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映画「シラート」感想(⚠️危険!犬にショッキングなことが起こります!)とまくらにメンチを切る柴犬

オリベル・ラシェ監督作品。

最初に重大な警告をしないといけない。この映画、犬が死にます。それも呆気なく。

健気な、健気なワンちゃんだったんです。いなくなったお姉ちゃんを探しにお父さんのルイスと弟くんのエステバンと一緒に車でモロッコに来ただけなんです。具合が悪くなったらエステバンくんによしよししてもらえていたんです。

そんなワンちゃんが死んでしまうんです。エステバンと車の中に一緒にいたんです。車のブレーキが効かなくなってあっという間にまっ逆さま。伏線も何もなく死んでいく。そんな映画です。

さて、話は大きく変わるがこの映画はレイヴが大きなモチーフとなっている。いや、この映画自体がレイヴである。シンプルなリズムを爆音で延々と流す、そんな映画体験(レイヴといっても真島ヒロ先生の漫画じゃないよ、念のため!)。リズムを繰り返すことにより一種のトランス状態に入るようになっている。登場人物たちは楽しくなっちゃうお薬を使い、リズムを浴び、リズムに陶酔しているのだ。だから座って素面で見ると「何だこれ?」となるのは無理もないかもしれない。なので息子が亡くなるシーンまでは酔っぱらってリズムに乗りながら立ち見で鑑賞するのが本当は合っていると思う。次見る時は酔った状態で見ようかな。

余談ではあるが、このリズム、お経と合うのである。嘘だと思えば心の中で般若心経を唱えて見ればよい。↓こんな感じである。

また風景も印象的だ。草木も生えない岩山や砂漠が延々と続く。まさにループ。人間に対峙する自然と人工物でしかないレイヴの融合もトランス状態を生み出す。険しい岩山をくぐり抜けるシーンでは岩山は剥き出しの厳しい自然を表現しているのかと思った。だが、砂漠に地雷が沢山埋められていると分かった後は一転、岩山は安全地帯となる。これも興味深い。

中盤まではエステバンは段々とレイヴに染まっていくがルイスは運転に精一杯でレイヴどころではない。ところが息子を亡くしてからはルイスもレイヴに染まっていく。娘がいなくなってしまったこと、そして息子を亡くした悲しみをレイヴで癒しているかのようだ。

あと何か「地獄の黙示録」、もっと言えば「闇の奥」みたいだと思った。目的地まで奥へ奥へ行ってそこに染まるような感覚。ただ、この映画では「娘を探す」といった当初の目的も融解し最後には列車に乗って終わってしまう。

人生はシラート、またはレイヴである。理不尽はあれど伏線はない。それでも前に進むのだ。それが人生だ。

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まくらにメンチを切る柴犬


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