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同じチームなのに目的が違って見えるのは、「視座」が違うからかもしれない

こんにちは!皆さん。

今日は「視座の違い」について書きたいと思います。

少しだけ、日々の生活や仕事を思い浮かべてみてください。

会社でも、お店でも、地域の集まりでも、同じチームで動いているのに、なぜか話が噛み合わないことってありませんか。

目標は全員に共有されているはずです。

やるべきことも丁寧に説明されています。

それぞれが、自分の役割に真面目に取り組んでいます。

それなのに、いざ会議になると真っ二つに意見が割れてしまいます。

「まずはそこを優先する必要がありますか?」

「今、その新しいアイデアをやる意味がありますか?」

「どうして自分たちの部署ばかり負担が増えるのですか?」

こんな言葉がテーブルを飛び交います。

気がつけば、目的を達成するための前向きな会議が、誰の考えが正しいかを決めるための裁判のようになっています。

会議には、時々こうした変身能力があります。

あまり歓迎したくない能力です。

そんな時、リーダーやまとめ役からよく言われるのが、こんな言葉です。

「チームの目的をきちんと理解しましょう」

もちろん、この言葉自体は間違っていないと思います。

目的を理解することは、間違いなく大切です。

ただ、僕はここに対して、少し疑問を感じてしまうのです。

同じ目的を説明されたからといって、全員が同じように理解できるものなのでしょうか。

もしかすると、目的の説明が足りないわけではないのかもしれません。

メンバーの理解力が低いわけでもありません。

ただ単に、その目的を見ている「高さ」が違うだけなのかもしれません。

これが、今回じっくりと考えたい「視座の違い」というテーマです。

#チームビルディング #コミュニケーションエラー #会議の進め方 #目的の共有

視座とは、どの高さから物事を見るかということ


視座という言葉は、少し難しく聞こえますよね。

これをものすごくざっくり言うと、「どの立場や高さから物事を見ているか」という意味です。

似たような言葉に「視点」と「視野」があります。

視点は、どこに注目しているかというポイントのことです。

視野は、どこまで広く見えているかという広さのことです。

そして視座は、どの高さから見下ろしているかというポジションのことです。

たとえば、初めて行く街を歩いている時を想像してみてください。

地上を歩いている人には、目の前の信号の色や、すれ違う歩行者、道路のちょっとした混雑が見えます。

一方で、ビルの屋上から見下ろしている人には、街全体の大きな道路や、人がどこへ向かって流れているかが見えます。

さらに、スマートフォンで地図アプリを見ている人には、その街が隣の駅や遠くの高速道路とどうつながっているかが見えます。

これらはすべて、同じ街を見ています。

しかし、見えているものはまったく違います。

地上にいる人が、こう言ったとします。

「この道は混んでいるから、これ以上進めません」

すると、ビルの上にいる人はこう考えます。

「1本向こうの道は空いているから、そちらへ回ればいいのに」

一方で、地図を見ている人はさらに違うことを考えます。

「そもそも、この方向へ進む必要すらあるのだろうか」

ここで大切なのは、誰か1人だけが正しいわけではないということです。

立っている場所が違うため、見えている正解が変わっているだけなのです。

仕事やチームの活動でも、これとまったく同じことが毎日のように起こっています。

#視座 #視点と視野の違い #ビジネス用語解説 #俯瞰的思考

目的には、いくつもの階層が重なっている


仕事の目的は、言葉にすると1つだけに見えます。

しかし実際には、いくつもの階層に分かれています。

たとえば、あるチームが大きなイベントを開催するとします。

当日の受付を担当する人にとっての目的は、来場者を炎天下で待たせず、正確に案内することかもしれません。

現場の責任者にとっての目的は、受付をスムーズにするだけではなく、会場全体を安全に運営することかもしれません。

企画の責任者にとっての目的は、参加者に心から満足してもらい、来年も来たいと思ってもらうことかもしれません。

会社全体にとっての目的は、イベントを通じてブランドの認知度を高め、新しいお客様との接点をつくることかもしれません。

同じ1つのイベントです。

