日本の介護業界の現状データまとめ|施設数・従業員数・給与推移【2026年版】
「介護業界って、実際どのくらいの規模なの?」
「施設はどれだけ増えているの?」
「給料は昔より上がっているの?」
「これから介護士が足りなくなると聞くけど、本当に?」
介護職に関心がある方・現在働いている方の多くが、こうした疑問を持ちながらも「全体像」をつかめていないことが多いです。
この記事では、厚生労働省・国土交通省・内閣府などの公的データをもとに、日本の介護業界の現状を数字で整理します。
施設数・従業員数・給与の推移・高齢化率の見通しまで、一記事でまとめて把握できる構成です。
目次
日本の介護業界の「今」をひと目で把握する
介護施設・事業所数の推移
介護職員数の現状と将来の不足予測
介護士の給与はこの10年でどう変わったか
高齢化率と介護需要の見通し(2040年まで)
まとめ:介護業界が「安定成長産業」である理由
1. 日本の介護業界の「今」をひと目で把握する
まず、2026年現在の介護業界の規模感を数字で確認しましょう。
介護保険制度の開始: 2000年(平成12年)
介護保険の被保険者数(65歳以上): 約3,600万人
介護保険サービス受給者数: 約700万人以上
介護事業所・施設の総数: 約28万か所以上(全サービス種別合計)
介護職員数(介護サービス従事者): 約230万人
介護保険給付費: 年間約12兆円
2000年の介護保険制度スタートから25年が経過し、日本の介護業界は「社会インフラ」として完全に定着しました。規模・予算ともに、医療業界に並ぶ巨大産業です。
2. 介護施設・事業所数の推移
介護保険制度が始まった2000年以降、施設・事業所の数は急増しています。
主要な施設・事業所数(2024年前後の概数)
特別養護老人ホーム(特養): 約11,000施設
介護度が高い方が入居する公的施設。全国で待機者が多く、需要は依然高い。
介護老人保健施設(老健): 約4,200施設
リハビリを中心とした中間施設。病院から在宅復帰を目指す方が利用。
通所介護(デイサービス): 約24,000事業所
日帰りで食事・入浴・レクリエーションを提供。全国で最も身近な介護施設。
訪問介護事業所: 約35,000事業所
自宅に訪問して介護を行うサービス。高齢者の在宅生活を支える中心的な役割。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム): 約14,000施設
認知症の方が少人数で共同生活を送る施設。地域密着型の代表格。
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等): 約5,000施設以上
民間の有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を含む。
施設数の変化(2000年→2026年)
介護保険制度スタートの2000年と比べると、全体の事業所数は約5〜6倍以上に拡大しています。特にデイサービスと訪問介護は、20年間で爆発的に増加しました。
この数字が示すのは、介護業界が「仕事の場」として圧倒的に広がっているということです。どの地域にいても、介護の仕事は必ずあります。
3. 介護職員数の現状と将来の不足予測
現在の介護職員数
厚生労働省の調査によると、2023年時点の介護職員数(介護サービス従事者)は約230万人です。
2000年の介護保険制度スタート時と比べると、約5倍以上に増えています。それだけ「介護士」という職業が社会に定着・拡大してきた証拠です。
2040年に向けた不足予測
厚生労働省の推計では、2040年には介護職員が約280万人以上必要になると試算されています。
現状の230万人と比較すると、約50万〜70万人の不足が見込まれています。
2025年: 約243万人必要(現状より約13万人不足)
2030年: 約260万人必要(現状より約30万人不足)
2040年: 約280万人必要(現状より約50万人不足)
この不足を埋めるため、国は以下の施策を継続しています。
処遇改善加算の拡充: 介護士の給与を引き上げる補助金制度
外国人介護人材の受け入れ: EPA・技能実習・特定技能の拡大
