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【南アルプス】蝙蝠尾根〜塩見岳・荒川前岳|2泊3日、雨から晴れへ抜ける大縦走

はじめに

静かな稜線を長く歩くのが好きです。

今回歩いたのは、南アルプスの 蝙蝠尾根。 蝙蝠岳から塩見岳、荒川前岳へとつなぐ、 総距離95.8km・累積標高6,954m のロング縦走です。

この記事では、

  • ルート状況

  • 注意点

  • 展望の見どころ

  • テント泊・水場情報

を、実際に歩いた感覚でまとめています。
南アルプスのロング縦走を考えている方の参考になれば嬉しいです。


この縦走の特徴

  • 樹林帯の長い蝙蝠尾根

  • 塩見岳を越える大展望の稜線

  • 荒川前岳〜悪沢岳の緊張感ある区間

  • 雨で始まり、晴れで終わる3日間のドラマ

南アルプスらしいスケール感と静けさを味わえるルートです。


山行概要

山名:蝙蝠岳〜塩見岳〜荒川前岳
山域:南アルプス
日付:2022年8月18日(木)〜20日(土)
天候:曇りのち晴れ/一部小雨

▼ コース
1日目:沼平 → 二軒小屋(自転車) → 蝙蝠尾根 → 徳右衛門岳付近テント泊 2日目:蝙蝠岳 → 塩見岳 → 三伏峠 → 小河内岳 → 高山裏避難小屋テント泊 3日目:荒川前岳 → 悪沢岳 → 千枚岳 → 二軒小屋 → 沼平(自転車)

▼ 距離・標高差

  • 1日目:37.8km(+3,283m / −1,443m)

  • 2日目:19.1km(+1,363m / −1,662m)

  • 3日目:38.6km(+2,307m / −3,727m)

総距離:95.8km
総累積標高:6,954m
行動時間:約32時間(歩行20時間+自転車)

体力度目安:★★★★★(ロング縦走・高低差慣れしている方向け)
標準CTとの比較:標準CT 49時間06分に対し、実際は約32時間。移動距離・累積標高の割に高ペースで行動したため、ロング縦走慣れしている人向けのハードルート


コース全体図

南アルプスを縦走した3日間の全ルート。
自転車でアプローチし、長い稜線とピークをつなぐ冒険的な95kmです。


1日目:沼平〜二軒小屋〜蝙蝠岳手前テント泊

距離:37.8km
登り / 下り:3,283m / 1,443m
行動時間:12時間14分(休憩1時間43分)

▼ サイクリングで二軒小屋へ

雨の中、沼平から二軒小屋まで自転車で進む。
靴下まで濡れたが、山友さんのペースに助けられた。

雨か水しぶきか分からないほどの迫力!南アルプスの洗礼

▼ 蝙蝠尾根へ

二軒小屋で気持ちを切り替え、蝙蝠尾根へ。
樹林帯の登りが続くが、雨上がりの空気が澄み、 徳右衛門岳付近で富士山が見えた瞬間、心が軽くなった。

歩いてきた稜線の奥に富士山。雨上がりの空気が澄んでいく。

▼ 蝙蝠岳手前の水場

蝙蝠岳の急登手前には水場があり、ここで補給。
標識から2〜30mほど下った場所に水場があり、蝙蝠尾根では貴重な補給ポイントです。
山頂直下の窪地にテントを張り、静かな夜を迎えた。

水場

2日目:蝙蝠岳〜塩見岳〜三伏峠〜高山裏避難小屋

距離:19.1km
登り / 下り:1,363m / 1,662m
行動時間:9時間35分(休憩32分)