同じ1つのチームです。

それでも、1人ひとりが見ている目的の範囲は、驚くほど違います。

受付担当者が目の前の列を早く進めようとして、注意事項の説明をあえて短くすることがあります。

すると現場責任者は、説明不足による後々の混乱を心配します。

企画責任者は、効率よりも1人ひとりへの丁寧な対応を求めます。

会社側は、とにかく来場者数の最大化を期待します。

全員が「イベントを良くしたい」と心から思っています。

誰もサボろうなんて考えていません。

しかし、「良いイベント」の意味が少しずつ違っているのです。

ここがとても難しいところです。

人は、自分が見えている目的の景色を、相手も当然見ていると思いがちです。

「これくらい言わなくてもわかるだろう」と思ってしまいます。

しかし、実際には見えていません。

見えていないというより、見える位置に立っていないのです。

#組織階層 #KPI設定 #イベント運営 #プロジェクトマネジメント

目的を理解していないのではなく、近くを見ているだけかもしれない


チームの中で、目の前の作業ばかりを優先する人がいるとします。

すると、周りからは少し冷たい言葉が聞こえてくることがあります。

「あの人は全体を見ていない」

「根本的な目的を理解していない」

「自分の仕事のことしか考えていない」

そんな風に思われることがあります。

ただ、本当にそうでしょうか。

その人は、与えられた仕事を絶対にミスなく終わらせようとしているだけかもしれません。

今日という期限に間に合わせようと、必死になっているのかもしれません。

周りに迷惑をかけないことに、全力を注いでいるのかもしれません。

本人なりに、誠実に責任を果たそうとしています。

地上を歩いている人にとって、まず避けなければいけないのは、目の前にある段差です。

街全体の素晴らしい交通計画を考えることより、今、ここで転ばないことのほうがずっと重要です。

これは決して悪いことではありません。

現場で働く人が目の前のことに集中できなければ、仕事は1ミリも前に進みません。

ビジネスの世界では、

「もっと視座を上げて考えてください」

というアドバイスをよく聞きます。

これも、正論だと思います。

ただ、少し乱暴に使われることが多い言葉でもあります。

地上を必死に走っている人に対して、突然こう言うようなものです。

「上から街全体を俯瞰して歩いてください」

そんなこと、急にはできません。

上から見るには、まずは階段を上る必要があります。

エレベーターの場所も教えてあげなければいけません。

時には、その人が今抱えている重い荷物を、誰かが引き受けてあげる必要もあります。

それをせずに「視座を上げろ」とだけ言うのは、少し酷だと思います。

言われた側は、きっとこう感じます。

「今の仕事だけでも手いっぱいなのに、これ以上何を見ればいいのですか」

それは、甘えではなく自然な反応です。

#現場目線 #タスク管理 #目の前の仕事 #実行力

視座が高ければ、いつでも正しいというわけではありません


視座について話す時、不思議と「高いほうが優れている」というように語られがちです。

経営者の高い視座。

責任者の広い視座。

リーダーの俯瞰する視座。

たしかに、高い位置から見ることで、全体の流れや将来への影響が分かりやすくなります。

大きな判断をするためには、絶対に必要な位置です。

ただし、僕は、視座は高ければ高いほど良いわけではないと思っています。

高い場所から見下ろすと、たしかに全体は見えます。

その一方で、細かい段差は見えにくくなります。

現場で実際に何が起きているのか。

どこに無理が出始めているのか。

誰がどんな風に困っているのか。

どの作業に予想以上の時間がかかっているのか。

高い場所から売上や人件費という「数字」だけを見ていると、こうした手触りのある事実を見落とす場合があります。

たとえば、リーダーが良かれと思って、こんな提案を決めたとします。

「作業時間を1人あたり5分短縮しましょう。そうすれば早く帰れます」

全体で見れば、素晴らしい効率化になるかもしれません。

しかし、現場ではどうでしょう。

その5分を短くするために、最終の確認作業を1つ減らさなければいけないかもしれません。

確認を減らした結果、ミスに気づけず、翌日に倍の修正作業が増えるかもしれません。

会議室の数字の上では、たしかに5分短縮されています。

しかし、実際には別の場所へ負担を押し付けただけです。

