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「病院事務のAI副業」 - 元病院事務の経験は通用しなかった。AIで副業を始めて1ヶ月でわかったこと【実録vol.1】

元病院事務のAI副業実録


辞めて初めて、「価値の出し方」が違うと気づいた。



病院で働いているときは気づかなかった。

外に出て初めてわかった。
「この経験は、そのままでは通用しない」

でも同時に、別の可能性にも気づいた。


病院事務を20年やってきた。フロントから経営管理の領域まで、大病院で一通りやってきた。

でも辞めてみてわかった。その経験、外では誰も知らない。評価されない。

そして気づいた。経験はそのままでは価値にならない。

同じように、経験があるのに活かせていない人は多いと思う。

だからAIと組み合わせることにした。自分の手で答えを確かめるために。



まず壁にぶつかった:「何をサービスとして売るのか」がわからない



AIで副業を始めようと思ったとき、最初に頭に浮かんだのはこんなメニューだった。

・AIを使って高品質なブログ記事を作ります
・SNS投稿を30本まとめて作ります
・SEO記事を構成から作ります

でも、これは今すでにクラウドワークスに数百件並んでいる。単価は叩かれ、「AIで作りました」が差別化にならなくなってきている世界だ。

ライティング代行は競合が多く、単価が下がりやすく、リピートも生まれにくい。同じAI活用でも何を売るかで全然違う世界になると気づいた。



転機:自分の経験を棚卸しした



「何を売るか」に悩んでいたとき、ふと立ち止まって自分の経験を棚卸しした。

受付・会計・窓口対応はもちろん、クレーム対応・未払い患者の回収交渉・レセプト請求・経理・医事システムの保守管理・障害対応・スタッフ指導・管理職。

そして、医師への増収指導までやっていた。

医師は医療の知識はある。でも医事の知識はない。自分が行った診療行為が、きちんと収益として反映されているかどうかを把握していない医師がほとんどだ。

「先生、このオーダー、会計に反映されていないので収益になっていません」

そう伝えると、医師は初めて気づく。目の前の患者の診療に頭がいっぱいで、オーダーや売り上げのことなど考える余裕がない。特に大きな病院の医師ほど、診療行為が病院経営に直結しているという感覚がそもそもない。

診療行為をオーダーとして入力しなければ会計には反映されない。その仕組みを理解していない医師が、現場には本当に多かった。

棚卸しをしながら、初めて気づいた。


これ、外の人は誰も知らない話だ。


そしてこの経験をAIと掛け合わせると何ができるか考えたとき、答えが見えた。

「クリニック・中小病院向けのマニュアル作成代行」

医療現場には「マニュアルがない」「ベテランの頭の中にしか手順がない」「新人が入るたびゼロから教えてる」という課題が山ほどある。でもマニュアルを整備する時間も人手もない。そこにAIで入り込む。



実際に作ってみた



机上で考えても意味がないと思った。

だから、実際に作ってみた。「医事システム障害対応マニュアル」だ。


作業の流れはこうだ。

1. 自分の経験をもとにAIへの指示を設定する
   (「200床以上の病院で医事システム障害が起きた場面。受付が止まり、会計ができず現場が混乱している状態を想定したマニュアルを作って」)

2. AIに構成と文章を生成させる

3. 業界知識で内容を精査・修正する

4. 見やすく整形して納品物に仕上げる


かかった時間は約10分。出来上がったのは8章構成の本格的なマニュアルだった。

- 障害レベルの分類表(Lv.1〜3)
- STEP別の対応フロー表
- 緊急連絡先一覧
- 紙運用への切り替え手順
- 復旧後チェックリスト
- よくあるエラーと対処法

《実際に作ったもの(一部抜粋)↓》




「誰でもAIに頼めばいいじゃないか」という疑問


「これ、AIで誰でも作れるんじゃないか?」

正直、自分でもそう思った。

試しに「医事システムの障害対応マニュアルを作って」とだけAIに頼んでみると、出てくるのは使えないものだ。

- 障害レベルの基準が「高・中・低」のふわっとしたもの
- 連絡先が「ベンダーに連絡する」で終わり
- 紙運用への切り替え手順がない
- レセコン・電子カルテ連携という概念すら出てこない


価値が生まれる場所はAIを動かす「前」と「後」にある。

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一般:  [AI] → 使えないもの
自分:  [経験と知識] → [AI] → 使えるもの

