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【つれづれに綴った文章】「懐かしい」がわかる年齢
20代にはいった頃、片岡義男の小説を好んで読んでいた。
美人でクールな女性像に、心惹かれたから。
スタイルもいいし、美人だし、モテる。
シティホテルで、男の部屋をかけもちしちゃうほど、さっぱりとした関係を築いている。
説明は少なく、セリフも一撃。
当時出版されていた角川文庫を、片っ端から読んだ。
女性像と、題名の組阿波の妙に、若かったわたしはぐんぐん憧れが募り、自分でもそんな小説を書いてみたかった。
実際は、そんな力もなかったので、ひとりよがりのわかりにくい文章を書いていただけだったのでした。
数日前に、半年ぶりに地元のブックオフに寄った。
買う気はまったくなく、平積みの本をチェックしてやろうくらいで。
本棚を眺めていると、赤い背表紙に白い文字。
昭和54年56年の、片岡義男の小説が、4冊も並んでいる。
1冊ずつ、順番に手に取る。
表紙の写真は覚えていないけれど、本をめくって目次から本文に入ると、間違いなく20代のわたしに戻った。
読んだ、この文章。
この感じ。
この人、これから確か。
小説の展開も、覚えていた。
そして、片岡義男の小説といえば、ラスト。
セリフひとつで、物語のすべてが決まる。
うわあ。
こういう感覚を「懐かしい」というんだね。
4冊のうち、1冊を買った。
『スローなブギにしてくれ』。
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