短い布団の端を無理に引っ張ったら、反対側の足が寒空に出てしまうようなものです。

冬の夜には、少し困ってしまいますよね。

高い視座には、高い視座ならではの弱点があります。

低い視座にも、低い視座ならではの強みがあります。

大切なのは、どちらが偉いか、どちらが上かを決めることではありません。

状況に応じて、目線の高さを変えられることだと思います。

#経営者目線 #リーダーの役割 #現場のリアル #業務効率化の罠

同じ言葉でも、視座によって意味がまったく変わる


言葉の厄介なところは、同じ言葉でも、視座によって受け取る意味が変わってしまうことです。

たとえば、チームの目標として、こんな言葉が共有されたとします。

「今年はお客様の満足度を上げよう」

とても良い目標です。誰も反対しません。

しかし、現場で接客する人は、一人ひとりのお客様との会話を増やそうと考えるかもしれません。

商品をつくる人は、材料の質を上げて美味しいものを作ろうと考えるかもしれません。

管理する人は、待ち時間を減らすためにマニュアルを作り直そうと考えるかもしれません。

広報を担当する人は、感謝の気持ちを伝える手紙を送ろうと考えるかもしれません。

経営に近い人は、満足度を測るための新しいシステムを導入しようと考えるかもしれません。

「満足度を上げる」という言葉は、まったく同じです。

しかし、実際に取ろうとしている行動はバラバラです。

ここで、お互いの視座が共有されていないと、当然のように衝突が起こります。

現場の人は、

「マニュアルなんて読んでいる暇はありません。目の前のお客様で手いっぱいです」

と言います。

管理する人は、

「個人の感覚で会話を増やされても、待ち時間が長くなるだけです」

と言います。

商品をつくる人は、

「システムにお金をかけるくらいなら、もっと良い材料を買ってください」

と言います。

どの意見にも、その人なりの正当な理由があります。

しかし、自分の位置から見える目的だけを絶対の正解にしてしまうと、相手の意見がすべて間違って見えてしまいます。

これが、視座の違いによる一番厄介な罠です。

ただの「見えている景色の違い」が、いつの間にか「能力や性格の問題」にすり替わってしまうのです。

「あの人は現場の苦労をまったく分かっていない」

「あの人は目先のことしか考えられない人だ」

「あの部署は、いつも私たちに協力的ではない」

そんな悲しい評価が生まれてしまいます。

でも、本当は誰も悪くありません。

お互いが別の高さから、同じ山を登ろうとしているだけかもしれないのです。

#認識のズレ #言葉の定義 #部門間対立 #顧客満足度向上

チームでは、目的より先に「現在地」を共有したほうがいいかもしれません


ビジネス書などを読むと、一般的には「最初に目的を共有することが最も大切だ」と書かれています。

もちろん、目的は必要不可欠です。

どこへ向かうのか分からなければ、チームは船を出すことすらできません。

ただ、僕は現場を見ていて、目的だけでは足りないと思うようになりました。

目的に加えて、「今、どの位置からその目的を見ているのか」も一緒に共有したほうがいいと思うのです。

カーナビゲーションを想像してください。

目的地を入力するだけでは、ルートは出ませんよね。

必ず「現在地」が必要です。

チームでも同じです。

たとえば、リーダーが新しい方針を説明する時に、

「会社としては、3年後の市場変化を見据えてこの新しい取り組みを始めます」

とだけ伝えたとします。

それだけでは、現場で働く人はピンときません。

「3年後の壮大な話より、明日の人手不足をどうするつもりですか」

と、心の中で反発するかもしれません。

そこで、目的をもう1段階下ろして翻訳します。

「3年後に生き残るために、今年はお客様との接点をデジタルで増やします」

さらに現場へ下ろします。

「そのため、今月はメールでの問い合わせへの対応ルールを新しく統一します」

さらに今日の仕事まで下ろします。

「だからまずは今日の午後、よくある質問を全員で3つずつ書き出してください」

ここまで来ると、3年後という遠い目的と、今日の地味な作業が一本の線でつながります。

遠くの目的を、目の前の仕事まで丁寧に翻訳するのです。

リーダーの本当の仕事は、大きな目的をかっこよく語ることだけではないと思います。

大きな目的を、メンバーが動ける「今日の行動」に変換することです。

そして逆に、現場で起きている小さな問題を、チーム全体の課題として上へ伝えることも必要です。

