組織を変えるのは、制度ではなく「コミュニケーション」である #04
人は、一人では大きなことを成し遂げることができません。
だからこそ、同じ目的を持つ人たちと組織をつくります。
企業もまた組織であり、その力を高めるためには、次の3つが不可欠とされています。
• 目的の共有
• 目的への貢献
• コミュニケーション
特に、人の集まりである組織である以上、すべての土台になるのがコミュニケーションであるといえます。

■ 指示待ち組織を生んだのは経営だった
業績が低迷していた当時、私たちの組織は
自ら方向性を示せない状態にありました。
立て直しのため、私はトップダウンを強めました。
短期的には成果が出ました。
しかし、その成功体験が意思決定の集中を招き、
気づけば「私の判断がなければ動けない組織」になっていました。
指示待ち体質の根本原因は、経営にあります。
この反省から、現在は
「自律して動く組織」への転換に取り組んでいます。
そして、変革の中で見えてきたのは、非常にシンプルな事実でした。
それは、
組織は、コミュニケーションの質で決まる
ということでした。
■ なぜコミュニケーションはすれ違うのか
コミュニケーションとは単なる会話ではありません。
知覚・感情・思考の共有です。
しかし人は、同じ事実を見ても同じようには認識しません。
その理由が、次の3つです。
• 省略:すべてを伝えていない
• 歪曲:自分の解釈を加えている
• 一般化:一部を全体のように扱う
このフィルターを通ることで、
情報は歪み、ミスコミュニケーションが生まれてしまいます。
つまり、コミュニケーションの質が落ちてしまうのです。

■ まず必要なのは「信頼関係」
だからこそ、技術よりも先に必要なのが関係性です。
• 接触頻度を増やす(単純接触効果)
• 自分を開示する(自己開示)
単純なことではありますが、
こうしたことの積み重ねによって、信頼関係が築かれます。
信頼がなければ、どんな正論も届きません。
■ 「声をカタチにする」ことの意味
社内では、次のコミュニケーションスローガンを掲げています。
「声を出す。声を聴く(訊く)。声をカタチにする。」
起点は「声を出すこと」です。
しかし、本当に重要なのはその先です。
• 声を出す
• 声を聴く
• 声を訊く
• 声をカタチにする
この循環がなければ、組織は変わりません。
その意味でも、メラビアンの法則のごとく、
論理的な言語化、数値化、視覚化をベースに、
会話や対面による情報の共有を徹底することようにしています。
特に重要なのは、最後の一歩です。
反映されない声は、やがて消える
だからこそ、現場の声を意思決定に反映し続けることが必要です。
■ すべての声を採用する必要はない
もちろん、すべての意見を採用することはできません。
重要なのは、
• なぜ採用しないのかを説明すること
• それでも声を上げ続けられる状態を保つこと
です。
これが主体性を生みます。
■ トップダウンから自律組織へ
トップダウンは否定されるものではありません。
ただし、それは一時的な手段に過ぎません。
トップダウンに依存した組織は、
必ず思考停止に陥ります。
対して、組織が自律するために必要なのは、精神論ではありません。
現場の「理解・裁量・納得」です。
• 理解:状況や目的が見えている
• 裁量:自分で判断できる
• 納得:腹落ちしている
この3つが揃ったとき、
人は初めて自ら動きます。
■ 組織におけるコミュニケーションのあり方
人は一人では生きられません。
組織もまた、コミュニケーションなしには機能しません。
そして、
組織の成果は、コミュニケーションの質に比例する
だからこそ、これからも愚直に続けていきます。
「声を出す。声を聴く(訊く)。声をカタチにする。」
これが、組織を変える最も確実な方法だと考えています。
