【思い出】大阪・関西万博が閉会したので、ヨルダンの崖を登る
2025年10月13日、大阪・関西万博は大好評のうちに閉幕した。
自分もバーチャル会場でリアル万博の閉会式を見つつ、その後に行われたバーチャル万博の閉会式にもしっかり参加して、紅葉が舞うエモい空間の中で別れを惜しんだ。


そしてどうにか2日かけて、サービス終了前に全てのパビリオンを回り切ることにも成功しましたよ……!
(正直間に合わないかと思った)


……まあ全部のパビリオンがコンテンツたっぷりというわけではなく、動画1個と画像2枚でお茶を濁すパターンの国も多かったからこそ、達成できた部分はある。
しかし日本勢はというとバッチリ作り込んだワールドばかりで、どれも非常に見応えがあった。
そしてリアル万博に行ってない自分ですら、2日間のバーチャル万博巡りを終えてみるとすっかり愛着が湧いたようで、閉会式では「終わらないで…」という感情が込み上げてきたのだから驚きだ。
(それがもう終了だなんて……!)
だが実は、バーチャル万博は閉会式の後もちょっとだけ遊べるのだ。
バーチャル万博のサービス終了時間は23時なのである。
よーし! それまで遊び切るぞ!!

そして自分は速攻でヨルダン館へ向かったのだった。
「いやどんなチョイスだよ」と思う人もいるだろう。
しかし全てのパビリオンを制覇した自分は思うのだ。
ヨルダン館は良いぞ!!




崖を削って作られた建造物が出現!!
そして目線を下げると……?

円形劇場のようなものが!?

これは古代ヨルダンのペトラ遺跡にある、Al Khazneh(エル・カズネ、またはエル・ハズネ)という名前の建造物だ。
紀元前100年〜紀元後200年の辺りに建造されたとみられているが、詳細は定かでないという、ヨルダンの世界遺産である。
直近だと2024年に新発見がされるなど、なかなかに熱い遺跡なのだ。
まあリアル映像を見ると円形劇場みたいな構造は存在しないのだが、そこはほら、VRならではの味付けみたいな……?
※(あとインディージョーンズの撮影場所でもある)

国の紹介情報をあれこれ並べるわけではなく、3Dスキャンしたエル・カズネを一つだけドカッと持ってきたヨルダン館だが、これが逆に斬新でよろしい。
そして万博終了前に再びここに来たのは、ちゃんとした理由があるのだ。
それは……
『崖登り』である!!
そう、ゲーマーならわかることだが『3Dオブジェクト』に『ジャンプ能力付きのキャラクター』が合わさると、色々できちゃう予感がするというものなのだ。
では見たほうが早いので実際に試してみよう。




……とまあこんな感じで、ヨルダン館なら無理やり崖を登っていくことが可能で、普通じゃ行けない場所からの景色が見られることに気付いたのである。
しかも見える景色が非常によろしい!!
だがこれに気付いたのはパビリオンコンプリート前だったので、崖登りに長々と時間を使っている場合ではなかった。
なのでコンプも閉会式も終わった今、あらためてヨルダン館に来たというわけですね!!

さて、今から目指すのはエル・カズネと、それを構成する崖の頂上である。
果たしてそこから見る景色はどんなものなのか、こりゃ楽しみですね……!

そんなこんなでとりあえず向かい側の頂上には登れたので、エル・カズネ側の崖に取り付けそうな場所を探していく。
まるで気分はロッククライマーのルート選定だな……!(一度たりともやったことはないが)
そんなとき、辺りを見渡していたら謎のオブジェクトを発見したのだった。


なにこの……なに……?
おそらく開発者でなければわからないオブジェクトなのだろうが、なんかこういうユーザーに見えない場所に残された開発の痕跡って良いなと思う自分がいる。
最近のゲームはAIデバッガーによってコリジョン抜けテストがしっかりされてしまうせいか、こういう楽しみは少なくなった気がするが、昔のゲームでは自分はよくこういうことをして楽しんでいた。
やはり人間は隠されたものを探し求めてしまうものなのだ……!
まあ今はそんなことよりも、崖登りに集中しないとである。
なにやら崖を観察してみたところ階段状の構造らしきものが見えた。

いかにジャンプができるとはいえ、反り返った崖を登るのは難しいものだ。
なのでこうやって普通に行けそうな傾斜の場所を発見するのが大事なのである。

そして自分は双方の崖の繋ぎ目から反対側の崖に取り付いたのち、わりと反り返っている崖を普通に登っていく。
(意外といけるもんだった)

