プラハで過ごすクリスマス🎄①教会のコンサート、修道院ホテルのサウナでVは温まる〜プラハ1日目〜
プラハが好きだ。ここでエッセイを書きながら暮らす、そのつもりになっていた時期もある。結果ドイツに暮らすことになったけれど、ドイツの中でもチェコに近い場所に住むことになったのは、嬉しいことだ。車窓に見え始めたプラハの景色を眺めながら、Vは思う。
イタリアもスイスもオーストリアも近い。Vの好みとオタク心を満たす場所に住んでいるのだ、と改めて思う。この偶然を神に感謝しなければいけないと感じる。
今夜は教会のコンサートだ。音楽に包まれながら、感謝して来よう。異教徒だけど。
1週間の旅は23日から始まった。明日はクリスマスイブ。そしてオーストリア皇妃エリザベート(愛称:シシィ)の誕生日でもある。
今回は四日目から2泊で、初めてシシィゆかりのハンガリー、プダペストにも行くので、Vのオタク心はどんなにか満たされることだろう🎶
このハンガリーへの旅で、Vが人生で初めて経験した衝撃のエピソードを先に公開した。こちらも是非。
▪️1日目
この日の宿泊場所は、ボヘミア最古の男子修道院であったブジェヴノフ修道院に併設されているホテルである。
西暦993年に設立されたこの修道院は、世界最古のビールの醸造所としても有名だ。
広い敷地内には、教会、ホテル、美術館、醸造所、レストラン、そして広い公園がある。

*クリスマスイブにヨーロッパを旅をすると休みの場所が結構あるのでご注意を。教会はコンサートやミサの時間以外は閉じているところが多いし、この敷地内の美術館やレストランやバーも休みだ。

ホテルの建物は、修道院を改築したもので、フロントの横の戸口を裏に出ると、立派な教会が目の前だ。


鍵を受け取って左に行くと、そちらが部屋だった。このホテルで一番大きい部屋らしい。犬を連れていると、他の部屋から少し離れた、大抵同じ料金のままランクアップしてもらえて、大きな部屋を用意してもらえる(犬の宿泊も有料)。とても居心地が良い。
ドアを開けると驚いた。右にタンス、荷物置き場、左の奥にソファ、そして一番奥に3段階段があり出入り口であったらしいドアがある。つまりこの玄関的に使われている部屋はかつての出入り口と廊下だった場所だ。Vはこうした古い建物を改築した、変則的な面白い部屋が好みなので、大喜びだ。


幅は3mくらい、奥行きも7mほどあり、広々した空間である。大きな荷物や嵩張るダウンなどを置くのにありがたい「部屋」。
ドアを開けると右の部屋が寝室、左は浴室となっている。


かつての修道院の天井の造りがそのまま残る




真ん中の部屋を横切って、浴室に行ってみると驚いた。サウナがある! そのサウナを置いても広々。
さすがに修道院の部屋を、無理矢理ホテルにしただけのことはある。
寒い地方の、おまけにこんなに天井の高い部屋は、ハイツングの目盛りを最大にしても少し寒い。
この日も翌日も、入浴の時だけでなく、外から帰って身体が冷えすぎている時、服のままサウナにしばらく籠った。じんわりと優しく温まる。
寒い中、身体が温まるということは本当に嬉しく幸せなことだと実感する。
サウナで整うとか、また全然別の世界の話。



(緑色の床の部分まで、殆どお湯は飛ばない)
人生で初めての仕切りのないシャワーコーナー
ああ広い♪ そしてタオル置き場まで遠い🤭
豪華なシャトーホテルも楽しいが、この簡素で静謐な空間のホテルは、クリスマスになんてぴったりなのだろう。
ここを見つけたOを大いに褒め称える。




美しい場所を眺められるポイントに必ず置かれている




さて、ホテルを出発する。車を街の駐車場に置き、市庁舎近くに向かう。
16:30から私が行く教会のコンサート、19:30からOが行く別の教会のコンサートだ。
何度か教会のコンサートに行ったことはあるものの、演目や教会の規模によって、それぞれ雰囲気がだいぶ違う。今夜はどうだろう。
教会に1時間前に到着したので、少しだけ向かいの建物の奥のカフェで一休み。市庁舎が近いので、Oは待ってある間にクリスマスマーケットに行くようだ。




