【議員活動記録 No.11】議員活動報告書 第3号 発行しました
三戸町議会議員の五十嵐淳です。
2025年後期の活動をまとめた「議員活動報告書(第3号)」を発行しました。
今回のテーマの一つが、町内で深刻さを増している鳥獣被害です。
資料では、クマ・イノシシ・シカによる被害総額や、町内の現状を数字とともに整理し、併せて長野県小海町での対策事例も紹介しています。鳥獣被害を「地域の防衛力」として捉え、
日頃の心がけや地域ぐるみの取り組みが重要であることを伝える内容になっています。
報告書は議員個人の活動紹介というより、
「今、三戸町でどんな課題があり、議会は何を議論しているのか」を町民のみなさんにわかりやすく知っていただく。そんな構成にしています。
この記事では、その活動報告書の元になった原稿の全文を公開します。
議員活動報告書自体は、この議事内容を紙面に折り込むB3サイズ・1枚に編集してもらい、配布用として整えたものです。
紙面の都合上、どうしても圧縮された内容になってしまうため、noteでは文章のまま読んでもらえる形で発信することにしました。
もちろん、活動報告書も見てもらえたら嬉しいですが、
このnoteもぜひ読んでいただけたらありがたいです。
いつもお伝えしているように、議員の報酬は公費=皆さんの税金から支払われています。
だからこそ、「何をしているのか」「どんな想いで動いているのか」を、しっかり伝えていく責任があると考えています。
この記事を読んで、「あれ、自分の身近な議員はどうなんだろう?」と少しでも関心を持ってもらえたら嬉しいです。
そして、もしよければお近くの議員にも「情報発信してほしいな」と伝えてみてください。
そんなやりとりが、地域の政治をもっと“自分ごと”にしていく第一歩になるんじゃないかと思っています。
町の産業を支える農業と町民の安全を守るために
- 鳥獣被害対策を「地域の防衛力」として考える -
今年に入り、三戸町内ではクマ・イノシシ・シカなどの出没が相次ぎ、農作物だけでなく、町民の生活にも影響が出ています。
特に11月9日には町内でクマによる人身被害が発生し、全国ニュースでも報じられました。これまで「山の奥の話」だった鳥獣被害が、いまや「暮らしのすぐそば」で起きている現実を示しています。
農業の現場では、トウモロコシや果樹、稲の被害が続き、農家の営農意欲にも影を落としています。三戸町ではシカによる被害はまだ軽微ですが、全国的にみると被害額はクマ約7億円、イノシシ約36億円に対し、シカは約70億円(令和5年度・農林水産省)と突出しており、今後一気に拡大する可能性も否定できません。被害の拡大を防ぐには、早い段階からの備えが鍵になります。
従来の罠や電気柵による「点的防除」は一定の効果がある一方で、広域的な被害には対応しきれません。
農業被害にとどまらず、防犯・防災の観点からも、地域全体でどう守るかを考えることが求められています。
11月17日に建設農林常任委員会で長野県小海町を視察しました。小海町では町単独事業として、高さ約2mのワイヤーメッシュを用いた鹿柵整備を進めており、導入地区では「被害がほぼゼロになった」と話す農家もいました。
設置は農家自身が行い、町は資材を支援するのみ。被害の深刻さを共有した地域の危機感と主体性が、成果を支えていました。
視察を通して感じたのは、被害対策は技術だけでなく「地域の意識づくり」が鍵になるということです。三戸町では、まだ被害が限定的だからこそ、危機感が広がりにくい現状があります。しかし被害が顕在化してからでは遅く、予防段階から地域ぐるみの体制を整えることが今後の課題です。
農業の被害を防ぐことは、ふるさと納税の基盤を守ることであり、町民の安全と安心を守ることにも直結します。
「被害が出てから」ではなく、「被害を防ぐために」動ける町へ。
鳥獣被害対策を、地域の生活と命を守る“防衛力”として位置づけることが、これからの三戸町に求められています。
子育て世代に聞くリアルな本音
10月に子育て世代の座談会を開催し、日々の不安や負担、相談先の分かりづらさなど、リアルな声を伺いました。
制度や支援が「ある・ない」ではなく、“届き方が分かりにくい” という点が大きな課題だと、多くのママたちが感じていました。
また、気軽に話せる場が少ないことや、情報が自分たちの生活に合った形で届かないことも指摘され、
子育てを地域全体で支える仕組みづくりの必要性が見えてきました。
今回の座談会で得た声を、今後の議会活動に丁寧に活かしていきます。
詳しくは過去ブログ「子育て世代と語り合って見えた、“行政支援”のその先にあるもの」をご覧ください。
町外での活動と学びの記録
10月末には、町外での学びの機会として、青森県と地域活性化センターが共催した「地方創生フォーラム in 青森」に参加。地域づくりに関する講義や先進事例から多くの示唆を得ました。
徳島大学の田口太郎教授からは、
地域を支えるのは人口規模ではなく、「関係性の質」である という視点が示されました。
また、現代の地域コミュニティは大きく変化しており、
かつて主流だった町内会・自治会などの 地縁型コミュニティ から、
今は価値観や目的を共有する テーマ型コミュニティ が広がっていることも指摘されました。
こうした学びは、三戸町における課題整理や政策検討においても重要な視点となります。
地域のつながりのつくり方そのものを見つめ直す必要性を改めて感じた機会でした。
詳しくは過去ブログ「人口よりも、『つながりの形』を問い直す - 地方創生フォーラムからの学び[前編]-」をご覧ください。
