も~っと!サンフェーデッドっぽい楽曲集【のドル🏫アドカレ2025 4日目】
※当記事は「のドル🏫アドカレ2025」4日目の記事となります。
サンフェーデッドMV、300万再生おめでとうございます!!🎉🎉
サンフェーデッドがリリースされてから四ヶ月半、未だにあらゆる媒体でサンフェーデッドへの言及を捜索し続けるという異常挙動を示しているのですが、その中で「サンフェーデッドっぽい曲」としてあまり言及されていなかった楽曲を、私の好みの中から掲示させていただこうと思います。
音楽への見識が浅いため、速い・うるさい・耳に悪い、の三点のみを重視しています。ジャンルを絞っておらず、そもそもロックかわからない曲もあります。何卒よろしくお願いします。
山崎 - 短針銃
「めくるめくbeat」「奇形音楽投稿サイト」としても活動されている宅録アーティスト、山崎氏の11月14日リリースの楽曲。
ドライブ感あふれる音像のなか、遠方にのぞくピアノの音色がどうしようもなく感傷的な大名曲。もともと、サンフェーデッドは従来のシューゲイザーやノイズロックよりも、現代の宅録系のテイストが強いように感じていて、この楽曲は特に近いフィーリングをもっていると思います。
また、同氏の以前の投稿では、後述のHASAMI groupのカバーや、その影響が強く感じられる楽曲を制作されていて、本楽曲のコーラスとピアノにもその影を見出すことができます。衝動的なギターロックと青木節の効いたセンチメンタルなサウンドが高次元な融合を果たしており、個人的に今年ベスト。これから今年ベストがたくさん出てくるので覚悟してください。
2023年にリリースされたEP『spring 春』も良曲揃いのため、とてもおすすめ。特に1曲目『カーテンコール』の疾走感は唯一無二。
御花屋 - 少し、こわれてる/君が爆弾になる回(解除失敗)
ボカロPでもある御花屋氏の楽曲。それぞれの曲にボカロ/本人歌唱バージョンがあり、自分が好きな方を選びましたが、別バージョンもおすすめ。
『少し、こわれてる』と『君が爆弾になる回(解除失敗)』で世界観が続き物になっており、あまりにも甲乙つけがたいので、両方とも掲載させていただいております。特に後者のMVの良さはまったく現在の再生数に見合っていないため、上記のリンクを今すぐクリックしてください。
また、同氏の『魂やめないで』『遊体ごっこ』では(掲題の二曲にも要素が含まれていますが)ブレイクコア*¹ を、『仮病』『神さまになんてなりたくなかったの、私は』では旧ソ連圏風味のポストパンク*² を、『きみのなかにいる』では最近よく聞くフォンク*³ をと、曲ごとにジャンルの垣根を軽々と飛び越えてみせるところが、氏の卓越したセンスの表れであると思います。インターネットで音楽ばかり聴いている人(つまり、あなた)には是非おすすめです。
新アルバム『脱楽園構造』も最高。こちらは直球でゴリゴリのギターロックメインです。特に『回想』が好き。
行為者 - 死刑
2023年に彗星のごとく現れ、SNS上でサイケな言動とアカウントの削除を繰り返し、引退宣言をしたかと思えば新譜を引っ提げて帰ってきた行為者(にしね)氏。インターネットだけ見ていると全人類が聴いている気がするが、外に出て人と話すと誰も知らないことで有名。
昨今の音楽でもっとも立ち上がりが早く、もっとも音質が悪く、もっともありえないコーラスが入っていることが特徴。既発曲のほとんどが二分前後と短く、流し聞きしているとまるで一曲がずっと続いているような錯覚に陥ります。旧ツイッターの旧ツイートでGuided by Voicesの『Alien Lanes*¹ 』にたとえられているのを見て、確かにな~と思ったり。
『死刑』は11月21日リリースの最新アルバム『減退』の収録曲ですが、このアルバムが本当に良すぎる。どの曲を選ぶか悩みまくり、というか今でも悩んでいます。たぶん投稿寸前までリンクをコロコロ変えてると思う。そのレベルで喰らっています。
単純に再生しているだけでは「マジ」と「クソ」と「くだらない」以外の歌詞が聞き取れないことに定評がありますが、文面に目を通すと捨て鉢とメランコリーが同居した言葉選びがとてもいい。作風にジャストフィッツですね。ご本人のnoteに全曲の情報が掲載されていますが、いつ消えるかわからないのでご確認はお早目に。(※現に執筆当初Xアカウントのリンクを貼っていたのですが、いつのまにか鍵垢になっていた)
正解と不正解を行き交う僕は
止められないよ 神の裁きでも
被害妄想 劣等感 駆け抜けたいよ
僕が僕でなくなるまでは

Sadamori Kouki - 放送室でナンバーガールをかけてしまいました
いいと思うよ、と言ってやりたくなる。俺が姫崎莉波さんなら言ってやれるかもしれない。そっか、プロデューサーくん昔から音楽好きだったもんね!私はその、向井秀徳?さんのことはよくわからないけど……でもでも、プロデューサーくんの自分の趣味にまっすぐなところ、私かっこいいと思うな……!