翻訳は1方向ではありません。

上から下へ。

下から上へ。

両方の翻訳作業があって、初めてチームは機能します。

#現状分析 #目標設定のコツ #方針浸透 #マネジメントスキル

「なぜ分からないのか」ではなく、「どこから見ているのか」と考えてみる


仕事をしていて話が噛み合わない時、僕たちはつい、相手の理解力を疑ってしまうことがあります。

「どうしてこんな簡単なことが分からないのだろう」

「何度説明すれば伝わるのだろう」

「普通に考えれば分かるはずなのに」

こう思ってしまう気持ちは、痛いほど分かります。

忙しくて余裕がない時ほど、丁寧に背景を説明する気力はなくなりますよね。

しかし、「普通に考えれば」という言葉には、大きな落とし穴があります。

その「普通」は、あくまで自分が立っている場所から見た「普通」だからです。

視座が違えば、常識も普通も変わります。

たとえば、責任者にとっては、来月の人員計画や予算を考えることが普通かもしれません。

しかし、現場に入ったばかりの新人にとっては、今日の仕事をミスなく終えることで精いっぱいなのが普通です。

責任者から見れば、

「少し先のことまで考えて動いてほしい」

と思います。

新人から見れば、

「今の作業の説明も十分に理解できていないのに、無理です」

となります。

どちらかが怠けているわけではありません。

見ている「時間の長さ」が違うのです。

視座というのは、空間の高さだけではなく、時間にも関係していると思います。

今日という1日を見る人。

1ヶ月先のスケジュールを見る人。

1年後の評価を見る人。

5年後のキャリアを見る人。

見ている時間が違えば、行動の優先順位が変わるのは当然です。

だから、相手の意見に違和感を覚えたり、イライラしそうになった時は、一度立ち止まってこう考えてみます。

「この人は今、どの位置から物事を見ているのだろう」

「どのくらい先の時間までを見ているのだろう」

と。

それだけで、少しだけ冷静になれます。

相手の意見に100%賛成できなくても、相手の考えが生まれた理由は想像しやすくなります。

この「想像する余白」が、人間関係を柔らかくしてくれます。

#アンガーマネジメント #他者理解 #新入社員教育 #時間軸の違い

チーム全員の視座を同じにする必要はありません


ここまで読んでくださった方の中には、

「なるほど、では研修などをして、全員の視座を高くそろえればいいのですね」

と思う方もいるかもしれません。

ただ、僕は、完全に視座をそろえる必要はないと思っています。

むしろ、全員が同じ高さからしか物事を見られないチームは、少し危ういかもしれません。

全員が遠くの未来ばかり見ているチームは、足元の落とし穴に気づけずにつまずきます。

全員が足元ばかり見ているチームは、気づかないうちに間違った方向へ進んでしまいます。

現場の細部を見る人が必要です。

全体を俯瞰して見る人も必要です。

冷たく数字を見る人も必要です。

温かく人の気持ちを見る人も必要です。

今日という1日を守り抜く人が必要です。

まだ見ぬ未来を考える人も必要です。

チームに必要なのは、全員が同じ景色を見ることではありません。

それぞれが見ている違う景色を、一つのテーブルに持ち寄ることです。

山登りにたとえるなら、全員が山頂の景色を想像しながら登る必要はありません。

先頭で足場の安全を確認する人がいます。

後ろでペースが遅れている人を支える人がいます。

空を見て天候の変化を確認する人がいます。

全体の位置を地図で確認して、休憩のタイミングを図る人がいます。

それぞれの役割があり、それぞれの視座があります。

ただし、絶対に外してはいけないことが一つだけあります。

それは、「目指している山がどこなのか」だけは共有しておくことです。

別々の景色を見ながらでも、同じ方向へ進むことはできます。

これが、視座の違いを弱点ではなく、強みとして生かせるチームの姿なのではないかと思います。

#適材適所 #多様性の尊重 #役割分担 #組織のバランス

視座を上げるより、視座を動かせるほうが大切


「視座を上げる」という言葉は、ビジネスマンの成長を表す時によく使われます。

しかし、僕は「視座を動かす」という考え方のほうが、ずっと現実的だと思っています。

高い場所から全体を見る。

でも必要な時には、現場までぐっと下りる。

商品を買ってくださるお客様の立場から見る。

