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杖をついていた高齢者が踊り出す!? 日本では見たことのない、エクアドルの高齢者センターの一日

こんにちは。Midoです。

現在、JICA海外協力隊としてエクアドルの高齢者センターで活動しています。

日本では看護師として高齢者医療や介護に携わってきましたが、エクアドルでの毎日は驚きと発見の連続です。

「日本とこんなに違うんだ!」

そう感じる場面がたくさんあります。

今回は、私が活動している高齢者センターの一日をご紹介します。
少しでもエクアドルの雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです。

朝8時30分、高齢者センターの一日が始まります

朝8時30分になると、最初の利用者さん約15名がセンターに集まってきます。

「¡Buenos días!(おはよう!)」

「¿Cómo está?(お元気ですか?)」

あちこちから元気な声が聞こえ、一日が始まります。

日本のデイサービスのような送迎車ではなく、多くの方は家族が車で送り届けてくれます。

家族が仕事へ向かう前に送りに来る姿を見ると、家族とのつながりの強さを感じます。

その後、11時30分から12時頃には、施設の送迎車で約30名の利用者さんが到着し、センターは一気ににぎやかになります。

10時までは、みんな大好きな塗り絵タイム

朝の活動は創作活動から始まります。

10時までは、塗り絵や季節の飾り作りなどを楽しむ時間です。

なかでも一番人気なのが、塗り絵です。

日本では「見本どおりにきれいに塗ろう」とする方が多い印象がありましたが、ここエクアドルでは少し違います。

花が青でも、木の葉が赤でも、「きれいだからいいじゃない!」というように、それぞれが思い思いの色で自由に塗っていきます。

一方で、
「Mido、この花は何色にしたらいい?」
「ここは何色がおすすめ?」
と、一色塗るたびに相談してくる方もいて、その真剣な表情がとても愛らしく感じます。

細かなことはあまり気にせず、

自分らしく楽しむ人もいれば、

納得するまで相談しながら丁寧に仕上げる人もいる。

そんな個性豊かな時間です。

最近はマンダラ塗り絵も大人気で、
皆さん驚くほど集中して取り組んでいます。

また、日本の風景や着物を描いた塗り絵も人気があります。

「日本はきれいな国ね」

「この服は何というの?」

と自然に会話が始まり、

一枚の塗り絵が日本文化を紹介するきっかけにもなっています。

私は、この自由でおおらかな雰囲気がとても好きです。
「正しく塗ること」よりも、
「楽しむこと」を大切にしているラテンの高齢者の皆さん。

その笑顔を見ていると、私まで肩の力が抜けて、

「楽しむことが一番なんだ」と教えられているような気持ちになります。

10時は、お楽しみの「お茶の時間」

10時になると、創作活動はいったんお休み。

高齢者の皆さんが楽しみにしている時間です。

実はこれは、高齢者センターだけの習慣ではありません。

エクアドルでは、10時頃になると仕事場や学校、家庭でも、何かを食べたり飲んだりする習慣があります。

日本の午前10時の休憩時間のような感覚でしょうか。

センターでは、その日に用意された軽食と飲み物をいただきます。

私が特に楽しみにしているのが、エンパナダです。

生地の中にチーズをたっぷり詰めて揚げた、エクアドルの定番のおやつです。
センターではできたてをいただくことができます。

外はサクサク、中からとろけるチーズがあふれ出し、
本当においしいんです。

高齢者の皆さんとおしゃべりをしながら、
できたてのエンパナダを頬張る10時のひとときは、
私にとっても毎日の楽しみになっています。

体操よりも…とにかく踊る!