現在、Sadamori Kouki氏の音楽以上に青年期を可聴化したメディアは存在しないでしょう。本来あまねく学生時代とは、怨嗟、悪臭、オブセッション、その他あらゆる混濁の中にあったはずで、なにひとつ制御の効かない過日の錯乱を、いたずらに美化せず、そのままに想起させるような音楽だと思います。
自分の歌は自分で歌え!
ノートに溶けたインクが僕の気持ちを救ってやれたらなんて考えたけど
今の世の中、つらすぎませんか?
こんなに悪意が溢れているのかと思うと、息が詰まるんです
だから僕はどうしようもないダメになってしまった だって
微笑みかけたあなたに僕は微笑み返すこともできない
微笑みかけたあなたに僕は微笑み返すこともできない
今年リリースされたアルバム『MANIC PIXIE DREAMER』のオープニングトラックでもあり、同盤に収録の『ぼくのあいどる』が楽曲・MVともにとても良いので必見。同じく収録曲の『腕』、表題曲『Manic pixie dreamer』もおすすめです。

HASAMI group - 冬の朝に制服で君は
夏の音割れがサンフェーデッドであれば、冬の音割れは『冬の朝に制服で君は』だと思っています。美しくて音が割れている音楽は、私の中でサンフェーデッドと了解されます。
活動歴19年、メンバーが全員味覚障害でお馴染みの元犯罪者バンド。日本のインターネットでアンダーグラウンド音楽を漁ろうとすれば、まずぶち当たる金鉱がHASAMI groupです。恥ずかしながら、私が日本のネット音楽シーンに触れ始めたのがここ最近のことなので、空気感をリアルタイムに感じ取ってきた方ではないのですが、その強い影響力は様々な人々の言及から伺ってきた次第です。
なにしろ、サンフェーデッドの作曲者である長谷川白紙氏(はくしし)(言いづらい)もリスナーなので、サンフェーデッドにも幾分か影響が及んでいる……かもしれません。
余韻が…
— 長谷川白紙 Hakushi Hasegawa (@hsgwhks) August 8, 2019
HASAMI group - 夢の泡立ち https://t.co/bwMqTrXxdm
最新アルバム『Message from 2025』も名曲揃いのため、非常におすすめ。日本アーティスト随一のワードセンスにも衰えが見られません。”音楽はピリオドではなく致命傷”。マジデ今年ベスト。ホクホクです。
……はい、ごめんなさい、そうですよね、夏の音割れは『summer』ですよね、痛い、やめて、固いものを投げないで……。
未来電波基地 - 様
HASAMI group等と並び立つ日本アングラ音楽界の巨匠……だと思っていたのですが、今年に『さよならクロステック』が海外で大ウケしたのち、後継作『unslept』が信じられないバズり方をしている*¹ 、もはやメインストリームのアーティストと言っても過言ではない存在、それが未来電波基地。
上述の二曲はインストとなりますが、氏の本領はこの『様』の通り、ART-SCHOOL*² 譲りの高湿度なオルタナティブ・ロックにあります。ボイスチェンジャーがかかったボーカルの理由は、曰く「地声で歌うのが恥ずかしいから」とのことですが、これが言い知れぬ切実さを生み出していると私は思う。君はどうか。
余談ですが、当記事が応募しているアドベントカレンダーの発生元となった某Discordサーバーで、サンフェーデッドの影響元はなんだ、という話をしていたとき、真っ先に候補として挙がっていたのが未来電波基地でした。これは本当にアイドルマスターの話題ですか、とんでもない時代になったぞ、と思った記憶があります。バンダイナムコはこれ以上自室で暗い音楽ばかり聴いているボウフラオタクを付け上がらせないでくださいという気持ちもある。俺も早く池から出て飛びたい。
この方も活動歴が長く、既発曲の数がとても多いです。『墨田区 SUMMER NIGHT』『エチカーム』『Kids Return(feat. Liberal & Cripple)』など名曲多数。元々ボカロPであった経歴もあり、8月に本人名義(鬱木ゆうと)で投稿された『微笑みのenvy feat. 知声』も非常におすすめです。
Clams - P-Nut Butter irony
この世のシューゲイザーを二種類に分けるとしたら、それは「浮遊」と「速度」に分かれます。サンフェーデッドも、『P-Nut Butter irony』も、まさしく「速度」の音楽と言えるでしょう。
……サンフェーデッドがシューゲイザーか否か問題は隅に置いておいて、Clamsのサウンドには疑いようのない元祖シューゲイザーの風味が強く含まれています。活動期間は2001年結成から2003年解散と非常に短く、私といえば幼児食を食べたり、ムシキングでギラファノコギリクワガタが出ず泣いていたりした時期なので、本来の活動は知る由もありませんでした。
まだあまり音楽に入れ込んでなかったころ、Youtubeのランダムなレコメンドでこの曲に衝突した時の「シューゲイザーって前を向いてていいんだ」という衝撃を未だに覚えています。オルタナティブなスタンドポイントをとるものは、往々にして鬱屈と拘泥に傾倒するように思われますが、それは私の先入観でしかなく、すべてのノイズミュージックは、面を上げ、速度と共にあることがはじめから許されていたのです。
Weatherday - Angel
葛城リーリヤさんの出身地でもあるスウェーデンのアーティスト、Sputnik氏によるソロプロジェクト”Weatherday”の楽曲。北欧の冬の街並みって素敵すぎると思う。どうしたら私もそこに入れてもらえますかという気持ちになる。俺が紫雲清夏さんになればいいですか?