ICT・介護ロボットの導入支援: 職員一人ひとりの負担を減らす取り組み
ハローワーク・転職支援の強化: 異業種からの参入を促進
つまり、「介護士が足りない」という現実は、裏を返せば介護士という仕事の安定性・求人の多さを意味しています。
4. 介護士の給与はこの10年でどう変わったか
介護士の給与は長らく「低い」と言われてきましたが、2013年以降の国の施策により、着実に改善が続いています。
月給の推移(常勤・月給制の介護職員)
2013年頃: 平均月給 約21万円(各種手当含まず)
2015年: 処遇改善加算(加算II)の拡充により月給アップ
2019年: 特定処遇改善加算の導入。経験・技能のある職員に重点的に手当
2022年: コロナ禍対応の補助金・賃上げ施策が重なり月給上昇
2026年: 平均月給 約32〜33万円(処遇改善加算込み)
約10年で月給が10万円以上改善されました。年収換算でいえば、120万円以上の差です。
資格・役職による年収の違い
無資格・未経験: 年収250万〜330万円
介護職員初任者研修: 年収300万〜370万円
介護福祉士(夜勤なし): 年収330万〜420万円
介護福祉士(夜勤あり月4〜5回): 年収400万〜500万円
ケアマネジャー(介護支援専門員): 年収380万〜520万円
施設長・管理職: 年収500万〜700万円
資格と夜勤の有無で、同じ「介護士」でも年収に200万円以上の差が生まれます。
介護士の年収・給料の詳細については介護士の年収・給料・手取りのリアル|処遇改善・夜勤手当・地域差まで徹底解説【2026年版】で詳しく解説しています。
5. 高齢化率と介護需要の見通し(2040年まで)
介護業界の規模が今後どうなるかを知るには、高齢化率の推移が最もわかりやすい指標です。
高齢化率の推移(65歳以上人口の割合)
1990年: 約12%
2000年: 約17%(介護保険制度スタート)
2010年: 約23%
2020年: 約28%
2024年: 約29%(約3,600万人)
2040年(予測): 約35%以上
日本は世界でも類を見ない速度で高齢化が進んでいます。2040年には人口の約3人に1人が65歳以上になる見込みです。
介護保険受給者数の見通し
介護保険サービスを利用する方(要介護・要支援認定者)は、2024年時点で約700万人を超えています。2040年には約900万〜1,000万人に増加すると予測されています。
施設の数・職員の数・介護サービスの規模は、今後もすべて拡大し続けます。
「介護業界は衰退しない」理由
他の多くの産業が人口減少・市場縮小に直面するなか、介護業界は需要が確実に増え続ける唯一に近い分野です。
少子化の影響で子どもの数は減りますが、高齢者の数は今後20年間は増え続けます。「介護が必要な人が減る」という未来は、少なくとも2040年代まで来ません。
これが、介護士という職業が「手に職をつける」選択肢として再評価されている理由です。
介護士の将来性については介護士の将来性|AI・ロボット・ICT時代でも需要が増え続ける理由【2026年版】で詳しく解説しています。
6. まとめ:介護業界が「安定成長産業」である理由
この記事のデータをまとめると、以下のことがわかります。
施設・事業所数: 介護保険スタートの2000年から25年で約5〜6倍に拡大。全国どこでも職場がある。
従業員数: 現在約230万人。2040年には280万人以上が必要で、50万人以上が不足する見通し。
給与: 2013年から2026年の約10年で月給が10万円以上改善。処遇改善加算の継続で今後も上昇傾向。
需要: 高齢化率は2040年に35%超。介護保険受給者は現在の700万人から900万人以上へ増加見込み。
「給料が低い」「きつい仕事」というイメージが先行しがちな介護職ですが、数字で見ると国が制度として支え、規模が拡大し続けている成長産業であることがわかります。
資格を取得して専門性を高めることで、年収500万円以上も十分に現実的です。
掲載データは厚生労働省・内閣府・国土交通省の公表資料をもとに作成しています。数値は調査時点により変動します。
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