▼ 蝙蝠岳でご来光

蝙蝠岳で迎えた朝は、稜線が赤く染まる美しいご来光。 富士山から間ノ岳まで一望でき、南アルプスの奥深さを感じた。

赤く染まる稜線。昨日の雨も吹き飛ばす最高の朝。

▼ 塩見岳へ

塩見岳の東峰では、深い谷と尖ったピークが立体的に広がり、 この縦走の核心にいることを実感。

塩見岳東峰

▼ 三伏峠〜高山裏避難小屋

三伏峠を越える頃にはシャリバテ気味に。
補給の選択を少し反省しつつ、ペースを落として歩いた。

烏帽子岳・大日影山・板屋岳を越え、長いアップダウンをこなしていく。

夕方、高山裏避難小屋に到着。
稜線の向こうに残る光が、長い一日の終わりを静かに照らしていた。

小河内岳避難小屋からの尾根

3日目:高山裏避難小屋〜荒川前岳〜二軒小屋

距離:38.6km
登り / 下り:2,307m / 3,727m
行動時間:10時間22分(休憩57分)

▼ 荒川前岳手前の水場

高山裏避難小屋を出てしばらく進むと、登山道沿いに小さな水場があります。
荒川前岳へ向かう前の補給にちょうど良い場所です。

水場

▼ 荒川前岳へ

朝一番で荒川前岳への標高差600mの登り返し。
細い稜線と強風に気を配りながら進む。

荒川前岳手前の稜線

▼ 悪沢岳〜千枚岳

悪沢岳では風速10mほどの風が吹きつけ、 バランスを取るのが難しい場面もあったが、 歩いてきた稜線が一望でき、三日間の道のりが一本の線になった。

悪沢岳からの眺望

▼ 下山

マンノー尾根は崩落箇所があり、梯子・ロープを慎重に通過。
二軒小屋に到着後、再び自転車で沼平へ戻り、3日間の縦走が完了しました。

二軒小屋

コースの印象と注意点

※2022年8月時点

🚲 沼平〜二軒小屋

  • 片道約27km、往復54kmのサイクリング

  • 椹島までアップダウンあり、その後二軒小屋まではほぼ登り

  • 帰りは椹島から沼平に手押し区間あり

🚶‍♂️ 蝙蝠尾根

  • 樹林帯の踏跡がしっかりしている

  • 雨や濡れた岩場は注意

🚶‍♂️ 蝙蝠岳〜三伏峠

  • 北俣岳・塩見岳付近は岩場で注意

  • 地味なアップダウン多いが整備済み

🚶‍♂️ 三伏峠〜荒川前岳

  • 小河内岳まで百高山の人気稜線

  • 荒川前岳手前は片側切れ落ち注意⚠

🚶‍♂️ 荒川岳〜二軒小屋

  • 悪沢岳付近は岩場・スリップ注意

  • マンノー尾根上部は崩落箇所あり、梯子やロープ利用


装備・施設情報

※2022年8月時点

  • 二軒小屋:テント泊禁止、トイレなし

  • 塩見小屋:テント泊不可、携帯トイレ ¥200

  • 三伏峠小屋:テント泊可 ¥1,600、水場あり(往復30分)、トイレ ¥100

  • 高山裏避難小屋:テント泊可 ¥2,000、水場あり(往復30分)、トイレあり

  • 中岳避難小屋:テント泊不可、水場なし、トイレあり


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南アルプスで実際に歩いて良かった縦走コースをまとめました。
今回のルートも含め、二泊以上で味わう静かな稜線と大縦走を紹介しています。

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振り返り

雨で始まり、晴れで終わる3日間。
南アルプスらしい厳しさと美しさが詰まった縦走でした。

蝙蝠尾根から塩見岳、荒川前岳までの縦走を終えて、
静かな稜線と展望の余韻が今も心に残っています。

なぜ歩くのか――
その答えは「自分のペースで自然の中を進む楽しさ」にあります。
長距離や高低差に挑み、条件を読みながら歩くことで、
山が持つリズムや景色の変化をより深く味わえるのだと実感しました。

これからも、静岡や南アルプスの山を線でつなぎながら、
一つずつ判断を重ね、長く歩き続けたいと思います。


最後に

静岡の山や南アルプスを中心に、
長く歩ける静かなルートをこれからも記録していきます。

その山の雰囲気が、少しでも伝わっていたら嬉しいです。

静岡の山を中心に、毎週末、稜線を歩いています。
派手な山よりも、静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。

これまでの山行記録はこちら
▶ マガジン「一座ずつ、山行記録」

静岡の山まとめ
▶ マガジン「静岡の山を歩くということ」

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次は、また別の山の記録で。

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