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🎧 ジャズのピアノトリオ名盤【#320】ラルフ・シャロン・トリオ「Do I Hear a Waltz?」を聴いてみた

とにかくジャズのピアノトリオを紹介したい男、です。
こんにちは。ジャズの専門家でも上級者でもないけれど、とにかく「ピアノトリオが好き!」という気持ちだけで書き始めたシリーズです。僕と一緒に「JAZZピアノトリオの名盤」を少しずつ学んでいきましょう。

今回紹介するのは、ラルフ・シャロン・トリオの『Do I Hear a Waltz?』です。ラルフ・シャロンという名前を聞くと、トニー・ベネットの伴奏者、音楽監督という印象を持つ人も多いかもしれません。歌手の後ろで、言葉とメロディを自然に支えるピアニスト。その“歌を知っている人”の感覚が、このトリオ盤にもよく出ています。


🎹 今回のアルバム

The Ralph Sharon Trio – Do I Hear a Waltz? (1964)

ラルフ・シャロン(ピアノ)、ハル・ゲイラー(ベース)、ビリー・エクスナー(ドラムス)による録音作品です。

リチャード・ロジャース&スティーヴン・ソンドハイムによるミュージカル『Do I Hear a Waltz?』の楽曲を、ピアノトリオでまとめて演奏した作品で、1964年録音、Columbia(CBS)から1965年にリリースされました。「Do I Hear a Waltz?」「Here We Are Again」「Moon in My Window」「A Perfectly Lovely Couple」「Take the Moment」「Someone Like You」など、すべてミュージカル由来の楽曲で構成された約32分のインスト・トリオ・アルバム。強烈なアドリブで押し切るというより、親しみやすいメロディを、上品なスウィングと軽やかなタッチで聴かせる、ピアノトリオの“派手ではない良さ”を味わえる一枚です。


👂 聴きどころ

  • ミュージカル音楽を“ジャズの小品”として聴かせる一枚:このアルバムの魅力は、ミュージカル曲を大げさに飾り立てるのではなく、短く親しみやすいジャズ演奏としてまとめているところです。タイトル曲「Do I Hear a Waltz?」でも、テーマの旋律をほとんど崩さず、左手のコンピングと右手のささやかな装飾で原曲の雰囲気を保ったままジャズの軽いスイング感を加えています。この“崩し過ぎない”姿勢が、ブロードウェイ作品集としてのまとまりと、ピアノトリオとしての楽しみを両立させています。

  • 「Take the Moment」に漂う、歌心のあるピアノ:「Take the Moment」は、ラルフ・シャロンの持ち味が分かりやすい一曲です。難しいことをして驚かせるのではなく、メロディを自然に歌わせる。そこに品の良さがあります。トニー・ベネットを支えたピアニストらしい、言葉のない歌伴奏のような美しさを感じます。

  • 控えめだけれど心地よい、ベースとドラムの支え:ハル・ゲイラーのベースとビリー・エクスナーのドラムは、前へ出すぎず、ピアノの旋律を支える方向に徹しています。ワルツ曲ではベースが柔らかく1拍目を支え、ドラムがブラシやシンバルで軽くアクセントをつけることで、くるくる回るような3拍子の揺れが自然に生まれます。激しいインタープレイを求める作品ではありませんが、全体のバランスがよく、軽く流しても耳に残るところが聴きやすさにつながっています。


✍️ 一言コメント

『Do I Hear a Waltz?』は、熱気や迫力で押してくるタイプのピアノトリオではありません。むしろ、肩の力を抜いて、メロディの良さをゆっくり味わうアルバムです。ラルフ・シャロンのピアノは、派手な技巧よりも曲をきれいに届けることを大切にしているように聴こえます。1956年の『The Ralph Sharon Trio』がスタンダード中心の若き日のトリオだとすれば、本作は「ミュージカルの世界をトリオで丁寧になぞる、大人のワルツと歌のアルバム」。ジャズ初心者にも入りやすく、ミュージカルやスタンダード曲が好きな人にも合います。朝の作業中、休日の読書、夜に少し落ち着きたい時間に流すと、部屋の空気がふっとやわらかくなる一枚です。


いかがでしたか?
これで「JAZZピアノトリオの名盤」シリーズも320回目となりました。今後も、さらに素晴らしい作品をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

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