昭和音楽大学大学院博士課程 論文発表を聞いて (2026.3.23 Op.81)
母校ではないのだが、
興味深いテーマだったので行ってみた。
論文題目は、
『被災地における文化・芸術の復興と創生』
ー中国四川汶川大地震後の伝統文化と現代芸術の実践
音楽芸術専攻、芸術運営領域を研究、
博士後期課程を今年度修了される、
中国の方による発表であった。
2008年四川汶川大地震後の、
被災地における文化・芸術復興を対象。
羌族(チャン族)集住地域(アバ州)を中心とし、
①伝統文化の継承(内発的再生)と②現代芸術・外部資源の導入(外発的刺激)が復興過程においてどのように作用してきたのか。
実証的に検討したものの発表であった。
文献分析・政策分析、フィールドワーク、アンケート調査を組み合わせた、
混合研究法によって構成。
結果的に、
文化芸術は単なる娯楽ではなく、
被災された人々の心を癒し,トラウマを軽減し、
更に人々の心を繋ぎ地域のアイデンティティを取り戻す為の作用有との事。
具体的な芸術復興活動を質問させて頂いたところ、
羌族のお祭を開催したり、
何らかの外部との融合を経た伝統舞踊の行事を行ったとの事。
(①伝統文化の継承(内発的再生)の要素が大きいという印象を回答からは感じ、②現代芸術・外部資源の導入(外発的刺激)はどのようにされていたのかも聞きたかったが、時間切れ…)
この復興活動自体は手応えがあったものの、
課題はある。
まちづくり専門家、木下斉さんのご著書にも書かれていたが、
地域創生とほぼ同じ課題。
1.活動組織
補助金等、行政に援助を頼った仕組みであり、
資金調達可能な自走出来る組織ではない。
2.地域住民
政府が何とかしてくれると、地域住民も他責思考。
まちの復興活動を自分事として捉え、自ら出来る活動を住民自体が能動的に行なっていない。
3.専門家の欠如
まちの再生は政府の役目だという思い込みがある。
まちづくり復興のプロへ復興依頼をするという考えがそもそもない。
大地震による復興活動として、芸術が大きな役割を果たせる話を聞けるとの事で今回赴いたが、
改めて日本でも他人事ではない事例だと感じた。
被災直後は芸術は立ち入れない。
生きるか死ぬかの段階で活動を始めれば、
こんな状況下で不謹慎だという事となる。
芸術の出番は仮生活が少々落ち着いた、
今までと異なった生活が続く事へのストレスを感じ始める段階。
自分の専門芸術領域と被災地域の伝統と掛け合わせた、関係人口のような活動が求められるのではないか。
日本に置き換えて、自身で掘り下げるべき課題だと改めて感じた。
関係人口の過去記事はこちら⇩



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