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【ショートショート私小説】吸い殻を瓶に落とす①

4年前は0.2ミリだけチクッとして、
16年前は袈裟懸けに身をザックリ斬られた。

18歳の夏、現在のSNSのハシリみたいな
ネットの世界で知り合った同い歳の女の子。
当然会ったことがないけど、互いに好きになり、
夏休み、その娘は親には近所の友達の家に泊まると
言いながら、大胆に京都の山奥から大阪に
出てきた。写真で見てはいたけどやっぱりお洒落。
照れ笑いがすごく可愛い。そんな印象を受けた。

時計が24時を指す瞬間まで待って、公園で二人で
汗ばみながら面と向かって改めて告白をした。
ありがとう、って彼女は八重歯をみせて笑った。

翌年の春、進学のために彼女はなんと
俺の地元からかなり近いところに引っ越した。
これまでは県をまたいで会ってたのに、
こんなに嬉しいことはない。

自然に、当然に、必然に、俺は転がり込んだ。
朝は先に専門学校に彼女が向かい、まだ寝てる俺は
少ししてから起きてバイトに行く。
よくお弁当を作ってくれて、おまけに
ハッピーターンなんかを添えてくれて、
いつもその上には頑張ってね、って書いてある
メモがある。
思わずニヤニヤして、それをカバンに仕舞い、
パワハラとモラハラのキツいバイト先に向かう
そんな日々が続いた。
結婚って、こんなんかな…
学生マンションだったし、神経質な大家から
俺達は嫌われていたけど。

家具よりお洒落に金をかけたい年頃だったから、1000円以内で焼肉をしよう!と言って、
いつもの汚い段ボール箱をテーブルにして
はしゃいで、どこへ行くにも自転車の二人乗りで
行った。アメ村の夜、俺はラッキーストライク、
彼女はZIMA、それがずっと続けばいいと
思っていた。



続き



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