それを実際に作る働く人の立場から見る。

責任をとる立場の人間から見る。

今日初めてチームに参加する新人の立場から見る。

こうして高さや位置を柔軟に動かすことで、同じ出来事がまったく違って見えてきます。

たとえば、会議で新しく決めたルールがあるとします。

管理する側から見ると、それはミスを防ぐために絶対に不可欠なルールです。

しかし実行する側から見ると、忙しい時間帯に作業が1つ増える迷惑なルールです。

お客様から見ると、手続きの手間が増えて待ち時間が長くなるルールかもしれません。

新人から見ると、難しくて覚えることが増えるルールかもしれません。

それぞれの位置から、心の中で1度ずつ眺めてみます。

すると、そのルールの弱点がはっきりと見えてきます。

弱点が見えれば、伝え方が変わります。

「決まったルールなので守ってください」

と一方的に伝えるだけではなく、

「この作業は少し手間が増えますが、ここで起きていたミスを減らすためにどうしても必要なんです」

と背景を説明できます。

さらに、

「まずは1週間試してみて、あまりにも負担が大きければ、別のやり方を一緒に考えましょう」

と付け加えることもできます。

これだけで、受け取る側の納得感は劇的に変わると思います。

納得するというのは、すべての意見に100%賛成することではありません。

理由と影響が理解でき、自分の意見も聞いてもらえると思える状態のことです。

#柔軟な思考 #視座の移動 #多角的な視点 #納得感の醸成

視座を変えるための、ささやかな問いのリスト


視座というのは、役職が上がれば自動的に高くなるわけではありません。

長く同じ会社で働けば、自然に広くなるというものでもありません。

意識して、別の位置から考える練習が必要です。

とはいえ、難解な研修を受けたり、分厚い本を読んだりしなければいけないわけではありません。

日常の仕事の中で、少しだけ自分への問いかけを変えるだけでいいと思います。

「この仕事が終わった次に、誰が受け取るのだろう」

「自分がここで作業を止めると、どこに一番影響が出るのだろう」

「今日のこの判断は、1週間後にどんな結果をもたらすだろう」

「初めてこの話を聞く人には、どの言葉が分かりにくいだろう」

「もし自分が責任者なら、この計画の何を心配するだろう」

「自分がお客様の立場なら、これをされてどう感じるだろう」

こうした小さな問いを1つ入れるだけで、自分が立つ場所が少しだけ変わります。

大きく変える必要はありません。

ほんの1段だけ上がれば、見えるものがぐっと増えます。

逆に、すでに立場が上の人は、こんな風に考えてみます。

「これを実際に現場で実行する人は、どのタイミングで困るだろう」

「この素晴らしい数字の裏で、誰の残業が増えるだろう」

「明日からこれを始めるには、現場に何が足りないだろう」

と考えてみます。

あえて1段下りるのです。

視座を上げる力と同じくらい、視座を下げる力も大切です。

「上から目線」という言葉があまり良くない意味で使われますが、高い場所から見ること自体が悪いわけではありません。

高い場所から見たまま、決して下へ下りてこないことが問題なのだと思います。

#セルフコーチング #思考のフレームワーク #問いかけ #メタ認知

目的を伝える時は、背景とつながりもセットで伝える


チームの目的を共有する時に、ついやってしまいがちな伝え方があります。

「これが今年の方針です」

「会議で決まったことなので、とりあえずお願いします」

「会社全体のために必要なので協力してください」

忙しい現場では、どうしてもこういう短い説明になってしまうことがあります。

仕方がない場合もあります。

しかし、この伝え方では、言われた側は自分の日々の仕事と、その目的を結びつけることができません。

僕は、目的を伝える時には、少なくとも次の3つのことが含まれていると分かりやすいと思っています。

1つ目は、「なぜ今、これを始めるのか」という背景。

2つ目は、「これによって、誰にどんな良い変化が起きるのか」という結果。

3つ目は、「あなたの今の仕事が、そこにどうつながるのか」という接続です。

たとえば、こんな風に伝えます。

「最近、お客様から同じ問い合わせが増えているため、対応方法を統一します。これによって、お客様が担当者ごとに違う説明を受けて混乱することを減らします。そのために、まずは皆さんには、今週あったよくある質問と回答をノートに記録してもらいたいのです」

