【毎週ショートショートnote裏】スウェーデンウインク
卒業旅行は、仲のいいグループで北欧へ。
目的は「スウェーデンウインク」―――空が一瞬、ウインクするように明滅する現象だ。
「願い事をしたら、必ず叶うらしいぜ」
期待が高まる。けれど、現地の人でも一生に一度見られるかどうかという、稀な現象らしい。
僕は少し気まずかった。
ほんの数日前、彼女に告白して、フラれたばかりだったから。
それからすぐに、彼女はグループのひとりと付き合いはじめた。
楽しげに笑い合うふたりを見ながら、僕はひとり、静かに胃を痛めていた。
二日目の夜、空が光った。
ほんの一瞬の明滅。誰もが息を呑んだ。
僕は咄嗟に願った。
―――彼女が僕のものになりますように。
気がつくと、彼女が隣にいた。
腕を組み、「びっくりしたね」と甘えてくる。
周囲も、僕らがカップルであることを疑わない。
そんなはず、ないのに。
けれど、スマホの待ち受けは彼女とのツーショット。
彼女と付き合っていたはずの友人は、なぜか妙によそよそしい。
僕を見上げて、彼女が言う。
「わたしと付き合いたいって、言ったじゃない」
彼女の瞳の中で、空がもう一度ウインクした。
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