「ソロ活女子のススメ」に涙する理由
TV東京のドラマ「ソロ活女子のススメ」を毎週録画して週末に観ている。
今クールのドラマはいくつか気に入ってるものがあるけど、中でもこの作品にはちょっと思い入れがある。
江口のりこさん主演でソロ活女子をテーマにしたドラマが始まると知った時、楽しみ!という気持ちが真っ先にあったけど、コラムニスト朝井麻由美さんの著書が原案と知って一瞬不安がよぎった。
朝井さんの著書「ぼっち」の歩き方 を数年前読んだことがある。自らのソロ活体験を綴っているのだけど、なぜこんなに自らのひとり遊びに対して自虐的なのだろうと当時違和感があった。テーマ自体は興味深いのに、その自虐的な書き方に馴染めず共感できなかった記憶がある。
だから正直あまり期待し過ぎず視聴し始めたのだけど、初回から好感触。毎回ハズレなし、しかも回を追うごとにじわじわとソロ活賛歌が染み入ってくる感じで、不思議な心地よさがある。
原案は小説ではなくソロ活指南本。ドラマ化にあたり主人公の設定を40歳の契約社員として働く独身女性としたのもつくづくうまいなぁと。同年代だから一層共感するところもあるのだとは思う。
肩に力が入っておらず、ソロ活の対象に真摯に向き合い、淡々と楽しみ尽くす主人公には好感しかない。
先々週の第7話「ソロせんべろ」では主人公 五月女恵がソロ活を始めるに至った経緯が明かされたのだが、淡々とした語りに気づいたら泣いていた。
先週の第8話「ソロ遊園地」ではひとりで遊園地に通っているらしき男性に絶叫マシンの乗り方を指南される恵。最後その男性から受け取ったメッセージにまたもや私は涙してしまう。
どちらも劇的なことが起こるわけじゃない。日常の延長にありそうなエピソードだからこそ、妙に沁み入ってしまう。
恋愛でもなく家族でも友人でもなく、ソロ活の場でたまたま出会った人とのちょっとした交わり。
ほんのわずかな時間を共有し、そこに生まれる触れ合いのなんと愛しいことよ。ほんわかと心が温まるような、一期一会の味わいをしみじみ感じさせてくれる。
このドラマは大当たりだわ、、と言う思いを強くするにつれ原案の「ソロ活女子のススメ」の方にも興味が湧いたので、遅まきながら買ってみた。
そこで不覚にもまた涙してしまったのだ。1章の「胸を張って「ひとり」を楽しむと決めた話」から少し引用してみる。
ソロ活の連載を始めたばかりの頃は、「ひとりでいること」「リア充のようないわゆるキラキラした世界に馴染めないこと」について自虐的な書き方をすることが多かった。(略)みんなでワイワイしている輪の中に入りたいけど入れないから、ひとりで過ごすみじめなわたくしめでござい、といったスタンスで書くことが多かった。
(略)
今振り返ると、この頃は私の中で「みんなでワイワイ盛り上がることができない私はみじめ」「ひとりって自由で楽しい」という矛盾する2つの気持ちが混在していたのだと思う。けれど連載を重ねていくうちに、ひとりでいること自体が楽しいんだから、自分がワイワイできないことに対して卑屈にならなくたっていいのだと思えるようになった。
「ひとりでいることが楽しいのにそれを自虐する自分」という矛盾に悩んだ結果、「よく考えたら、別にひとりでもいいじゃん!」「ひとりが好きって正直に言っていこう!」という道を見つけたのが今の私だ。
私は単純に、ひとりでいることを肯定されたかったし、肯定したかった。ただシンプルに「ひとりが好きだ!」と胸を張って生きることに決めたら、なんだか憑き物が落ちたようにとてもスッキリとしたのだった。
朝井さん、よかった・・!!!よかったです!
そう思いながら涙が出る自分。一体どうしたことだと思いつつ、あぁこれは私のことでもあるんだなと。心の奥底にある言語化できてなかった思いの断片を掬い上げてもらったような感覚があるから、涙が出たんだなと。
私自身も大勢の人とワイワイ盛り上がるということが昔から苦手な方だった。合わせるということがうまくできない。みじめとは思ったことないけれど、何でできないのかと若い頃はずいぶん悩んだような気もする。
そして一人っ子のせいもあるのだろう、昔からひとりが好きで、その自由気ままさが自分にとって無くてはならないものという自覚もある。
旅も心から「楽しすぎる!!!!」と溢れる瞬間が多発するのは、大体ひとり旅の時だ。家族や友人との旅ももちろん楽しい。けれどひとりで道中出会うものをダイレクトに受け止め堪能する時間は、何とも言えない多幸感に包まれる至福のひとときなのだ。
初めてのソロ活は10代の頃、青春18切符で栃木から秋田・岩手への旅。
それから20年以上ひとり旅以外にも色々ソロ活してきた。
だけど振り返ってみると「ひとりが好き」と積極的に周りに言ってきたわけではなく、どこか言うのは憚られるもの(もしくは言えるのは本当に心を許している家族や友人だけ)だったかもしれない。後ろめたいわけじゃないけど、胸を張って誰にでも言えるわけじゃない・・みたいな。
令和の時代、「ソロ活女子のススメ」のような作品がテレビドラマになり、多くの人に受け入れられているという今の状況に、時代は変わってきたのだなぁとしみじみ実感する。
本「ソロ活女子のススメ」にはオススメソロ活30選が載っている。
難易度1〜5まであるが、ドラマにもなってたひとりラブホはさすが難易度5。あれは私もビックリした。
30選のうちやったことがあるものを数えたら13個あった。
(ひとりカラオケ、ひとりラーメン、ひとり焼鳥、ひとりボウリング、ひとり牛丼屋、ひとりせんべろ、ひとり焼肉、ひとり寿司、ひとり鍋、ひとりバー、ひとりバイキング、ひとり鉄道旅、ひとりナイトプール。
食べソロ活が多いのは比較的挑戦しやすいし身近だからですかね)
30選の半分にも満たない。
まだまだ未体験のソロ世界があると思うとワクワクしてくる。
(ドラマ第6話にもなった「ソロ気球」なんてめっちゃ楽しそう!!)
この本とドラマをガイドに、私もゆるりとソロ活を楽しんでいきたい。
ドラマ、あと数回で終わってしまうのが寂しい。シリーズ化してくれたら嬉しいなあ。第二の「孤独のグルメ」になりますよ、間違いなく。
