小説|百奇夜行 本編044 宣言〜世界が救われるまで、あと56話〜
『宣言』
「あらら、とんでもない『百奇』に目を付けられましたね」
神の使いは他人事のように言う。
「存在を消されそうなのに、見過ごせるわけないでしょ」
サイコパスは当然のことを言う。
「今は宇宙人と争ってるんじゃないのかよ」
「敵と味方の区別も付かない者は戦力外なのでしょう」
「実は最初のカフェに俺もいたんだよね」
あの客を『暗殺』したのはこいつか。
「『面接』終わりにぶらぶらしてたら、『運命』の再会さ」
「誰得すぎるって」
「世界なんて救えっこないと思ってたけど」
もう一本のナイフを取り出し、刃先をこちらに向ける。
「やるじゃん、崎山氏」
全く逃げる気にならない。
背中を見せた瞬間に刺されるイメージしか湧かない。
こいつは、最悪で最強の『百奇』だ。
「こう言えば生かしてあげるよ」
ヘラヘラと情けないジェスチャーを付け加えながら。
「俺に世界は救えませんでした、ってさ」
死にたくない。
刺されたらきっと痛い。
そもそも、何で俺は世界を救わないといけないんだ?
「崎山さん、一緒に世界を救おう」
そう言って山本さんが勝手に始めたことじゃないか。
しかも言い出しっぺはすぐにいなくなったし。
俺の役目じゃない。
知ったっこっちゃない。
俺は…。
「崎山さん…えい」「…ありがとう」
俺は…。
「私が必ず助けに行きますから!」
俺は…。
「あんたはいい人だな」
俺は…。
「お言葉、しかと胸に刻み込みました」
俺は…。
「また、ガチ部屋で飲みに行こう…」
俺は…。
「俺は、あんたが俺で誇らしいよ」
俺は…。
「俺は、世界を救う者だ!」
頭よりも先に、心がそう宣言していた。
「いいよ、死にたいってことね」
サイコパスの顔から笑みが消え、殺意に満ちる。
「よく言った!それでこそ俺の憧れた俺だ!」
目覚亭前の人だかりから、もう一人の俺が飛び出した。
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登場人物/設定/題名
『小林』…ガチ部屋の創始者。
類い稀なる問題解決能力の持ち主。
とある講座で知り合った私の友人。
緑の点で正気を失い『』の中へ。
崎山…ガチ部屋のメンバー。
『一奇夜行』の読み手。
『十奇夜行』の書き手。
類い稀なる素直さといい声の持ち主。
とある講座で知り合った私の友人。
もう一人の崎山と共に神の使いを追う。
山本…ガチ部屋のメンバー。
『十奇夜行』の読み手。
『百奇夜行』の書き手。
類い稀なる??の持ち主。
ただの私。
行列から吊橋へ連行される。
あなた…この物語の読者。
想いを言葉にした時、『結末』は変わる。
ラスボス…??
世界を救う為に倒すべき存在。
神の使い…ラスボスに繋がる鍵を握る。
『面接』…百奇夜行 No.066の題名。
娘の仇を見つけるためだった物語。
サイコパス登場回。
本編登場済:70/100 話
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