これなら、ただ作業が増える理由が分かります。

もちろん、理由を丁寧に説明したからといって、作業の負担が魔法のように消えるわけではありません。

面倒なものは、やっぱり面倒です。

人間は、理由さえ聞けば何でも笑顔で引き受けるほど、単純にはできていません。

そこまで都合よくはできていないのです。

それでも、自分の小さな仕事が、誰のどんな喜びに繋がるのかが分かれば、ただ上から命令された時とは受け止め方が変わります。

目的の理解度は、説明した回数や資料のページ数で決まるのではありません。

自分とのつながりが見えるかどうかで決まるのだと思います。

#伝え方の工夫 #ティーチング #動機づけ #社内コミュニケーション

視座の違いは、対立の種ではなく、チームの財産になる


会議で意見が食い違った時、僕たちはどうしても焦ってしまいます。

早く1つの答えにまとめなければ、と力が入ります。

しかし、違う視座から出た意見は、決して邪魔なものではありません。

チームに足りない情報を、わざわざ教えてくれるありがたいものです。

現場から、

「この新しい方法では、どうしても時間がかかってしまいます」

という意見が出たとします。

それは反抗期のような反対意見ではなく、「実行上の課題」を知らせる大切な情報です。

管理側から、

「今のままでは、来月には予算をオーバーしてしまいます」

という意見が出たとします。

それも夢を壊す否定ではなく、「活動を継続するための条件」を知らせる情報です。

お客様に一番近い人から、

「このパンフレットの説明は、少し分かりにくいと思います」

という意見が出たとします。

それは一生懸命作った企画への批判ではなく、「受け取る側のリアルな景色」を伝える情報です。

意見の違いを、「賛成か、反対か」という2つだけで分けてしまうと、こうした大切な情報をすべて失ってしまいます。

「なるほど、なぜそういう風に見えるのだろう」

「どの位置から見ると、そういう答えになるのだろう」

と考えることで、意見の使い道がぐっと増えます。

チームに必要なのは、反対意見を無理やり説得して消すことではありません。

その反対意見が、一体どの景色から生まれたのかを理解し、計画の軌道修正に使うことなのです。

#コンフリクトマネジメント #意見の対立 #心理的安全性 #多様な意見

同じ方向を向くとは、同じ考えになることではない


チームビルディングの場では、

「みんなで同じ方向を向いて頑張ろう」

という言葉もよく使われます。

とても前向きで、力強い言葉です。

ただ、ここで一つ間違えてはいけないことがあります。

全員が同じ方向を向くことと、全員がまったく同じ考えになることは違うということです。

同じ目的を持ちながら、プロセスについて違う意見を持つことはできます。

むしろ、違う意見があるからこそ、目的までの道のりが安全になります。

ある人は、スピードの速さを重視します。

ある人は、ミスのない正確さを重視します。

ある人は、働く仲間の心の負担を気にします。

ある人は、初めてのお客様の分かりやすさを考えます。

ある人は、半年後も予算が続く継続性を考えます。

