食べれる草 #68 「スイバのチーズケーキ」
■はじめに
冬の季節、河川敷や公園の草むらに、赤いスポットが点々とある光景をよく見かけます。

近づいてみると、そのほとんどがこちらのスイバだったりします。
春や夏は他の草と同じように緑色なので目立ちませんが、冬の寒さに当てられると、このように紅葉したモミジのように深い赤色になる特徴的な草です。
スイバ自体は特に珍しい草でもなんでもないので、草むらっぽいところに行けば必ず見つかるぐらい身近な草です。
こちらのスイバ、このnoteで紹介しているということは……当然食べることができます。ちょっとした注意が必要な点はあるのですが、冬でも安定して手に入り、真っ赤なので他の草と間違えようもなく、かつおいしい!と3拍子揃ったスペシャル草なのです。

採取するとき、葉の先端が茶色く枯れていたりするものがあるので、なるべく全体がきれいな葉っぱを選んで根本から摘んでいきましょう。
葉っぱによっては緑色が強いものも混じっていますが、今回の料理ではなるべく全体が真っ赤なものを選んでいきます!
こちらのスイバ、実はそのへんの草とは思えぬとんでもないポテンシャルを秘めている草なんです。今回はその実力をご紹介しましょう!

■作り方

今回はスイバでジャムを作り、チーズケーキにトッピングしておしゃれにいただいてみたいと思います!
こんな草でジャム……?と思うかもしれませんが、スイバはタデ科の植物なんです。
タデ科の植物というと有名なのはお蕎麦のソバや、おいしい野草のイタドリなどが有名です。そして忘れていけないのがルバーブ!
ルバーブ同様に、スイバも実はジャムにすることができるんです。鮮やかな赤色もルバーブと似てますしね。
というわけで洗ったスイバの水気を取り除き、包丁で細かく刻むか、フードプロセッサーで細かくします。


この時点で、不思議なことに柑橘類のような爽やかな酸味を感じる香りが広がります。
刻んだスイバを鍋に入れ、スイバと同量~80%くらいの重量分の砂糖、レモン汁少々、ひたひたくらいの水を入れて、弱火で水気が少し残るくらいに煮詰めます。今回は40gのスイバを使いました。



ジャムとしてはこれでもう完成なんですが、もうひと手間加えます。
この状態では刻んだ葉っぱの形がそのまま残っていて若干口当たりが悪いので、網目の細かいザルなどで濾してシロップ部分を取り出します。
さらに残った部分はすりこぎで細かくしてペースト状にしておきます。

お次にお手軽チーズケーキを作ります。(2人分)
常温にするor湯せんして柔らかくしたクリームチーズ100gにグラニュー糖20gを入れて、よく混ぜます。
チーズが混ざったら生クリーム100mlを数回に分けて入れ、泡だて器で混ぜ合わせます。

その後も角が立つ程度まで更に混ぜたら、容器に注いで冷蔵庫で2時間ほど冷やしましょう。


最後に先程のスイバのジャムをトッピングし、帰り際に拾ったミントの葉を飾り付けたら完成!
■味の感想

甘さ控えめでコクのあるチーズケーキに、爽やかな酸味のスイバジャムが完璧に合っていて、ちょっとこれはとんでもないハーモニーを醸し出してしまっていますね……どえらいものを生み出してしまった……
スイバのジャムですが、嘘のようですがベリー系のジャムの味がします。草なのに!何も知らされずに食べたら、ほとんどの人は果物のジャムだと信じてしまうと思います。
味ももちろんなんですが、香りが完全にベリー系のそれなんですよね。鮮やかな色も相まってなおさら脳がそう認識してしまうのかもしれませんが、本当に不思議です
食感は少し負けますが、味に関しては個人的にルバーブのジャムよりも上です。なによりお手軽に作れるのもグーですね!
■おわりに
実はスイバはこの食べれる草の第1回で紹介した食材でした、
今回と同じような調理法ですが、年が明けたのでリメイク版ということでひとつ。
そんな縁もあって個人的には思い入れのある草なんですが、久々に食べたスイバはやはり草とは思えない味わいでとってもおいしかったです!
さて、冒頭で書いた「ちょっとした注意点」についてですが、スイバにはシュウ酸という成分が含まれています。
こちらのシュウ酸、結石の原因となり得る成分のため、多量に摂取するのは注意が必要となります。とはいいつつシュウ酸自体は身近な食材(ほうれん草、チョコレートが特に多い)にも含まれているため、過度な心配は不要と思っていますが、念の為に一度にたくさん食べるのは控えましょう。
ちなみに、シュウ酸はカルシウムと結合するため、カルシウムを含む食材と一緒に摂取することで体内に吸収されるシュウ酸を抑えることができます。
そのため今回のようにクリームチーズと一緒に食べたり、ヨーグルトといっしょに食べたりするのは相性抜群!
なによりとってもおいしいので、ぜひこの冬に皆さんも試してみてください。
