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【あの電話】

これは、
今でもたまに思い出しちゃうお話です。




その日は会社のイベント当日。


準備が前日に終わらなかったため、わたしと上司は朝5時に会社へ集合することになった。


冬の朝5時。

外はまだ真っ暗。


普段は明るい時間しか来ない会社も、この時間はまるで別の場所みたいだった。


上司が鍵を開け、朝一番に届いていた新聞を取り、二人で館内へ入る。


わたしたちの部署は入り口から少し離れているため、いくつかの部署の前を通っていかなければならない。


「暗いから怖いです…」


わたしがそう言うと、上司は笑いながら、


「こんな時間に来るの初めてだろ?廊下の電気つけちゃっていいよ」


と言った。


わたしたちは歩きながら、一つずつ電気をつけていく。


そのときだった。



プルルルル……



「うわぁ!!びっくりした!!なに!!」


思わず飛び上がる。



「電話だよ(笑)」


「こんな朝早くにですか?!」


「たまにいるんだよ。FAXとかも時間関係なく送ってくる人いるし」




すると、また。



プルルルル……




「事務所か。見てくる」


上司が事務所のドアを開ける。


でも、すぐに首をかしげた。


「……あれ?ここじゃないな」


「え?どういうことです?」


電話はまだ鳴っている。



プルルル……プル……




「……………?」




そして、音は止まった。



「隣の応接室の電話だな。今日イベント準備でで早く出勤するって伝えてあるから、○○さんあたりが電話してきたんじゃないか?事務所の電話だと留守電になっちゃうし」



「あ、なるほど。そうだったんですね!」



暗闇に鳴り響く電話の音は、正直かなり怖かった。


でも理由がわかって、少し安心した。



そのままわたしたちは、自分たちの部署へ向かった。





数時間後。



ほかのスタッフも出勤し、イベントの準備も無事に完了。


ようやく一息ついていると、上司が近づいてきた。



「今日は朝早くから助かったよ。ありがとう」


「いえいえ!間に合ってよかったです」



すると上司が、少し真面目な顔で言った。



「……そういえば、朝の電話あったじゃん?」


「はい?」


「あれ、○○さんじゃなかったんだよ」


「え?違ったんですか?」


「あれ、応接室の電話がなってたから○○さんに確認したんだけどさ…」






そのあとに続く言葉に背筋が凍った。








「あの電話……外線つながってないんだってよ…」









「…………え?」








「あの時間、会社にいたの、俺と君だけだったよな…?」










………じゃあ、あの内線は。

誰がかけたんだろう…。






ちょっと、ゾッと。

END










どうも、UNIちゃんです。
今回のちょっと、ゾっと。話も、
実話ベースになっています。
っていうか、実話です。

もう数年前の出来事なんですが…
今でもたまに思い出してしまうエピソードを書かせていただきました。
夏、なのでね…フフ。←



また次のちょっと、ゾっと。話、
思い出したら書かせていただきます🫣

では…。



⇩【ちょっと、ゾっと。】シリーズ


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