【創作大賞感想】 温かいスープみたいなエッセイ。 「ミネストローネの家訓」を読んで
「マイトンさんのショートショートはサプリみたいですね」
そう言われたあの日から、私はぐみさんの言葉をお守りとして大切に握りしめている。
劇的な効果があるわけじゃない。
だけど、摂取することで、なんだか元気になったり、沈んだ気持ちを引き上げる読み物。
本当にそんな効果があるのか自分では全く分からないけど、そうあればいいな、と思って「読むサプリを出します」というフレーズを看板に出してここnoteで書き続けている。
そんなぐみさんが、まさしく温かいスープのようなエッセイを書いている。
料理はあまりやらなかったと言うお母様の味、ミネストローネ。野菜たっぷりで宝石みたいでぐみさんの元気を支えてきたミネストローネ。
慣れない仕事でボロボロな状態で、食べたいものが見つからない真夜中のスーパーでぐみさんが見つけたセロリ。
セロリを持って夜道でダンスなんて、まるでメリーポピンズみたいだなぁと思っていた。
なのに最後には、気づけば涙があふれていた。
あぁ、なんて温かい。
読みながら、うまく立ち回れなかった若い頃を思い出した。母の味を思い出した。そして、ぐみさんの家族への愛に触れて、涙が止まらなくなった。
こんなことを言うとぐみさんファンから怒られるかもしれないが、(ご本人にも言ったことがあるから許して欲しいけど)ぐみさんのフードエッセイって、私の中のぐみさんランキングではそんなに上位ではない。むしろぐみさんの脳内に住む松岡修造や、どうしたって壺を買いがちな推しに弱いぐみさんや、縁もゆかりも無い九州弁で旦那さんに日記を送り続けるぐみさんの話が読みたいと思っている。
だけど、このミネストローネエッセイは違っていた。こんなに素直にすぅっと心にしみ込んで、体の傷んだ色んなところを癒してくれるなんて。
完璧な母親像ではなくて、等身大のぐみさんが描かれているからこそ、こんなに優しく温かい。
こんなスープなら毎日飲みたい。

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