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写真はなぜアヴァンギャルドになれなかったのか(前半)―ジェフ・ウォール「取るに足らないものの印」読書ノート

口上(保坂肉声)

ジェフ・ウォール「取るに足らないものの印」をまた読み直しています。
今回は、ChatGPTに日本語訳自炊pdfと原著pdfを読み込ませて、自分は本を開き、蛍光マーカーで線を引き、ChatGPTに気になるところを音読し、読み上げていきました。
当然、対話がテキストの形で残るので、読書ノートでまとめました。
音声でのChatGPTとの対話は最大1時間と決まっているらしく、とりあえず109ページまでをまとめました。

書誌情報

はじめに|なぜウォールを読むのか

写真は前衛だったのか。

あるいは、前衛になれなかったのか。

この問いは単なる美術史の整理ではない。
写真というメディウムが、制度・市場・社会とどう関係してきたのかという問題である。

ウォールはこの問いを、1965年前後という節目から逆照射する。


Ⅰ|写真は「前衛」だったのか

1|前衛と呼ばれながら前衛ではなかった

ウォールの出発点は冷静だ。

  • 写真はしばしば「アヴァンギャルド」と呼ばれてきた。

  • しかし実際には、絵画や彫刻のような自己否定を経ていない。

絵画は1910年前後にミメーシス(描写)を自己批判した。
写真はそれができなかった。

なぜか。

描写は写真の物質的本質だからである。

写真は描写を放棄できない。
だからこそ、描写性を「反省する」ことでしか前衛化できない。

ここが第一の転回点である。


Ⅱ|ルポルタージュという方向

1960年代初頭、写真はタブロー的美を再生産するのではなく、

  • 即時性

  • 自動性

  • 予測不能性

  • バーナキュラー(俗なる視覚)

へ向かった。

重要なのは:

ルポルタージュは社会制度の副産物ではない。
それは写真メディウムの内在的可能性である。

ウォールはここで技術決定論を避ける。

彼は「ベトナム戦争」と言わず「1965年」と言う。

歴史事件に還元しない。
しかし歴史から切断もしない。

写真の変化を、メディウム内部の論理として読む。


Ⅲ|1920–30年代前衛の教訓

当時の前衛は理解していた。

  • ルポルタージュだけでは足りない。

  • 新たな画像モデルを提案しなければならない。

だから:

  • 古典的美学の拒否

  • プロレタリア的アマチュアリズム

  • 形式と社会の同時革新

が模索された。

だが冷戦期、40–50年代に主観主義化・形式主義化が進む。

政治性は後退する。


Ⅳ|1965年前後の再前衛化

1960年代ネオ・アヴァンギャルドは単純な革命回帰ではない。

それは:

描写を保持したまま制度へ侵入する

運動である。

ここで重要語が出る。

ポスト自律的実践

写真はそもそも完全な自律を持てない。

  • 報道

  • 広告

  • 記録

  • 市場

と常に接続している。

したがって写真は、

最初からポスト自律的である。

この逆説がウォールの核心である。


Ⅴ|唯美主義の延長線という問題

しかし問題は残る。

1960年代以降の写真は:

  • 大判化

  • 高品質印刷

  • 美術市場への接続

によって再びタブロー化する。

急進性は市場に回収される。

制度批判は制度内部へ組み込まれる。

ウォールはこの矛盾を否定しない。

むしろ言う。

この矛盾こそが写真の歴史的条件である。


Ⅵ|写真の前衛性の再定義

写真は:

  • 描写を捨てられない

  • 制度から切断できない

  • 市場に巻き込まれる

それでもなお前衛たりうる。

条件は三つ。

  1. 描写性の自己反省

  2. 制度への意識的介入

  3. オブジェクト性の揺さぶり

前衛とは形式破壊ではない。

構造への批評的参与である。


仮縫い

ここまでで見えるのは、

写真は純粋になれないという事実である。

しかし純粋でないからこそ、
制度の内部で揺さぶることができる。

それは弱さではなく、構造的条件である。


遷移

残る問いはこれだ。

  • フォト・コンセプチュアリズムは本当に反市場的だったのか。

  • 反オブジェクトはどのように再オブジェクト化されたのか。

  • そしてウォール自身(大判タブロー写真家)は、この構造のどこに立つのか。

後半では、ウォールの自己位置の問題に入る。


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ベストを尽くしたチェック

  • 要約はテキスト内容に忠実か:✓

  • 解釈と事実を分離したか:✓

  • 市場・制度・前衛の三軸を可視化したか:✓

  • 結論で閉じず遷移を残したか:✓

  • 読者導線を確保したか:✓

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