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『森との約束』が生まれるまで

実は、『森との約束』は、
最初に書こうと思っていた本ではありませんでした。

本当は、
『内なる巡礼―森との約束を生きる記録―』を書こうとしていたのです。

私は今、百年以上続く古い家と庭とともに暮らしています。

十年後に再び森へ還る約束の日まで、
純粋な魂として生きる日々を書き残そう。

そんな思いで、書き始めました。

半年ほど書いたところで、
どうしてこの生活を選んだのか。
その原点を書かなければ、
『内なる巡礼』は始められない。

そう思って生まれたのが、
『森との約束』です。

ハワイの小さな島で、
身体と魂の声だけを頼りに過ごした五日間。

旅の最後、森の奥深くにある聖なるサークルで、

十五年後、純粋な魂となって再びこの森へ還ること。

そんな約束を、一本の木としました。

それから5年。
呼吸できる場所を彷徨い歩いた結果
辿り着いたのが、今、いる場所を呼吸のできる場所にしよう。

そう決めて始めたのが、今の生活でした。

ところが、この物語を書き終えたとき、
さらに新しい問いが生まれます。

「そもそも、私はどうして
身体と魂の声に従って生きるようになったのだろう。」

その問いに導かれて書き始めたのが、
自伝『息の巡礼』でした。

最初は、この旅に至るまでを書くだけのつもりでした。

25年前、ローマの教会でシスターから、
「内なる神殿をつくりなさい。」
「そこにいる神とともにいなさい。」

そう告げられるまでを書けば終わると思っていたのです。

けれど、その物語を書き終えると、
その後のことも書きたくなり、
第2巻、第3巻、

ようやく第4巻で、
この『森との約束』へ戻って来れました。

しかし、その後を書き始めると、
自分自身が崩れ、沈黙し、
再び呼吸を取り戻すまでを書かずにはいられませんでした。

気づけば、『息の巡礼』は全9巻になっていました。

そして、さらに不思議なことが起こります。

書き終えた私は、
もう二度とその本を開くことはないと思っていました。

過去は終わった。

そう思っていたからです。

ところが、
再び『内なる巡礼』を書き始めようとしたとき、
『息の巡礼』を読み返すことになります。

そこには、
今の私が探していた答えが、すでに書かれていました。

そのとき初めて気づいたのです。

『息の巡礼』は、
過去を振り返るための自伝ではなかったと。

未来の私へ残された、羅針盤だった。

振り返れば、一冊の本を書くつもりでした。

けれど、
その一冊は『息の巡礼』全9巻となり、
『内なる巡礼』へと続き、
さらに10年後に書く予定の『続・森との約束』へ向かっています。

私は物語を書たつもりでした。

けれど今思うのです。

私は物語を書いていたのではなく、
物語に導かれて歩いてきたのかもしれない。

そして、もう一つ、
今だからこそわかることがあります。

『森との約束』は、
当初「祈りの旅」シリーズの第一作として生まれました。

けれど、全9巻を書き終えた私は気付きます。
この旅は「祈り」を探す旅ではありませんでした。
息に導かれて歩んだ

魂そのものを思い出す旅だったのです。

ハワイの小さな島の森から始まり、
その伏線となったローマの教会、
自然とともに暮らしたエコビレッジ、
バリ島で出会った呼吸法、そして家庭へ。

振り返れば、そのすべてが、
「本来の私」と再会するための旅でした。

私は『内なる巡礼―今、ここの呼吸に還る記録―』を書いています。

あの日、森で結んだ約束を、日々の暮らしの中で生きるために。

そしていつの日か、約束の地へ還り、『続・森との約束』を書くために。

偶然、このnoteに辿りついたあなたも、
あなた自身の魂を思い出す旅を、
どうか恐れず歩んでいけますように。



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🌿2025年6月21日・夏至の日に出版された電子書籍

あなたの中にある“森の声”に、そっと触れていただけたら幸いです🍃

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息の巡礼 全9巻 は、こちらで読めます。

この場所が、
あなたの内なる風とつながる静かな入口になりますように。



書き手:ETSUKO ITOH(えつこ)

『息の巡礼』『森との約束』『内なる巡礼』を綴るノンフィクション作家。

森と庭、お茶と祈りのある暮らしの中で、「言葉になる前の真理」を見つめながら、静けさへ還る旅を記録しています。

Instagramでは、物語の詩と水彩イラストを投稿。
YouTubeでは、語りと映像によるショートフィルムを配信。