3件目に選んだのがファミレスだった、という選択の正しさ
3件目だった。
ランチからカフェ、でもまだ話し足りなくて。「どこ行く?」と言い合ったとき、自然にこのお店の名前が出てきた。ファミリーレストラン ココス大橋店。西鉄大橋駅から歩いて3分の、国道沿いに灯る明るい光。
「ファミレスでいい?」じゃなくて、「ファミレスがいい」だったと思う。
正直に言うと、3件目でお腹はもう十分だった。それでもなぜかメニューを開いたとき、ピザマルゲリータの写真が目に飛び込んできて、気づいたら「これにしよっか」と言っていた。
しばらくして運ばれてきた直径20センチほどのピザは、テーブルに置かれた瞬間、湯気がふわっと顔に届いた。
チーズが全体を覆っていて、その白い層の下からトマトソースの赤がじんわりにじんでいる。バジルの葉が何枚か、ところどころに沈んでいて、オリーブオイルだろうか、金色に光る雫がチーズの上に転がっていた。
一切れ手に取ると、生地がふわっとやわらかくて、でも端の部分はちゃんと歯に抵抗があった。トマトの酸味が最初に来て、チーズのとろみが追いかけてくる。バジルを噛んだ瞬間だけ、すうっと清涼感が鼻を抜けた。

カリカリポテトはケチャップとマヨネーズのソースを選んで、赤いボトルのレッドペッパーを少し振りかけた。細くてしっかり揚げられている。揚げたてのポテトは、指先まで少し温かくなる。
3人でそれをつまみながら、話は気づけば10年前のことになっていた。
「ここ、前も来たよね」と誰かが言った。
そのときは、このお店の名前がまだ違ったかもしれない。「サンデーサン」だったような、という声も上がって、でも3人とも確信はなくて、笑いながら「そうだったかな」と首をかしげた。
確かなのは、この場所で、3人でどこかのお店の話をしたこと。誰かが恋をしていたこと。誰かが仕事で悩んでいたこと。もう細かいことは覚えていなくて、でも「楽しかった」という感触だけが、なんとなく体のどこかに残っている。
10年というのは、そういう時間だと思う。
ドリンクバーで何杯かおかわりをして、さらにお腹いっぱい。
お店のスタッフさんは明るくて、ピザのお皿を下げるときに軽く笑顔をくれた。真心のこもった料理と笑顔いっぱいのスタッフ、とお店の紹介文には書いてあったけれど、それは誇張ではなかった。
九州1号店として長く続いてきたお店には、そういう安定した空気が宿っているのかもしれない。騒がしくなく、寂しくもなく、3件目のお店にちょうどいい温度だった。
帰り道、大橋駅まで歩きながら思ったのは、「また来てしまうだろうな」ということだった。
次に来るのが10年後かどうかは分からない。でも、このお店がそこにあり続けてくれたら、きっとまたここで話すことになる気がしている。
ありがとう、この場所と、このお店へ。
ファミリーレストラン ココス 大橋店
〒815-0032 福岡県福岡市南区塩原4-13-27
営業時間:6:00〜翌4:00(ラストオーダーは閉店30分前)
アクセス:西鉄天神大牟田線 大橋駅 徒歩3分/国道385号線沿い
電話:092-557-3306
公式サイト:https://www.cocos-jpn.co.jp/
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