これらは一見すると、対立しているように見えます。

しかし、すべてを少しずつ組み合わせることで、初めて現実的な答えに近づきます。

速いだけでは、いずれミスが出て続きません。

丁寧なだけでは、時代の変化に間に合いません。

安いだけでは、品質が保てず信用を失います。

理想だけでは、働く人が疲弊して倒れます。

現実だけでは、未来は1ミリも変わりません。

チームとは、同じ答えを持つ人の仲良しグループではなく、それぞれ違う景色を持ち寄って、泥臭く1つの道を探していく集まりのことなのかもしれません。

#プロセス管理 #組織の多様性 #シナジー効果 #チームの成長

というわけで


同じチームにいても、全員が同じように目的を理解するとは限りません。

それは、誰かの仕事に対する意識が低いからでも、能力が足りないからでもないかもしれません。

ただ単に、見ている高さが違うのです。

担当している業務の範囲が違うのです。

背負っている責任の重さが違うのです。

見ている未来の時間が違うのです。

だから、同じ目的を説明されても、受け取り方が変わって当然です。

大切なのは、

「どうしてこんなことも分からないのですか」

と相手を責めることではありません。

「今、あなたにはどの位置からどんな風に見えていますか」

と確かめることです。

そして、自分も相手の位置へ少しだけ歩み寄って動いてみます。

現場で働く人が、1段上から全体を眺めてみます。

責任者が、1段下りて目の前の汗と負担を見てみます。

未来を語る人が、今日の地道な作業まで言葉を尽くして説明します。

今日を守る人が、その仕事の先にいる誰かの笑顔を想像します。

それだけで、目的の見え方は少しずつ重なり合い、変わっていくと思います。

視座は、名刺の肩書によって決まるものではありません。

高いほうが無条件に偉いわけでもありません。

必要な時に階段を上がり、必要な時に現場まで下り、別の位置へ自由に移動できるしなやかさが大切です。

同じチームだからといって、全員で同じ景色を見る必要はありません。

違う景色を見ていることを、互いに知っていればいいのです。

その違いを持ち寄ることができれば、チームは確実に少しだけ強くなります。

そして、目的は上から押し付けられる冷たい言葉ではなく、自分たちの体温とつながったものになります。

視座の違いは、使い方を間違えればチームを分断する原因になります。

一方で、自分には見えていなかった新しい景色を教えてくれる力にもなります。

どちらになるかは、違いを責めるか、違いを面白がって使うかで変わるのかもしれません。

僕は、そう考えています。

#マネジメントの悩み #働く人のリアル #組織づくり #仕事のヒント

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菅野 大輔 (ワインテイスター/食クリエーター:かんの だいすけ) よろしければ、サポートお願いします。 自分のモチベーションアップのためと、今後のためにインプットに使わせて頂き、またアウトプットできればと。サポート頂いた方へはちゃんと返信させて頂きます。