【HSP×国際恋愛】「察して」は海外では通用しない?地獄の大喧嘩で学んだこと
Closed mouths don’t get fed.(黙っていては何も得られない)
数年前の秋。わたしは彼の家族に会うために、ヨーロッパのとある国に滞在していた。入籍を控えていたわたしたちは、異国の地でこれまでにもこの先にも二度とないであろう大喧嘩を繰り広げるのだったーー(白目)
「外で朝ごはんを食べてくる」の、常識的な帰宅時間とは?
時計の針は、既に午後1時を回っていた。彼が、親戚の姪と「外で朝ごはんを食べてくる」と言って滞在先のホテルを出ていってから、既に3時間が経とうとしていた。
わたしはと言えば、ホテルの部屋で彼のことをじっと待っていた。あの姪のことだから、何としてでも彼のことを束縛したがるだろうーーそう思っていたので、最初から早く帰ってくるとは想定していなかった。それにしても、遅い。
彼の親戚である20代の姪は、とにかくわたしの彼氏のことが大好きだ。彼自身も、姪のことを長らく可愛がってきたという。初めて会ったのはその更に数年前。第一印象はとても可愛らしい女の子だな〜と思っていたが、しばらくしてから「ひかり(=わたし)抜きで、二人で過ごしたい」と彼氏に言い放つのを聞いて、わたしも彼もドン引きした。それ以来、わたしはこの姪のことが苦手だ。
今日も結局、同じようなことが発端だった。姪から「一緒に朝ごはんを食べたい」と彼宛に連絡があり、「ひかりもどう?」と彼に誘われたが、イライラしたので断った。
「二人でゆっくりしてきたらいいよ」
自然と出た言葉だったが、本心では「姪との約束を優先するのか…」と複雑な気持ちだった。それでも頻繁に会えるわけではない親戚との時間は貴重だろうと思い、笑顔で彼を送り出した。
それが、待てど暮らせど彼が帰ってこない。もうすぐ3時間だ。最初に、姪に対する怒りが沸いてきた。わざわざヨーロッパまで来て、どうしてわたしがこんな無駄な時間を過ごさないといけないのか?なぜわたしと彼の時間を盗むの?と。
しばらくすると、その怒りは徐々に彼に矛先が変わっていった。わたしが待っているの知ってるよね?長くはかからないって言ったよね?朝ごはんに3時間って、どういうこと!?
ブチギレるって、こういうことか…
彼にメッセージをしても既読にならないのと、だんだんお腹が空いてきたので、諦めて外に出ることにしたわたし。部屋を出てラウンジを通り抜けようとしたその時だった。
わたしの視界の先に、コーヒーを飲みながら談笑する彼と姪の姿が飛び込んできたのだった。
文字通り、カーーーーッと頭に血がのぼるのがわかった。もっぱら平和主義で衝突を嫌うHSPのわたしが、こんな気持ちになったのは本当に久しぶりだった。急いで部屋に戻り、号泣しながら彼宛のメッセージに罵詈雑言(笑)を書いて送信した。
そうだ、思い出した。わたしがこの姪を嫌いな理由。彼女に関わると、自分が余裕のない、許容力のない、とことん嫌な女に思えてくるからなんだった。
最初で最後の?大喧嘩
メッセージを見て、彼が慌てて帰宅してきた。心配そうな顔をしている彼に、朝ごはんを食べるのになぜ3時間もかかるのか、わたしを待たせておいて心配じゃなかったのか、わたしは姪の顔すら見たくなかったのになんでラウンジにいるんだーーさっきメッセージで送った内容をそのまま口にしてぶつけた。
彼は優しいので、謝ってくれると思っていた。待たせて悪かった、もう二度としないから許してーーそういう言葉を期待していた。そしたらなんと、彼もブチギレたのでした!!