町のお金の使い方を見直す「決算特別委員会」
三戸町の1年間のお金の使い道を点検する「決算特別委員会」が、9月に開催されました。
この委員会では、町の職員から各事業の支出内容や成果の説明を受け、議員が質疑を交わしながら、税金が適切に使われたかを確認します。数字を見るだけでなく、町の将来につながる改善点を探す大切な場です。
令和6年度の一般会計は、歳入71億4,037万円、歳出67億8,360万円で約2億9,950万円の余剰となりました。
歳入では、ふるさと納税が前年より約7,000万円増加した一方、固定資産税などの町税収入は減少しています。
歳出については、医療や福祉を中心とした衛生費が増加し、子育て支援などの民生費はやや減少しました。
財政運営は概ね安定していますが、歳入の約75%を国や県の補助金・交付税に依存している状況は続いており、町独自の収入源をどう確保していくかが課題です。
今回の審査で特に注目したのは、毎年ほぼ同じ金額で同じ団体へ支出されている補助金のあり方でした。
事業の目的や効果が十分に検証されないまま“前年踏襲”で続いているものがあり、目的に合った使われ方になっているのか、マンネリ化していないかを確認するため質疑を行いました。
具体的には、三戸町観光協会への観光推進事業費補助金(585万円)について、補助金の多くが人件費に充てられているため、観光需要の高い土日祝日に十分な対応ができていない点を指摘しました。
町からは「課題を認識し、観光協会と改善を進めたい」との回答があり、町長からも「SNS発信やおもてなし体制の強化が必要」との答弁がありました。観光振興という目的に対し、補助金がどの程度効果的に使われているのか、改めて検証が必要だと感じています。
また、三戸地方未来塾事業費補助金(100万円)についても、学校の授業との差や内容の継続性、成果の評価方法について確認しました。昨年度は28名が参加し、授業では扱えない実践的な内容を学ぶ場として、検定合格や大会入賞などの成果があるとの説明があり、AIなど新しいテーマも取り入れているとのことでした。教育事業においても、継続するだけでなく、時代に合わせた内容の更新や成果の見える化が求められています。
決算特別委員会は、支出を「終わったこと」として確認するだけの場ではなく、次の政策改善へつなげる出発点です。
これからも、毎年同じように続けられている補助金について、「今の三戸町に合っているのか」「より効果的な使い方ができるのか」という視点から丁寧に検証し、町民の皆さんに開かれた議会運営を目指していきます。
一般質問の意図と内容要約
一般質問とは
議員が町長をはじめとする執行機関に対し、町の施策や行政全般について質問や提案を行う場が「一般質問」です。三戸町では、定例会が開かれる3月・6月・9月・12月の年4回、この機会が設けられています。
以下では、昨年12月から今年9月にかけて私が取り上げた一般質問のテーマと、その意図、そして内容の要約をまとめています。
① 沼澤新町政が目指す三戸町の姿について(2024年12月議会)
新町長就任後の初議会で、これからの三戸町の方向性を問いかけました。
人口減少と少子化が進む中、「産み育てたいと思える町」にするための具体策、そして「かせぐ自治体」をどう実現していくのかを質問。
町は、第5次総合振興計画を踏まえ「町民一人ひとりが主役の町づくり」を進める考えを示し、教育分野では入学祝金の拡充や英語教育強化など、子育て・教育環境の充実を通じて移住定住を促す方針を答弁しました。
② ふるさと納税を支える農業と町民の安全を守る鳥獣被害対策について(2025年6月議会)
ふるさと納税の基盤となる果樹や稲作を守るため、増加する熊・鹿・イノシシによる被害対策を質問しました。
被害は農作物にとどまらず、住宅地や公園にも及び、子どもや高齢者の安全確保、防犯の観点からも早急な対応が必要です。
これまでの罠や電気柵による局地的な対策に加え、地域全体を囲う「面的防除」の導入を提案。国の交付金を活用したモデル地区の設置を求め、町は協力隊や住民との連携で検討を進めると答弁しました。
③ 農業の猛暑対策と持続可能な労働環境の整備について(2025年9月議会)
近年の猛暑による高温障害や生産性の低下が深刻化する中、果樹・野菜・稲作などへの影響と、農業従事者の健康を守る労働環境の整備について質問しました。
空調服や遮熱資材の導入支援、暑さ指数(WBGT)を活用した作業ガイドラインの整備など、現場の実情に即した支援策を提案。
町は資材導入支援を継続し、研修や周知の強化を図る方針を示しました。
※WBGT:気温だけでなく湿度や日差しも含めて熱中症の危険度を示す指標
現場での声と、町外との比較から見える課題をもとに。
住民の声に耳を傾け、他地域の先進事例から得た気づきを踏まえながら、
より安心で持続可能な三戸町を目指して、今後も議会の場で政策提言を続けていきます。
最後に
今年も、議員活動やまちづくりへの取り組みを温かく見守っていただき、本当にありがとうございました。
日々いただく声やご意見が、私の活動を支え、前に進む力になっています。
ご意見やご感想も、ぜひコメント欄やSNSでお寄せください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このブログは今年最後の更新となります。
どうか皆さまにとって、新しい年が健やかで穏やかな一年になりますように。
良いお年をお迎えください。