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少し専門的な話になるが、ここを理解すると価値の本質が見える。

医師が電子カルテに診療行為をオーダーとして入力すると、医事システムに会計データとして飛んでくる。その連携が正しく機能するように、診療行為をコード化して電子カルテに登録し、医事システムのコードと紐付ける作業をやってきた。

これが崩れると何が起きるか。電子カルテにオーダーを入力しても医事システムに空データが飛んでくる。会計に反映されない。あるいは違うコードが紐付いていて、違う診療行為として計算される。そもそもオーダーのボタン自体がなくて、請求できる診療行為が存在していないことすらある。

この連携を正しく構築するには、医療の知識を医事の点数に置き換える作業が必要だ。医療知識と医事知識、両方がないとできない。

でも現実は、その知識がない人がやっていることがほとんどだ。連携がめちゃくちゃな病院は多い。しかも診療報酬は定期的に改定される。その都度知識をアップデートしないと、また連携が崩れる。

これは実際に現場で対応していたからこそわかることだった。



「仕事として成立するか」への正直な答え


依頼する病院の院長や事務長が「自分でAIに頼めばいい」と思わない理由が3つある。

① そもそもやる時間がない

わかってても手が回らないから困っている。

② 何を聞けばいいかわからない

ヒアリング設計・質問の引き出し方がわからない。

③ 出来上がったものの品質判断ができない

「これで合ってるか」がわからない。


包丁が普及しても料理人の仕事はなくならなかった。AIも同じだと思っている。



現実的な収益化へのロードマップ


副業として収益化を目指すなら、現時点での最短ルートはこうだと考えている。

これは、自分がこれから実際にやる計画である。

STEP 1(今週)

実績ゼロから1をつくる。知り合いや前職の同僚に「無料で1本作ります、感想だけください」と声をかける。お金より先に「作った経験」と「感想」が必要。

STEP 2(来週)

サービスをnoteの1ページにまとめる。何ができるか・誰向けか・料金・納品までの流れ・サンプル。これが24時間動く営業ツールになる。

STEP 3(2〜3週目)

有料で1件目を取る。前職づて→医療系SNSへのDM→プラットホームの順番で動く。1件目は3万円でいい。

STEP 4(1〜2ヶ月目)

納品後に感想をもらい、紹介を依頼する。単価を5万→8万と上げていく。月2件×5万円で月10万円到達。


ただ、これはあくまで「現時点での仮説」だ。実際にやってみて、どうなるかはまだわからない。



SNS発信で気づいた失敗



収益化の道筋は見えてきた。でも同時に、別の失敗にも気づいていた。

やってみて初めて、「何がズレていたのか」がわかった。

1ヶ月発信してフォロワーが10人以下だった。頑張りが足りないのではなく、戦略がズレていた。

「AGI・シンギュラリティの情報発信」や「AIを使ってみた」は大きなアカウントがすでに大量にやっている。情報だけなら大手を見ればいい、となってしまう。

フォローされる人は「情報を届ける人」ではなく「この人の視点が欲しい」と思われる人だ。

頭ではわかっていたはずなのに、実際にやるとズレる。

変えたこと:発信の切り口を「元病院事務がAGIに備えて実際に動いてみた話」にした。自分の経験・行動・失敗を前面に出す。


❌「AGIが来たら仕事はこう変わる」→ どこでも読める情報
✅「元病院事務の私がAGIに備えてAIで副業を始めた結果」→ 自分にしか書けない話




今日のまとめ


収益はまだほぼゼロだ。

でもこの1ヶ月で、一つだけ確かなことがわかった。

「何をやるか」「なぜ自分なのか」がやっと見えてきた。

自分の経験がこれほど特殊だったとは、辞めるまで気づかなかった。病院の中にいると当たり前すぎて見えない。でも外から見ると、誰も知らない世界の話になる。

AIで稼ぐとは「AIが稼いでくれる」ことじゃない。
自分の経験×AIが、誰にも真似できない武器になる。

再現性はある。でも、同じ経験は誰も持っていない。

それがわかっただけで、この1ヶ月は無駄じゃなかった。

むしろ、ここがスタートだった。

動き始めた翌日、早速やらかした。
最初にやったことは、どこにも存在しないページを探し続けることだった。


(vol.2に続きます)

👉シリーズ記事はマガジンにまとめてあります。




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