【脚本】『QOL』②|「人が死んで感動する物語なんか、もうたくさんだ」
※脚本①は無料で公開しています。
②以降は各話100円でお楽しみいただけます。
以降、隔日で更新していきます。
▼脚本①はコチラ
これまでのあらすじ
乳がんと診断された恋愛小説家・秋葉泰子は、入院生活を送りながら、自らの闘病を題材にした小説を書き始めた。
小説の主人公は、進行性の乳がんを患う26歳の女性・アキハ。
病院で出会った人々をモデルに、泰子はアキハの物語を紡いでいく。
登場人物
秋葉 泰子(30)
主人公。恋愛小説家。ある日「乳がん」と診断される。
佐月 りん(21)
泰子と同じ病棟の患者。悪性リンパ腫を患っている。泰子に懐く。
尾野 和雄(55)
泰子と同じ病棟の患者。転移した肝臓がんを患っている。
小説の中の登場人物「尾原」のモデル。
空知 充(33)
御門病院の外科医。オタク。フィギュア製作が趣味。
小説の中の登場人物「大空」のモデル。
高峯 誠司(34)
御門病院の外科医。父親が某大学医学部の教授。
小説の中の登場人物「高山」のモデル。
澄川 美礼(29)
内科医。尾野の娘。
小説の中の登場人物「清川」のモデル。
谷田部(49)
ベテラン看護師。肝っ玉母さんのような存在。
七海(26)
新人看護師。何事にも一生懸命だが、不器用。
栗木 圭介(30)
泰子の幼馴染。泰子に密かな恋心を持っている。
秋葉 セツ子(57)
泰子の母。かなりの自由人だが、泰子を女手一つで育て上げた。
八雲 定(28)
週刊ウィークエンドの編集者。泰子の担当。何事にも軽い。
翠(26)
小説の中の登場人物。アキハの友人。
豊(26)
小説の中の登場人物。アキハの友人。
アキハ(26)
小説の主人公。進行性の乳がんを患い入院をしている。
【脚本②】
※この作品は2013年当時の医療や状況をもとに描かれています。現在とは異なる表現・描写がありますので、あらかじめご了承ください。
#2 小説の中・アキハの病室
カーテンが開く。
ベッドで体を起こしている小説の主人公・アキハ(26)。
アキハ 「・・・」
病室に現れる友人・豊(26)と翠(26)。
豊・翠 「アキハー」
アキハ 「あ、豊、翠」
翠 「お見舞いに来たよー」
アキハ 「ありがとう」
豊 「元気そうじゃん」
アキハ 「うん」
豊 「よかった」
翠 「ほらアキハ、果物の差し入れちゃん」
アキハ 「えーありがとう翠、・・・こんなに食べられるかな」
翠 「大丈夫大丈夫、私たちも手伝うから」
豊 「お前それが目的だろ」
翠 「あれ、バレた?」
アキハ 「ははは」
豊 「はい、俺からはお花のプレゼント」
アキハ 「えーキレイ」
豊 「ほら、なんか病室の中が物寂しい言ってただろ?」
アキハ 「あ、覚えててくれたの?」
翠 「豊さ、花とか知らないからすっごい相談されてさぁ、お見舞いで貰って嬉しい花って何かな?って」
豊 「お前、そういう事言うなよ」
翠 「ああ、ごめんごめん、でも豊がちゃんと選んだ花だからね、愛はこもってるよ」
豊 「おい」
翠 「ひひひ」
アキハ 「嬉しい」
翠 「よーし、じゃあ私はこの花を活けてこようかなー」
豊 「え?」
翠 「アキハ、水汲める所ってある?」
アキハ 「あ、ここ出て、左に行くと給湯室があるよ」
翠 「おっけー」
アキハ 「ごめんね、やらせちゃって」
翠 「いいってことよ」
豊 「あ、俺がやるよ」
翠 「豊ちょっと」
豊 「え?」
翠、豊をひっぱりアキハから少し離れる。
豊 「・・・」
翠 「ほら、二人っきりにしてやるから、ビシッと告っちまいな」
豊 「ええ、今来たばっかじゃん」
翠 「こういうのはサクッと済ませた方がいいんだよ」
豊 「いや、まだ心の準備が・・・」
アキハ 「?」
翠 「そんな女々しいこというなよ」
豊 「ええ」
翠 「あ、じゃあ私行ってくるね、なんか豊がアキハに言いたいことあるって」
アキハ 「え?」
豊 「ちょっと!」
翠 「どうぞごゆっくり」
翠、病室を出ていく。
豊 「・・・」
アキハ 「翠、どうしたの?」
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