林立夫の『Non Vintage』を聴いて、アルバムで聴くことの愉しみを再認識する
林立夫の『Non Vintage』というコンピレーション・アルバムを買った。
僕は自分のブログには時々個別の音楽CD評を上げたりもしているが、ここ note にはそういう記事は載せたことがない(多分)。
しかし、今回はここに書かなければならない。
何故ならこのアルバムは note で スガイヒロシa.k.aSugar さんのこの記事 ↓
を読んでその存在を知り、知った途端にほしくてたまらなくなって即 Amazon でポチッとしてしまったアルバムだからだ。
そして、そのことをコメント欄に書いたら、スガイヒロシa.k.aSugar さんに「感想教えてくださいな」と書かれてしまったから。もちろんコメント欄に書いても良いのだが、些か長くなりそうだったので新たな記事を立ててここに書くことにしたというわけだ。そういうわけだから、これはスガイさんへの個人通信みたいなもので、スガイさん以外には読んでもらえなくても仕方がないけれど(笑)
こういう構成のアルバムは大変珍しいと思う。歌手でもなく、作曲家でもなく、スタジオのミュージシャン、それもギタリストやキーボード・プレイヤーではなく、ドラマーで括って編まれたコンピレーションなのである。ドラムスの音に改めて耳を傾けてみる、とても良い機会になったと思う。
で、CDプレイヤーの再生ボタンを押した瞬間から、SIDE 1 の 1曲目の Bread & Butter の『ピンク・シャドウ』から、「あれ、この曲ってこんなにドラムスが立ったアレンジだったっけ?」という気がする。「ひょっとして、全曲ドラムスが目立つようにリミックスしてたりして」とまで思ってしまう。
これは多分、ひとえに僕が「林立夫のアルバムだ」と思って聴いたからなんだろう。
最近でこそ音楽を聴くといろんな側面に注意が行くようになったけれど、考えてみたら、若い頃なんて派手なギター・ソロばかりに気を取られたりして、ドラムスの音なんかにほとんど注意を向けていなかった。もちろんリズムは自然と体に沁み込んできて揺さぶってはくれるのだが、注意を向けていないと気づかないことは多い。
このアルバムはいろんなことに改めて気づかせてくれた。『ピンク・シャドウ』が新鮮に聞こえたのがその第一歩だった。
『ピンク・シャドウ』を皮切りに、『帰れない二人』、『雨のウェンズデイ』、『SWEET MEMORIES』、『やさしさに包まれたなら』など(全部は挙げないけれど)、すでに音源を持っている曲もたくさん入っていれば、名前は知っていてもまともに聴いたことがなかった歌も、全く知らない歌手の知らない曲も入っていたのだが、連続して聴いていると、「ああ、これ、これ! こういう音!」という感じがして、全く繋がりのない曲なのに不思議な連続性、統一感がある。
「これ、このリズム、ティン・パン・アレーの最初のアルバム『キャラメル・ママ』の頃の音だよな」と思う。
僕はずっとこういうのはティン・パン・アレーの特徴的なサウンドだと思っていたのだが、そうか、むしろ実は林立夫固有のリズム形だったんだと妙に納得してしまった。
しかし、それにしても、ここに収められた多くの曲が、僕が既に持っている音源と重複しているわけで、そういうアルバムを通常はあまり買おうとは思わないはずだ。それでもどうしてもほしくなって買ったのはこの構成に惹かれてのことである。
これらの曲をこの順番で聴いて行くところに、このアルバムの魅力があり、醍醐味があるのである。こういう気持ち良さは、サブスクなどで好きな曲を次々に選んで個別に聴いている限りは決して得られないだろう。
そう、アルバムというものには本来そういう意味が、そういう意義があったのである。ほとんどアルバムでしか音楽を聴いていなかった頃の、独特の高揚感が一気に甦ってきた。
このアルバムを買って本当に良かったと思う。
いいなと思ったら応援しよう!
この記事を読んでチップをあげても良いなと思ってくださった奇特な皆さん。ありがとうございます。銭が取れるような文章でもないのに恐れ入ります。♡ やシェアをしていただけるだけも充分ありがたいです。なお、非会員の方でも ♡ は押せますので、よろしくお願いします(笑)