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厚生労働省発表/令和4年3月卒の新規学卒就職者の「就職後3年以内の離職率」

どうも、斉藤史朗です!

普段はマーケティング業務に従事しており、法人向けサービスにて人材派遣・人材紹介・健康経営・業務改善/アウトソーシング・キャリア自律などに関するコンテンツを制作しています。

先日、厚生労働省より毎年発表されている「就職後3年以内の離職率」に関するデータが掲載されましたので、そちらについてまとめます。  

抜粋:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します

開示データ

結論、昨年に比べて離職率が低減し、定着率がアップしています!

⚫︎高校卒就職者:37.9%(前年度比で ▲0.5ポイント)
⚫︎大学卒就職者:33.8%(前年度比で ▲1.1ポイント)  

産業別・企業別のデータは以下になります。

【産業別】
宿泊・飲食や生活関連サービスなど「対面/現場型サービス業」は依然として離職率が高いが、全体としてやや改善傾向です。

特に、教育や医療・福祉、小売などで改善(離職率低下)が見られます。

【企業規模別】
小規模事業所ほど離職率が高いのは、傾向として変わらずです。

今回は全規模で離職率が低下しており、最小規模(5人未満)での改善幅が相対的に大きい(大卒で▲1.6ポイント)。大企業ほど定着率が高い結果となりました。

産業別(大卒、上位の抜粋)

宿泊業・飲食サービス業:55.4%(▲1.2pt) — 依然トップの高水準

生活関連サービス業・娯楽業:54.7%(+1.0pt) — 上昇傾向

教育・学習支援業:44.2%(▲2.4pt) — 改善幅は大きめ

医療・福祉:40.8%(▲0.7pt) — 高止まりだが若干改善

小売業:40.4%(▲1.5pt) — 改善

事業所規模別動向(大卒)

規模が小さいほど離職率が高い傾向は変わりませんが、すべての規模で改善が見られました。特に最小規模での改善幅が目立っています。

5人未満:57.5%(▲1.6pt)

5〜29人:52.0%(▲0.7pt)

30〜99人:41.9%(▲0.5pt)

100〜499人:33.9%(▲1.3pt)

500〜999人:31.5%(▲1.4pt)

1,000人以上:27.0%(▲1.2pt)

最小規模企業での改善は、採用の慎重化やフォロー強化の成果、または経済的に辞めにくい環境の影響と考えられます。

産業別の差異(サービス業の高さ)

現場負荷・シフト勤務・低待遇が継続的に離職を生む主要因であります。

宿泊・飲食、生活関連サービスは接客業の業務負荷と長時間勤務が構造的に残っているため離職率が高止ってます。

ここ数年の急激な採用で各社の職場に人手は増えたが、職場環境の改善は追いついていない業界が多いようで、これから、数年かけて働きやすい環境作りが整っていくでしょう。

教育・医療・小売での改善

教育・医療・小売で改善が見られるのは、採用時説明の精緻化や、現場での研修・メンター導入や、公的支援などが効いている可能性があります。

特に教育はオンボーディングの整備で早期離職が抑えられている例があります。

企業規模別の構造

以前より、大企業は制度・教育・給与面で余力があり、若手フォローが手厚いため、定着が進む傾向がありました。

中小・零細は人手不足が経営の主要課題だが、現場の“属人的対応”になりがちで定着施策が弱いため、依然高い離職率であります。

ただし今回、最小規模での改善は採用の慎重化や現場の短期フォロー強化の効果か、あるいは経済的な「辞めにくい」外部環境の影響があると推察されます。

経済的な面では、食料品をはじめとしたあらゆる領域での物価高と受け取れる給与面の手取り減少が要因ではないかと思われます。

離職率改善に向けたマクロ的要因分析

① コロナ後の労働環境改善・柔軟化
テレワーク、フレックス、副業容認など、柔軟な働き方の制度整備が進んだ影響がポジティブにありそうです。

特に大卒層では「働き方の自由度」が心理的安全性につながり、早期離職抑制に貢献したのではないでしょうか。

また、リモート導入で通勤ストレス軽減、地方在住者の就労継続率も改善されたと考えます。

一方アクセンチュアなどを含めて一部企業でのフル出社による出勤勧告が示され、リモート勤務頻度が減少された人が増えてくるでしょう。その影響が来年出てきて、離職率の増加に繋がるかもしれません。