……さて、これで先程遠くから見ていた階段状の構造の場所にはたどり着けた。
あとは落ちないことを祈りつつ、登れそうな場所を探していこう。




そしてもはや90度の崖に阻まれたりしつつ、懸命に登っていく。
きっとヨルダン館の担当者は思っていることだろう。
「いやこれそういうコンテンツじゃないです」と……!
でも自分の中ではこの崖登りのおかげで、ヨルダンのペトラ遺跡はいつか行ってみたい場所になったから!
(海外旅行、未だに一度も行ったことないけど!!)

そしてリアルだったら絶対無理な崖を登り続けて……
ついに……!!


頂上きたああああああ!!

うわああああぁぁ!!!
※(勢い余って落ちた)

……あれだけの時間をかけて登ったというのに、一瞬の油断で全て台無しである。
(いやしかし、これはこれで崖の裏が見えて興味深いか……?)

……うーむ、しかしこのフィールドってどうやって作ったんだろう?
エル・カズネ部分は機材で3Dスキャンしたものだとしても、円形劇場は現実には存在しないのだ。
つまり他から持ってきて、上手いこと整合性を保てる感じに合成しているということだろうか……?
もしかしたらヨルダン館は、自分が思っていた以上に手が込んでいるコンテンツなのかもしれない。

(ユーザーは入れないが)




というわけで、この後もう一回登り直して、無事に頂上からの景色を見ることに成功しました。



現実だったら足がすくんで速攻で滑落してそうなわけだが、今回はここから遺跡部分に降りていこうと思う。
もちろん現実だと普通にアウトな行為なのだが、これはバーチャルだから!3Dオブジェクトだから!!
(こんなことすら規制される未来が来ないことを祈る)


さて、これはバーチャルなので、空中にいる間に少しだけ移動が可能となっている。
なので落ちながら遺跡側へ上手いこと体を移動させれば、遺跡の屋根に乗れるはずなのだ。
これだけ遊んでも未だに慣れない『WASDキー』での移動だが、ここでは絶対に失敗できない……!!
いざ鎌倉!!



あぁ……もう思い残すことはないよ……!!
というわけで、無事にエル・カズネの屋根に立つことができた。
なお最上部にある彫刻は壺らしい。
一見すると壺のグラフィックが少し欠けているように見えるが、なんとこの壺は現実でも欠けているそうだ。
話によると、『この壺の中に宝が入っていると思ったベドウィンが、銃で撃ちまくったんだよ』とのこと。(ただの砂岩なのに…)

また、壁に掘られた神々的なものに関しても、バーチャルと同様にリアルの遺跡でも損傷が激しいそうだ。
とはいえ砂岩を削って作られた2000年ほど前の建造物なので、様々な影響を受けて損傷するのは仕方がないのかもしれない。
(こちらは銃撃されたかは不明)


それでは景色も堪能したので、そろそろ下に降りるとしようか。
バーチャルなのでどこから降りても怪我はしないのだ。
(現実だと滑って転ぶだけで骨が折れるのにね…)




(良いクライミングだったよ…!)
さて、無事クライミングを終えた自分は、23時のサービス終了時間を迎える場所をどこにしようかを決めあぐねていた。
バーチャル閉会式を行った場所は最高に良い雰囲気なのだが、5人しか入れなくなっていたのでちょっと寂しかったのだ。


うん、ちょっと他も見てこよう。
そうだ、リアルでもバーチャルでも気合が入っていたイタリア館にあらためて行ってみるのもいいかも。
4月の状態から、なにか変わったかもしれないしな……!
※(当時の様子はこちら)↓

イタリア館に入ってみると、サービス終了間近だというのに100人以上ものユーザーが訪れていた。
どうやらバーチャルでもイタリア館は大人気のようだ。
そしてなにやら、展示が変わっているような……?
例えば目の前にある心臓の展示だが、前と少し違うのだ。


そう、見比べると前回のほうがポリゴン数が多いのである。
この言い方だと「前回のほうが良かったじゃん」と思われてしまいそうだが、以前のままだとそのポリゴン数ゆえにワールドが重くなってしまうという事情があったのかもしれない。
というのも、今は明らかに以前よりも展示物が増えているのだ。




……なるほど、確かにこうなると心臓にポリゴン数を割いている場合ではないのかも?
そして実は、展示方法にも変化があったのだ。
前回来たときは壁の高い位置にあって見えにくかったアトランティコ手稿だが、見やすい場所に展示場所が移されている……!

