まさかずっと知らなかったなんて...~"蒸す"で見違える 乾物料理~
蒸し野菜から始まり、豆など普段食べるものを色々と蒸していく中で
それぞれの素材の魅力を、発掘してきた私ですが、
一番感動して、毎日欠かさず蒸して食べているのが「乾物」(主に、切り干し大根)。
ほんの好奇心から…
「切り干し大根を蒸してみよう」と動いた私。
「フライパン+蒸しプレート」を使った、私流の「低温蒸し」に魅了され、
それをもっと楽しむべく、毎日いろいろなものを蒸しては食べていましたが、
切り干し大根やわかめなどの乾物に関しては、
水戻ししたり、乾燥状態のまま煮たり、水分の多い和え物に加えたり…
それ自体を蒸すことはありませんでした。
でもそんな中で、"なんでも蒸してみよう精神"から、乾燥状態の切り干し大根を蒸してみると、
今までやっていた調理では味わえない、あふれだす甘みと旨味にもう感動。

もやしと一緒に蒸して、塩麹で和えただけのシンプルさで
想像を超えるおいしさに、毎回和んでいます
その発見以来、
乾物、特に切り干し大根が、毎日毎食欠かせないものとなりました。
今まで知らなかったなんて…
そう悔やむぐらい、とにかく旨味・甘みが溢れ出てくるのはもちろんですが、
水戻しする手間を省けたり、仕上がりがクタクタになったり水っぽくなったりしてしまうのを防げたり…
そういう調理から歯ごたえまでも得られるものがある、というのが、私にとっては魅了される点に。

水戻しせず、蒸した乾燥わかめ(右)
後者は水っぽくならず、ぷるんとした仕上がりに
はじめは、蒸して塩で和えるだけで十分満足していましたが、
今では色々とアレンジを広げて、もっと楽しめるようになってきています。(詳しくは後ほど)

基本の蒸し方
は他の野菜や豆などと同じ。
基本はこちら⇩の記事にて。
ひとつ補足するとすれば、水戻しは不要で、ほこりが気になる場合は、ささっとすすぐ程度で、乾燥したまま蒸してしまって大丈夫です◎
仕上がりは、噛み応えを残して固めにしたり、少しの力でつぶせるぐらい柔らかめにしたり、お好みや用途に合わせて調整を。
とはいえ、試してくださった方からは「縮れてうまく蒸せない」と伺うことの多い素材のひとつが、「乾物」なのですが、
言い換えるとするならば、基本の蒸し方ができているかどうかの指標になる素材のひとつが「乾物」だと思っています。

どういうことかというと、私流の低温蒸しでは、
①水の量
②蒸し方(蒸しプレートへののせ方)
③低温蒸気の量
④加熱時間
のすべてが整えられると、旨味甘みを最大限引き出せて、食感もふんわり / とろとろ / 程よくしゃきっと仕上げられるのですが、
それのうちどれか一つでも崩れると、切り干し大根などの乾物は特に、うまく蒸せないことに繋がってしまいます(縮れたり、逆に茹で状態になって水っぽくなってしまったり…)

要素がすべて揃って、ふっくら旨味・甘みぎっしり仕上がった切り干し大根(右)
早く蒸し上げようと火を強めたり、早く引き上げてしまったりと焦らずに、
まずはこちらの記事でまとめたポイントを一つ一つ確実に意識して蒸すことが、早く美味しく仕上げる近道になると思っています。
もうひとつ大事なコツは、こちらにて:
まずは蒸して和えて、慣れてきたら…
グリルや焼き菓子に入れるなど、アレンジは無限大。
和え物一つとっても、組み合わせる素材や調味料を変えるだけで、
味わいは全く違うものに。

と一緒にそれぞれ和え物に
それに加えて、和え物にひと手間かけると、パスタのような、濃厚なおかずにも大変身。

ほうれん草とマッシュルームのクリームパスタ風和え物(右)
はたまた、蒸した切り干し大根をグリルして、さらなる甘み・旨みを楽しむことも。

蒸し切り干し大根を生地・トップに入れた、おかずマフィン(マフィンサレ)(右)
蒸し切り干し大根のレシピアイデアは⇩に一覧にしています
YouTubeユーザーさんはこちら⇩へ
私が気付かないところでも…



大人の方はもちろん、お子さんにも大好評のようで、蒸し乾物(とりわけ、蒸し切り干し大根)の可能性を感じています。
追記:"蒸し戻しひじき" の無機ヒ素について
実は、2025年10月
"蒸し戻し"で、ひじきの無機ヒ素を減らすことができるかどうかを
日本食品分析センターに分析いただいた結果、減少が確認されました。

一緒に蒸して和えるだけで
じっくり煮込んだような旨味があふれるおかず
一般的には
30分以上水に浸す→水洗い / 茹でる→水洗いのような "水戻し / 茹で戻し" が、ひじきの下ごしらえの基本とされていて
その方法によって「家庭内でヒジキを調理するときに、無機ヒ素を減らすことができる」ということも農林水産省の調査で言われていたりするようです。
※ 農林水産省のHP(食品中のヒ素に関するQ&A)では、
・無機ヒ素を大量に摂取することで、身体への悪影響があると報告されていること
・"可能な範囲で食品に含まれる量を減らすべき"というのが、国際的に合意された考え方であること
が書かれている一方で、
・日本では、食品から摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められていないこと
・食品からの無機ヒ素摂取の現状に問題があるとは考えていないこと
(ヒジキの摂取も含めて、バランスの良い食生活を送っていれば問題ないこと)
も書かれていました。
わたし流の調理では、
当記事にまとめた方法を活用することで
他の野菜などを蒸すついでに戻す
水戻しよりふっくら
水っぽくなく、旨みたっぷりに仕上げる
というのが基本・魅力です。
ただ、この方法はあまり一般的ではなく「無機ヒ素は大丈夫…?」というお声を頂いたこともあり
日本食品分析センターに分析を依頼して、今回の結果を得るに至った、という背景があります。
分析試験成績書
以下は、センターから頂いた「分析試験成績書」です。
乾燥状態の数値と、水戻し・蒸し戻しの数値を比べることで、
どれくらい無機ヒ素が減ったのかが分かります。
今回の分析(※あくまでも1検体)では
「蒸し戻しによって乾燥ひじきの無機ヒ素を減らすことができる」
だけでなく
「水戻しよりも、蒸し戻しの方が、より多くの無機ヒ素を減らせた」
という結果が出ています。
※依頼者名が岐阜大学となっているのは、
岐阜大学に分析等のご相談をし、
食品分析センターへ分析依頼をして頂いたためです。



私は大学や企業の研究者でもなく
ただ、低温蒸し料理を日々探求している個人です。

さくほろチュロス風おやつ
(生地には蒸し戻しひじきが)
今回の結果は、あくまでも"わたし流の蒸し戻し" で得られたもの(1検体での結果)で、分析の仕方次第で、異なる結果が出ることもあるかもしれませんが
⇩でまとめたような、アクを抑えられるなど、低温で蒸すことのメリットが示されている研究があったり、その良さを自身でも実感していたり...
ということもあって
乾燥状態から【蒸し戻す】ことに、何かしらの新しい可能性があるのでは、と個人的には考えています。
あいり
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