「病院事務のAI副業」 - 経験が、初めて武器に見えた日【実録vol.17】
元病院事務のAI副業実録 — 第二部・経験の再定義
vol.16を出した夜、スマホの画面を消した後も、頭の中に一文が残っていた。
「経験とAIを両方持っている人間だけが、たどり着ける場所がある」
自分で書いた言葉なのに、妙に重かった。
本当にそうなのか。
自分の20年は、ただの「過去」じゃなくて、AI時代に通用する武器になるのか。
まだ、心のどこかで信じきれていなかった。
一度目
新人だった。総合受付に立っていた。
再来受付機が8台稼働する予定だった。予約患者が各機械に50人ずつ、計400人ほど列を作っていた。受付時間が始まろうとしていた。
突然、電子カルテ系のシステムが止まった。
列に並んでいた患者が一斉に受付に駆け寄ってきた。
管理責任者が叫んだ。「手動で受付をするから診察券を預かれ!」言われた通りに預かった。でもシステムが止まっているのに、手動で受付なんてできない。気づいた管理責任者が指示を変えた。「受付なしで診療科に送れ!」
数百人の患者が一斉に手を伸ばしてきた。診察券を返せと。複数の場所から返そうとしたから収拾がつかなくなった。患者同士の争いが始まった。職員が仲裁に入った。
暴動に近かった。
二度目
翌年、また同じシステムダウンが起きた。
あの失敗を受けて、マニュアルが作られていた。自分も訓練に入っていた。受付機の前に番号札を立てる。列を崩さないまま誘導する。紙の受付票を発行して診療科へ。カルテは紙で動かす。会計はシステム復旧後に対応。復旧したら紙カルテをスキャンして電子化、オーダーを飛ばし直す。
今度は動けた。マニュアル通りに動け、訓練の成果も出ていた。なにより一度経験した職員は冷静だった。
自分は誘導しながら、周りの職員に声をかけ続けた。ここが詰まっている、次の誘導を早めてくれ。診療科の対応が追いつかない、少しペースを落とす。
職員も患者も、パニックにならずに収まった。
三度目
別の病院に移っていた。管理する立場になっていた。
その病院にもマニュアルはなかった。必要性を訴えていた。でも優先順位は低かった。
そしてシステムが止まった。
現場の担当者が血相を変えて駆け寄ってきた。顔が青かった。「どうしたらいいんですか!」と。
管理責任者に報告した。
その人が、自分に向かって言った。
「え、どうしたらいいの?」
目が泳いでいた。
あ、これはダメだ。と思った。
一度目の記憶が蘇った。指揮を取る人間がいなかったから暴動になった。指示を間違えたから収拾がつかなくなった。各々が勝手に動いたら全員がパニックに陥ると直感が働いた。
気づいたら、自分が指揮を取っていた。
外来医師の責任者に指示を出した。外来看護師の責任者に指示を出した。検査部・放射線部・薬剤部の責任者にも。事務の中では外来受付・会計・診療科受付・案内係、それぞれに別々の指示を飛ばした。管理責任者には経営層への報告に走らせた。
この部署でこうしたら、あの部署でここが詰まる。だから先にこうしておく。次々と指示を飛ばした。
みんな動いてくれた。日頃からコミュニケーションを取っていたから、いきなりの指示でも受け入れてもらえた。
大したパニックも起きずに収まった。
その後すぐに各部署で自分が指示された内容や実際にとった行動をまとめてもらいマニュアル化して再発防止策をとった。再発時に同じ行動が取れるように訓練の指示も出した。
終わってから、上司に言われた。「よくあんなに冷静に動けたな」と。
そのとき初めて、考えた。
なぜ自分が動けたのか。
一つだけ
全体が見えていたのは、自分だけだった。
外来受付・会計・診療科受付・案内係、それぞれが自分の部署で完結している。自分の対応が他にどう影響するかまでは見えていない。外来医師も、看護師も、検査部も、放射線部も、薬剤部も、同じだった。
全部の現場を歩いてきたから、全体が見えていた。一つの指示がどこに波及するかを、体が知っていた。
マニュアルには書けない部分だった。数字にも残らない部分だった。
一度目の失敗があったから、二度目がスムーズになった。二度目があったから、三度目に体が動いた。
現場にいた時間だけが、作っていた。
あの日の病院の記憶が、浮かんだ。
体の中に確かにあるもの。それが体を動かしていた。
体の中にあるものが、AI副業でも体を動かすのかもしれない。
それが、武器だった。
「経験とAIを両方持っている人間だけが、たどり着ける場所がある」
その言葉が、体に落ちた瞬間だった。
正直な現在地
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収益:1,700円
クラウドワークス:登録完了・案件待ち
ココナラ:ページ改善済み・問い合わせ待ち
X:フォロワー380人・告知ツールとして運用中
note:フォロワー850人・主戦場
有料記事:公開済み・全面アップデート済み
AIとのやり取り:工程ごとに分けて管理中
noteシリーズ:vol.17まで公開完了
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経験は、武器だった。やっと、そう言えた。
(vol.18に続きます。)
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