20分前にSt. Giles Church(セントジャイルズ教会)に入ると、中央は個人で申し込みの観光客、両サイドは団体の予約のようだ。
1列目から5列目の席が指定されていたので、全部空いていた一番前の席に座る。
演奏が始まるまで、教会を見学した。建物は小ぶりの教会であるが、彫刻や装飾が大変美しく品が良い。不謹慎な言いようではあるが、Vの好みの点で大当たりだ。


ここまで高いのは珍しい



そして後方のパイプオルガンのあるバルコニーが、一般的な高さより2mほど更に高く、ほぼ天井に近い位置にある。これも素敵だ。
パイプオルガンが設置されるのは、後方二階バルコニーが多いが、一階中央側面、祭壇脇、教会によっていろいろ。
演奏された時の音の響きからすると、後方の高い位置が一番美しいと思う。楽しみだ。
演奏者5名が登場。ヴァイオリン2名、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。
途中からすらりと美しいソプラノの歌い手が登場。教会はとても寒いのでコートにマフラー姿だ。素晴らしい声✨✨
演目が良い。硬くなく、飽きさせず、それでいて本格的だ。ファーストヴァイオリンが途中の曲で何度も超絶技巧を披露する。観客の親しみやすい雰囲気の女性で、秀逸な演奏の後の微笑みで、和やかな空気を醸し出している。
5人編成の演奏の合間合間に、パイプオルガンの演奏が5曲くらい入り、演奏者の前にいた歌い手が、歌い終わって横の部屋に戻ったと思ったら、その後の曲では、パイプオルガンと共に、バルコニーで歌い始めた。今夜のパイプオルガンの弾き手も大変上手い。
バルコニーがとにかく高い位置であるので、パイプオルガンの響きも歌も、天から降り注いでくるようだ。間違いなく、その点で、これまでVが聴いた教会コンサートの中で一番美しいと感じる。
身体を包み込むように上から降り注ぐ音、美しすぎて感動で涙が滲む。これもVにしては珍しいことだ。
思わずキリスト教徒になりたいような心持ちになる‥‥
1時間ほどでコンサートは終了。大きな舞台でのフルオーケストラの演奏も勿論好きであるけれども、この日の演奏は人生で一番好きだと思った、と迎えに来たOに伝えると満足そうだった。
後ろの方にいた若い観客の何人かが、演奏されたヴィヴァルディの《四季》「冬」を歌いながら帰って行った。凍てつくような空気の中で聴く「冬」。
煌めくようなヴァイオリン、疾走感に溢れるこの曲は、確かに耳に残った。
思わず歌いたくなるくらい、彼女たちの印象に残ったのだろうな、と楽しくなる。
この日の演目は以下の通り
MA シャルパンティエ – テ・デウム
W. A. モーツァルト – アヴェ・ヴェルム・コルプス
F. X. ブリクシ – ハ長調の前奏曲または BM チェルノホル スキー – ハ長調のトッカータ
チェコの伝統的なクリスマスキャロル
F. X. グルーバー – きよしこの夜
J. S. バッハ – トッカータとフーガ ニ短調
Ch. グノー – アヴェ・マリア
A. コレッリ– クリスマス・パストラーレ
A. ドヴォルザーク
– 聖書の歌第 4 番
– 聖書の歌第 10 番
A. ヴィヴァルディ – 四季(冬)
JF ウェイド– アデステ・フィデレス
A. アダム – 聖夜
歩いて数分で市庁舎前へ。プラハのクリスマスマーケットは周囲の建造物の雰囲気もあって、上品だ。







長い行列ができている




クリスマスマーケットと言えば、やはりドイツが本場であり、規模は大きく、陽気で賑やかで親しみやすく、ドイツらしい可愛らしさに溢れる雰囲気だ。
けれどもプラハはいかにもプラハらしい。店の数や規模は小さ目であるけれども、街に溶け合い、何とも上品で情緒がある。
マーケットは寒すぎるので、レストランに入り、食事をしながらOのコンサートが終わるのを待つことに。ライトアップされた街の光をぼんやり眺めながら、先程聴いた曲が頭に浮かぶ。「冬」良かったなぁ。アデステ・フィデレスは急に涙が出た。
Oと合流して、帰りはライトアップされたプラハ城を眺めながら、川沿いの道を歩いて駐車場まで戻る。



Vの思いの強さゆえか、プラハ城は何かとにかく特別な場所なのだ。単なる観光地とは思えない、この風景だけで、何か物語が書けそうな心持ちになる。‥‥そしてまだ1行も書いてはいない。
こうしてプラハの夜は更けて行く。帰ったら服のままサウナに直行することだろう。
②プラハ2日目に続く