彼の怒鳴るような声と高速英語で半分くらいしか言っていることは聞き取れなかったが、彼の主張はこうだった。
「待っててなんて一言も頼んでない。好きなように過ごしたらいいよと伝えたはず」
「自分だって早く帰りたかったが、姪がラウンジを見てみたいと言って帰してくれなかった」
「それなのになぜ自分はこんな風に言われないといけないのか理解できない」
彼がわたしに対して声を荒げたのは、後にも先にもこの日が最後だった。だから彼が本当に怒っていることがよく伝わってきた。
流れるような英語を聞きながら、わたしは「どこで間違えたんだろう」と冷静に考えていた。入籍の報告をしに家族に会いにきたのに、ここで終わりになるかもしれない。しかも大嫌いな姪のせいで…
ハイコンテクスト vs ローコンテクスト
どこで間違えたのか?という問いに答えるなら、「最初から間違っていた」のである。彼から姪との朝ごはんに誘われたとき、こう言うべきだったのだ。
「姪とはご飯を一緒に食べたくないし、あなたにも行ってほしくない。」
以前にも書いたアサーティブ・コミュニケーションの例に習っていうなら、自分の気持ちはきちんと伝えたうえで、それでも彼が行くのなら、彼の選択を尊重すること。そうしていれば、わたしのイライラやモヤモヤを彼にぶつけることはなかったかもしれない。
自分の本心を隠して「二人でゆっくりしてきたらいいよ」と言ったとき、きっと日本人が相手なら、その場の空気やわたしの声のトーンで、「本当は行かないでほしい」と伝わっていたのだろう。
でも、国際恋愛ではそれは通用しない。文化も言語も違う彼にとっては、わたしの言い方がどうだろうと「行っておいで」=「行っていい」でしかない。これがまさに、国際恋愛でおこりがちな「ハイコンテクスト/ローコンテクスト」の違いで起こる摩擦である。
日本はハイコンテクスト文化の代表格。単一民族ならではの「言葉を介さないコミュニケーション」が得意で、それが便利だなと思うこともあるし、日本らしさだとも言えるのかもしれない。だけど、わたしが好きになったのは外国人なのだ。不機嫌になったところで、その理由を言葉にしなければ、彼に伝わることは一生ないだろう。
「察してちゃん」との決別
不機嫌なオーラで彼を困らせ、自分自身もイライラを募らせる。自分の機嫌で相手をコントロールしようとする「察してちゃん」モードこそが、自分を一番苦しめていることに気づいた瞬間だった。
恋愛においての「察してちゃん」モードが、時には可愛く見えることもあるだろう。わたしも過去の自分を振り返ると、そうやって相手に甘えてきたと思う。それが国際恋愛だとどうか?悲しいかな、これがただの“コミュニケーションの放棄”になってしまうことが大半なのだ。
「もう入籍は取消になるかもしれないな」と悲壮感を抱えながら、それでも自分がやってしまったことはもとに戻せないので、ひとまず彼に謝罪をした。勢いに任せて罵詈雑言を言ったこと、彼の親族を悪く言いたくはないがどうしても姪を好きになれないこと、本当は行ってほしくなかったのにそれを正直に言えなかったこと…。
ようやく落ち着いてきた彼も「大声を出して悪かった」と謝ってくれた。「姪が関わるとこうなるから、もうできるだけ会わないようにする」と言われ、正直「そうしてくれ」と思った。
どんなに大好きな彼の家族でも、意地悪な人はいるし、合わない人は合わない。全人類に好かれたいと思ってしまうわたしにとって、そのことを認めるのは大変だった。でも認めたら、肩の荷がスッと下りた気がした。
ちなみにわたしはこの一件があってから、自分が「察してちゃん」モードになりかけると「あかんでー!」と大声で怒ってくれる大阪のおばちゃんを頭に住まわせている。これが意外と効果的なのである。
「不機嫌」という武器を捨てて
その後、無事に入籍報告の旅を終えたわたしたちは、無事に大喧嘩を乗り越え、今も仲良く暮らしている。あの大喧嘩を二度と繰り返さないために、今のわたしが心がけていることを紹介する。
感情を“ぶつける”のではなく、“説明”する。英語で説明するのはかなりハードルが高いが、説明することでしか理解してもらえないと分かってから、修行だと思って取り組んでいる。単語だけでもいいから、喜怒哀楽を分かってもらえるように、がんばって説明する。
「沈黙」で表現していた不機嫌を、言葉で「今わたし不機嫌ですけど!」と伝えるようにした。黙っているよりはマシだろう。
「こうなると不機嫌になります」というのをあらかじめ伝えておく。いわゆる「トリセツ」みたいなことかもいれない。わたしの場合は「生理中/空腹/寒い場所」。これが3つ揃った日には…!
逆に彼が「察しよう」と努力するのを止めるように頼んだ。最近彼が日本人化してきているので、「お互いちゃんと言葉で伝えよう」と約束し合った。
努力 未来 A BEAUTIFUL STAR
見出しでハロプロを思い出した人は全員友達。さて、別で運営しているブログに何度も書いてきたが、国際恋愛はたえまない努力の連続である。国際恋愛で一番大切なことはなんですか?と聞かれたら、「努力することをあきらめないこと」と答えるだろう(日本人同士の恋愛でもそうかもしれないけど)。
彼ともよく話しているが、わたしたちは「運命的な出会い」というよりも「居心地のよさ」でカップルになったふたりだ。運命とかじゃないから、お互いが努力を怠ったら終わりなのである。
でも、努力しているからこそ、彼と一緒にいられる時間が貴重だと感じられるし、彼に愛されているわたしは世界一の幸せ者だと思えるわけです。そういう人に出会えたのなら、努力!前進!GO!GO!GO!GO!
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