投稿に消えていく。

企画のための服
撮影のための服
反応のための服

クローゼットは満たされているのに、満たされている感じがしない。

好きだったはずの服が、いつの間にか「仕事の素材」になっていました。

企画もルーティン化できて、決まった周期で淡々とこなす日々。
副業として収入も安定していました。

でも、楽しくない。
好きな服が着れない。

これは私にとっては重大なことでした。

そしてユーチューバーをやめた

更新頻度を落としながらも、投稿は続けていました。
でも、少しずつ気持ちが離れていき、youtubeを辞めました。

同時に、気付かされたことがたくさんありました。

  • 私の性格にインフルエンサーは向いていない。

  • 現時点では、私の求めている「共感」は得られなかった。

  • youtubeの世界で収入を得るという事は、私の場合、仕事として割り切る部分もなければ続かないかもしれない。

そして、とても貴重なスキルとも出会えました。

  • 動画編集の基本。

  • マーケティングとブランディング知識の強化。

  • youtubeアルゴリズムの理解。

ここで学んだ事を、次のチャンネルに注ぐことも考えましたが、やっぱり自分が前に出ることは向いていないと思い、ユーチューバーは一旦終了。

数字に囚われているyoutubeという世界の外側に、自分の感覚を戻したかった。

今はまた、好きな服を選んでいる

今、誰に見せるためでもなく、誰かに評価されるためでもなく、ただ着たい服を着ています。

たくさんの人との共有はできないけど、小さな共感で満足。

そして、クローゼットが以前のように好きで埋まっています。

それだけで、満たされるということにも気付かされました。

youtubeが教えてくれたこと

服が好きという気持ちは変わっていない。
これからも、きっと変わらない。

ただ、その扱い方を間違えると、好きなものほど自分から遠ざかっていくことを知りました。

インフルエンサー(ユーチューバー)という経験は、それを教えてくれた、とても良い時間でした。

私の場合は、再生回数やチャンネル登録者が増えれば増える程、窮屈になり、数字に囚われてしまい、諦めてしまったけど、もし
「好きなもの、推し活、こだわってしまう事などがあるけど、本業にするには、まだ現実味がないかも」
ってことがあるのなら、まずは副業というカタチで誰かに届けてみるのも、一つの選択肢だと思います。

半径100mよりも、日本中、世界中になると、共感してくれる人に出会えるかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!