② 採用段階での“マッチング精度向上”
新卒採用の現場で、「人材の量」から「定着率重視」へとシフトしています。

人手不足ではありますが、新卒採用コストの高まりがあり、各社採用競争が激化しているため、工数掛けても採用計画人数に達しないケースが増えています。

なお、昔とは異なり無理に採用人数を合わせることなく、ミスマッチになりえそうな採用をしない企業姿勢は増えていそうです。

また、企業が採用段階でリアルな仕事内容・職場環境を可視化(インターンやOJT体験、動画説明など)を積極的に取り入れていますので、お互いの認識合わせが進んでいるでしょう。

③ 若手定着への組織的支援の充実
メンター制度や1on1面談など、オンボーディング(初期定着)施策が一般化しています。

特に大企業での制度化が進み、入社1〜3年目の離職リスクが軽減しています。これらは、人事側が人材育成を「採用コスト回収」と位置づける企業が増え、早期離職がコスト面から解消しようと捉えているのではないでしょうか。

④ 労働市場の逼迫による“企業側の意識変化”
少子化・採用難を背景に、「辞めさせない経営」への転換が進行し、若手人材の再獲得コストが高騰しています。

エンゲージメント調査やバルスサーベイやストレスチェック診断、従業員満足度施策への投資が増え、綿密に社員ケアに取り組んでいます。

⑤若手社員の意識変化
最近の就職白書(リクルートワークス研究所、マイナビ等)では、新卒社員のコメントに次のような傾向が出ています。

「給与額そのものは納得している」
「でも家賃・物価が高く、貯金できない」
「副業やリモートで生活コストを抑えたい」

非常に切実な声ですね。「転職で年収を上げるより、今の職場で安定を優先」という行動選択につながっていると考えられます。

一方、新社会人の転職サイトの登録は増えていて、要因としては、いくつかあります。


① 給与面などをみてより好待遇な企業への転職機会を伺う方が増えている。

② 今後のキャリアを見据えた情報収集を目的に登録している。

③早期段階から転職を含めてキャリア構築する考えが増えている傾向がある。

抜粋:2025年4月度doda会員登録者数の推移

その他、SNSや口コミで転職市場が「リスク情報」も共有されるようになり、「今の職場を改善して続ける」選択が広がっています。

結果として、離職率が一時的に抑制された側面もあるでしょう。

先日、日経平均は5万円を超え株価と日本企業の成長は順調そうですが、足元の社員への対応には課題はあります。

単純な賃上げだけではなく、手取りが増えること、その実感が持てるようになることが、近々の重要事項かと思います👀

<余談>2025年退職代行による退職増加の影響はあったのか?

2025年度新卒で、退職代行サービスを利用した人が 1,072 名と、前年度 805 名から +267 名 の増加しました📝

依頼のピーク時期も「5月から4月へ前倒し」になっており、「入社直後の早期退職・退職代行利用」の傾向が強まっています。

注目すべきは、退職代行利用のピークが4月(入社直後)というデータがあります。

入社/配属後の早期のギャップや期待のズレが退職代行の利用に繋がったと考えていますので、恒常的にというより、特定ニーズへの利用が高いと考えています。

なお、今後も退職代行のニーズは増えていくと思います。大転職時代となり、就業先の流動化とセットで、伸びていくでしょう。

なお、先日、大手退職代行サービス会社が、家宅捜索を受けていましたので、営業体制の見直しによる業界全体が足元で一旦落ち着くかもしれませんね。

以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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