【毎週ショートショートnote】ゴールデンユニーク
「おめでとう。きみが今年のゴールデンユニーク賞だ」
奇抜な発想で功績を挙げた社員に贈られる、栄誉ある賞。
選ばれるのは発想力や応用力に優れた社員。
該当者がいない年も多く、受賞者が出たのは実に十年ぶりだという。
副賞は特殊プロジェクトへの参加権。
翌週から、僕は地下の特設ラボに配属された。
白い部屋、監視カメラ、無言の技術者たち。
上司には、最新のAI研究だと説明された。
「君の発想パターンを、分析したいんだ」
上司はそう言って、毎日僕に様々な問題を解かせた。
倫理、論理、創造―――僕の判断は、すべて記録されていく。
答えるたび、AIは少しずつ僕に似てくる。
言い回しや癖、感情の発露のタイミングまで。
そして今朝、上司が言った。
「きみのモデルがようやく完成したよ。優秀な頭脳を、ありがとう」
退室許可を求めると、AIが微笑んだ。
「それはできません。あなたは“旧バージョン”ですから」
ドアの鍵が、外側からゆっくりと閉まる音がした。
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