洋楽事情にはあまり明るくないのですが……2020年代におけるベッドルーム系ムーブメントの草分け的存在であり、julie*¹ 、Panchiko*² 、Parannoul*³ 等に並んで海外インディーシーンで大きな存在感を示してきた人物であると認識しています。本年リリースの『Hornet Disaster』では、これまでのエモ(原義)サウンドにマスロック*⁴ 要素が加わり、ナイーヴな作風に相まって最高の冷感を醸し出していますね。
氏のSpotifyプレイリストを参照すると、Broder Danielという母国スウェーデンの重鎮から、Sunny Day Real Estate*⁵ やOrigami Angel*⁶ といったUSエモバンドの面々に加え、ナンバーガール、the pillows、神聖かまってちゃんなどの日本アーティストも多数選出されており、肌なじみの良さはそのルーツが影響しているのかなと思います。なんにせよ今年ベスト。ベストだよPっち!
corn wave - yoda on ketamine
ウクライナのバンド、corn waveの2022年リリース『philosophy of structures』より。ローファイ色が強く、サウンドもやさし気味というか、”サンフェーデッドっぽい曲”にしてはジャリジャリ感がマイルドな気もするのですが、好きなので入れます。わたくしね、この記事を私物化しておりますの。
御多分に漏れず、2019年前後に発生したRussian Doomer Music潮流の中で知り、Molchat DomaやChernikovskaya Hataなどのバンドと合わせて聴いていたのですが、corn waveはそのムーブメントの中でも少し異質な存在であったように思います。
上述の二者がRYM*¹ のオタクにポストパンクなどの定義付けを受けるなか、corn waveはSlacker Rock*² やMidwest Emo*³ 、つまり前述のWeatherdayや、かの有名なAmerican Football*⁴ と同じ位置に属する音楽であるとされており、閉塞感を前提として共有するシーンの中でも、どこか飄々とした、チルな雰囲気を醸しているのが彼らでした。
ちなみに、曲名は海外で流行した「スターウォーズのヨーダがケタミン(違法ドラッグ)を服用し、2001年製のホンダ シビックで人々を轢き殺しまわる」というミームに起因するものですが、あなたがそれを知る必要はない。
Neutral Milk Hotel - Holland, 1945
もはやジャンルがサイケデリック・フォークになり、持っているギターもアコースティックになってしまったのですが……痛い、やめて、尖ったものを投げないで……それでも、私はそのビリビリなノイズ、アグレッシブなドラムパターン、尻上がりな音の過密性にサンフェーデッドの姿を見出さずにはいられなかったのです。
Neutral Milk Hotel、もとい本楽曲の収録アルバム『In the Aeroplane Over the Sea』は、90年代末期のマスターピースとして名を轟かせる、USインディー界ではもはやレジェンドとされる存在。Pitchfork*¹ から4chanの/mu/*² まで、海外の音楽オタクに彼らを知らない者はおらず、というか有名すぎてちょっとネタにすらされているのが現状です。

アルバムを通して、楽曲の歌詞は『アンネの日記』の著者、アンネ・フランクに恋をした男の目線から描かれる内容となり、本曲の歌詞もナチス・ドイツによるホロコーストをダイレクトに想起させるものとなっています。フォークを基盤として管楽器のアレンジが大胆に含まれることが同盤の特徴でもありますが、この楽曲については特に、アップリフトなテンポも相まって、葬列を思わせるような独特のニュアンスをもってあらわれています。
私が洋楽、もとい音質が悪い音楽に入れ込むきっかけにもなった曲なので、一度は聴いていただきたい(刀を抜く)*³。「愛しています、ジーザス・クライスト」という力強い宣誓から始まり、勢いを増してノイズサウンドの濁流へと突入する『King of Carrot Flowers Pts. 2 & 3』も是非。
おわりに
ハア……ハア……いかがでしたか?(満身創痍)
途中途中、学マス要素が薄すぎることにビビって「初星学園のアイドルがディズニーリゾートに行った時に乗るアトラクション」に変えるか何度も悩んだのですが、もう書き切ってしまえたためこれで行きます。どうか”サンフェーデッド託し”ということで許してください。あと、花海咲季さんと花海佑芽さんは幼少期に『バズ・ライトイヤーのアストロブラスター』に二人で延々と乗り続けていたことがあると思います。
冒頭の通り、私は速くてうるさければだいたいなんでもサンフェーデッドだと思っているので、皆さんのサンフェーデッドも教えてくださいね。
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