【エッセイ】 毒や皮肉も、変態道も
最初は「なんで書くの?」って聞かれてもうまく説明出来なかった。
ネットに答えがあるかもと思って「書く理由」を探したこともあった。
でも転がっていた答えは、あまり共感出来ないものばかりだった。
作家さんや文筆家と呼ばれる、書いて作品を生み出す仕事をしている人の多くにとって「書く理由」は、「書かずにはいられないから」だそうだ。
息をするのと書くことは同じ。
つまり書くことは生きること。
自分の中に無限に湧き出る言葉を書き留めなければ死んでしまう……らしい。
──そんな情熱も変態性も持ち合わせていないと思った。
別に書かなくても生きていける。
実際42年間、書かずに生きてきた。
おれの「書く理由」はそれじゃなかった。
そもそも書き始めた理由は「書くことでお金を稼ぎたいから」だった。
「書く」だけなら資格もいらないし、特別な道具もいらない。
”一億総発信者時代。今や誰でも自分の経験をお金に変えられる時代だよ☆”
そんな甘いことばに誘われてSNSの世界にノコノコやって来た。
でも、「書く」先にあると思っていた「書く仕事」への道はめちゃくちゃ険しかった。
楽に稼げる話なんてない。
キャリアは一日にしてならず。
コツコツ努力を積み上げていくしかないのはどこの世界も同じだった。
2年経ってそんな当たり前のことを実感できたのに、今も懲りずに毎日数時間も書く時間をとっている。
この時間があればもっと別の有意義なことが出来るんじゃない?
稼ぐだけなら脇目を振らず本業に集中した方が効率いいやん。分かってるくせに。
そんな自分の心の声を右から左に流しながら、じゃあおれにとっての「書く理由」ってなんやろ、と考え続けて最近ようやく分かった。
「私はこういう人間です」と知って欲しいのだ。
書いたものを読んでもらえば、自分がどんな人間か分かってもらえる。
ちょっと会ったくらいじゃ伝えきれない。
もし『マイトンの第一印象ランキング』を作ったら、99%が『良い人』か『優しそうな人』になるのは分かっている。
でも、それじゃ足りない。
もっと知って欲しい。
この笑顔の裏にある毒や皮肉も、変態道も知って欲しい。
そこまで知ってもらったら、その奥にあるものが結局シンプルな『愛』なんだと気付いてもらえるんじゃないか。
そうしたら、おれという人間を必要としてくれたり、好きだと思ってくれる人がいると信じている。
だから、嘘はつかない。
嘘の自分を気に入ってもらっても仕方ないからだ。それは自分にとって本当に無駄なことだ。
面白いかどうかは知らんけど、本当のことを書いてきた。
身だしなみと同じかもしれない。
今日の文章、どうにもキマラナイな、という日もある。それでも鏡にうつる自分を偽らず、そのまま出してきた。
そんな自分を構成するもの──キラキラ光る自慢したいパーツもあれば、人より出来の悪い不格好なパーツもあって、でこぼこだけどきっと温度のある自分ならではのもの──を見て欲しくて、知って欲しくて、今日も書く。
そしてあなたのことももっと知りたいと思う。
(本文1233字)
灯火杯6thに参加します。
大会テーマの「お祝い」は?だって?
そ、そんなもん、毎日書けることがありがたくておめでたいことですよ。ねぇ?
灯火さん、6回も企画続けてらっしゃること、ほんとに凄すぎます!
あ、6回目おめでとうございますってことでい

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