……いやはや、イタリアは今回の大阪・関西万博で、トップレベルに株を上げた国だといえる。
というのも、各国が映像展示を主体にする中で、国宝級の美術品の数々を本国から直接持ってくるという本気ぶりを発揮し、会期中に内容を何度も変更して毎回楽しませてくれたのがイタリア館なのだ。
(ファルネーゼのアトラスなんて運んで来るの相当大変だろうに…)
そしてその本気ぶりが伝わったのか、リアル万博でのイタリア館がいかに大盛況だったかは皆さんご存知だと思う。
だがこんな感じで、実はリアルだけでなくバーチャル万博でもしっかりアップデートを行っていたのがイタリアだったのだ。
個人的に他を下げて褒めることはあまりしたくないのだが、あの天下のアメリカが『動画1本と画像2枚』で済ませていたりするのがバーチャル万博である。
そんな中で、バーチャルでも独自に展示を作り込んでくれた国というのは、やはり評価が上がって当然だろう。
あぁ、いつか本場イタリアのピッツァを食べに行きたい……!
……とはいえ、イタリア館の中で万博を終えるのもなんか違う気がする。
ちょっと外に出てみようか。






あぁ……。
なんだかミャクミャクの言葉にしんみりとしてしまった。
思えばたった2日のバーチャル駆け込み万博だったが、本当に数多くの思い出ができたなと思う。
そう、例えば……















……いやはや。
こうしてみると自分はバーチャル万博を存分に楽しんでいたようだ。
だがそんな万博も、あと数分で終わってしまう。
あぁ、自分が最後を迎えるのはどこがいいのだろうか……?

……自分の足は自然と日本館に向かっていた。
なるほど、やはり自分は日本人なんだな。

そして盛大にパビリオンを右折し、桜が満開のゾーンへ全力疾走する!
やっぱり桜は最高だぜ!!

そして桜色に染まったミャクミャクの前で記念撮影。
辺りには自分と同じくこの場所で最後を迎えようとしている人たちが大勢集まっている。
桜が舞い散る中で、最後の時を待つとしよう。
そして……
とうとう23時が訪れた。



そんなわけで、あとちょっとで普通に泣いてそうなレベルの感動に包まれつつ、バーチャル万博は終了したのだった。
終了を惜しむ気持ちがないとは言わないが、どうにか駆け込みで全てのパビリオンも回りきれたので後悔はない!
全ての収録動画を合わせると80GBにもなったが、これは貴重な万博の記録として残しておくぞ……!

しかし半年に渡ってバーチャル万博を運営してくれた方々には、もう本当に感謝しかない。
こんな状態の自分が大阪・関西万博を味わえたのも、バーチャル万博があったおかげなのだ。
なお自分が4月にバーチャル万博の記事を書いたあとも、バーチャル万博では日々多くの改善が行われていたようで、今回プレイしてみたらパビリオンへの直接ワープができるようになっていたりと、各所でかなり遊びやすく改善がなされていた。
(おそらくこうなるまでには、運営側には自分には想像もつかない苦労が多々あったことだろう…!)
10月13日でバーチャル万博は終了したわけだが、今後の大規模イベントでもしバーチャル版が作られることがあった際には、今回の経験が存分に活かされるんじゃないかと思う。
こんなふうに数多くの技術者やサポーターたちが、大規模イベントにおけるノウハウや技術を学べたという点でも、万博を開催した意義はあったんじゃないだろうか。
これほどの人数が集まる世界的なイベントでの経験なんて、そうそう積めるものではない。
そしてただ楽しませてもらった側も、本当に多種多様な知識と体験が得られた。
人間というのは何がとっかかりになるかわからないし、そのとっかかりがいつ役に立つのかもわからない。
だが万博で得たあれこれは必ず今後の人生で役に立つと思うのだ。
(今回の自分のヨルダン崖登りだって、今後活かされる可能性は微粒子レベルで存在するはず……!)
入院と自宅療養ばかりだった2025年に、素晴らしい思い出ができた。
開催前からの多くの批判にも負けず、凄まじい数の人々に成長の機会と未来の可能性をくれた万博に感謝を!!

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