10時30分からはレクリエーションや体操の時間です。

日本では体操を中心に行う施設が多い印象ですが、
ここでは音楽が流れた瞬間、自然と踊りが始まります。

驚いたのは、普段は杖を使ってゆっくり歩いている高齢者の方まで、
音楽が流れると笑顔で立ち上がり、踊り始めることです。

「さっきまで杖をついて歩いていたのに!」と
初めて見たときは本当に驚きました。

お気に入りの曲が流れると、
自然と身体がリズムを刻み、
周りの人も手拍子をしたり、一緒に歌ったりして、
部屋中が笑顔でいっぱいになります。

音楽には人を元気にする不思議な力がありますが、
それ以上に、
「楽しもう!」というエクアドルの人々の明るさや、
おおらかさを毎日のように感じています。

私も最初は見よう見まねで踊っていましたが、
今では利用者さんと一緒に踊る時間が毎日の楽しみです。

日本では見ることのなかった、
ラテンならではの温かく陽気な時間が、ここには流れています。

一人では大変だった最初の頃

実は、活動を始めたばかりの頃は、私一人でレクリエーションを担当していました。

認知症のある方も含め、多くの高齢者の皆さんを一人で支援するのは想像以上に大変でした。

言葉や文化の違いもあり、「今日は無事に終えられるだろうか」と不安になる日もありました。

現在は、
毎日来てくれる心理士のボランティア、
週に一度活動する理学療法学科の大学生ボランティアに加え、
看護学生や理学療法士、
ソーシャルワーカーなどが来てくれることもあります。

たくさんの人に支えられながら、より充実した活動ができるようになりました。

昼食の前も後も、みんなで掃除

昼食前になると、
自立している高齢者の皆さんが施設の周りの掃除を始めます。

ほうきを手に落ち葉やごみを掃き、ちり取りで集めていきます。

実は、この施設には掃除機がありません。

最初は驚きましたが、
私が暮らしている家にも掃除機はなく、
毎日ほうきで掃除をしています。

私がエクアドルで訪れた家庭でも、掃除機を見かけたことはありません。

ほうきで掃除をするのが、この国ではごく当たり前の暮らしなのです。

13時からみんなで昼食を食べた後も、掃除の時間があります。

テーブルを布巾で丁寧に拭き、床をほうきで掃き、食堂をきれいにしていきます。

誰かに「掃除してください」と声をかけるわけではありません。
それぞれが自然に立ち上がり、自分にできることを始めます。

日本では職員が担うことも多い作業ですが、
ここでは
「自分たちが使った場所は、自分たちできれいにする」という考え方が、
日々の生活の中に自然と根付いています。

その姿を見ていると、
「できることを続けること」が、自立した生活を支える大切な力なのだと感じます。

そして、
年齢を重ねても役割を持ち、みんなで支え合う姿勢は、私自身も見習いたいと思うエクアドルの文化の一つです。

最初のあいさつで驚いたこと

エクアドルでは、朝のあいさつも日本とは少し違います。

「おはようございます。」と言うだけではありません。

笑顔で抱き合ってあいさつをするのが、とても自然なのです。

最初は戸惑いましたが、今では私もすっかり慣れました。

ただ、一度だけ大変な経験もありました。

利用者さんとの触れ合いの中で、ノミが服についてしまい、大慌てしたこともありました。

これも、日本では経験したことのない、海外で活動しているからこその思い出です。

毎日が新しい発見

同じ「高齢者ケア」でも、国が違えば文化も習慣も大きく異なります。

家族との距離感、利用者さんとの接し方、施設での過ごし方。

どれも日本とは違いますが、
その違いを知るたびに、
高齢者ケアには一つの正解だけではないことを実感しています。

日本では当たり前だったことが、エクアドルでは当たり前ではない。

そして、エクアドルで当たり前のことが、私には新鮮な驚きの連続です。

そんな毎日の発見が、私を少しずつ成長させてくれているように感じています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

日本では当たり前だと思っていたことが、エクアドルでは当たり前ではありません。

だからこそ毎日が学びであり、高齢者の皆さんから教えられることばかりです。

これからも、エクアドルでの高齢者支援や海外協力隊としての日常を発信していきます。

「こんなことが知りたい!」というテーマがあれば、ぜひコメントで教えてください。

Mido


一人の高齢者から「もっと踊りたい」という言葉を聞きました。その出来事と、私自身を支えてくれた音楽については、こちらの記事に書いています。

「59歳の私を支えたMr.Children。エクアドルの高齢者が『もっと踊りたい』と言った日」


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