問題分析・もう一つの視点 - - - 「ライト、ついてますか」
はじめに
「問題が発生した!」と言われたとき、あなたはまず何をしますか? 原因を考えますか? それとも、すぐに解決策を出そうとしますか?
もし、いきなり「解決策」を探し始めるとしたら、それは危険な思考パターンかもしれません。なぜなら、そもそも「本当の問題」を特定できていない可能性があるからです。
『ライト、ついてますか』という本を知っていますか。そこには「問題とは何か」の本質について考えるヒントがあるかもしれません。
1.「問題」とは何か
書籍『ライト、ついてますか』(原題: Are Your Lights On?) では、「問題とは何か」について、単純な定義ではなく、状況や視点によって変化するものとして考えています。
本書の中で繰り返し強調されるのは、「問題とは、誰かが困っていること」 という視点です。
『ライト、ついてますか』が示す「問題」とは
(1)問題は「客観的な事実」ではなく、「人の認識」によって決まる
A.問題は、特定の状況が「理想と異なる」と感じることで生まれる。
B.ある人にとっては問題でも、別の人にとっては問題ではないことがある。
(2)問題は「誰の問題か」によって異なる
A.問題を解決するには、まず「誰が困っているのか」を明確にする必要がある。
B.ある問題が解決したとしても、別の人にとって新たな問題を生むことがある。
(3)問題の本質を誤解すると、解決策も的外れになる
A.表面的な症状だけを見るのではなく、「本当の問題は何か」を深く考える必要がある。
B.「問題が正しく定義されているかどうか」が、解決策の成否を分ける。
例: 「ライトがつかない問題」
本書のタイトルになっている「ライトがついてますか?」は、問題の本質を考える上での象徴的な問いかけです。
たとえば、「部屋が暗い」という状況があるとします。
•「電球が切れている」
→ 交換すればいいのか?
•「スイッチが壊れている」
→ 修理すればいいのか?
•「そもそもライトが必要なのか?」
→ もしかすると別の解決策があるかもしれない。
このように、問題をどう定義するかで、解決策がまったく変わってくることを示唆しています。

2.『ライト、ついてますか』で考える問題分析
『ライト、ついてますか』という本では、問題解決のプロセスについて、非常に示唆に富んだ視点を提供しています。本書のメッセージをベースにしながら、「問題分析」の流れを考えてみましょう。
(1)問題発見 ― それは本当に問題なのか?
問題解決の第一歩は、「本当に問題があるのか?」を確認すること です。
たとえば、会議室の電気がつかないという場面を考えてみましょう。
誰かが「電気がつかない! これは問題だ!」と叫びました。すぐに「電球を交換しよう!」と考えるのは危険です。なぜなら、本当に「ライトが消えていること」が問題なのか、まだわかっていないからです。
この状況で大切なのは、「誰が困っているのか?」「何が理想と違うのか?」という視点です。
•そもそも昼間で、外が明るいため電気は不要かもしれない。
•「電気がつかないこと」が問題ではなく、「会議が進められないこと」が本当の問題かもしれない。
•実はスイッチが入っていないだけで、問題ですらない可能性もある。
問題発見の段階では、「問題が存在する前提」で動かずに、一歩引いて本当に問題があるのかを考えることが重要です。
(2)原因分析 ― ライトが消えている理由を知る
問題を発見したら、次は「なぜそうなったのか?」を考えるフェーズです。
もし本当に「電気がつかない」ことが問題だとわかったら、その原因を探る必要があります。
•電球が切れているのか?
→ 交換すればよい。
•ブレーカーが落ちているのか?
→ 復旧が必要。
•電気代未払いで止められているのか?
→ 経理部門と連携すべきかもしれない。
原因が違えば、当然ながら解決策も変わります。だからこそ、適切な解決策を導くためには、表面的な問題に飛びつくのではなく、しっかりと根本原因を分析することが重要なのです。
(3)問題解決 ― 最適な方法を見つける
最後に、「どうすれば問題を解決できるのか?」を考えます。ここで気をつけたいのは、「最初に思いついた解決策がベストとは限らない」ということです。
•電球を交換するべきか?
→ しかし、そもそもこの部屋の使用頻度が低いなら、もっと根本的に照明のあり方を見直した方がよいかもしれない。
•懐中電灯を使うべきか?
→ それで当面しのげるなら、急いで修理する必要はないかもしれない。
•窓の位置を考え、自然光で会議ができるようにするべきか?
→ もしかすると、それが最も効果的な「解決策」かもしれない。
このように、一つの問題に対して「複数の解決策」があり得ます。大切なのは、短期的な対処療法にとどまらず、「より良い解決策」を模索することです。
3.書籍紹介
(1)ライト、ついてますか 問題発見の人間学 Kindle版
ドナルド・C・ゴース (著)、ジェラルド・M・ワインバーグ (著)、木村 泉 (翻訳)
共立出版 (2020/9/20)
本の副題にあるように、問題発見についての本である。学校では問題を解くことを教わる。だが問題は、解くより発見する方がずっとむずかしく、ずっと面白い。実人生で本当にものをいうのはそこなのだ。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
(2)世界一やさしい問題解決の授業
渡辺健介著
ダイヤモンド社(2007年06月)
大きな問題でも難しい問題でも、小さく分けて考えれば、必ずとっかかりが見えてきます。世界最高峰の経営コンサルティング会社で教えられている「問題解決」の考え方を、身近なストーリーと素敵なイラストで中高生にもわかるように解説。自分のアタマで考え、行動する力が自然と身につく本。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
(3)新版[図解]問題解決入門―――問題の見つけ方と手の打ち方 Kindle版
佐藤允一著
ダイヤモンド社(2003年11月)
問題とは何か、問題を見つける、問題を組み立てる、問題点を挙げる、解決策を考える、といった基本的な考え形をわかりやすく紹介する「問題解決の考え方の入門版」。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
(4)図解入門ビジネス最新ロジカル・シンキングがよくわかる本 Kindle版
今井 信行著
秀和システム(2023/04発売)
ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。「コミュニケーション」に重点を置き、「思考しながら体得する」をキーワードに解説しています。また、ロジカル・シンキングを実際に使いながら体得できるよう、わかりやすい言葉と図版で視覚的にイメージしやすいようにしています。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
(5)新版 問題解決プロフェッショナル Kindle版
斎藤嘉則著
ダイヤモンド社( 2010年04月)
「ゼロベース思考」「仮説思考」「MECE(ミッシー)」「ロジックツリー」など、 2つの思考、2つの技術、1つのプロセスを通じて、ビジネスの現場で問題解決を実践する方法を体系化。問題解決の基本的考え方はここにある。旧版のシンプルで明快な問題解決理論はそのままに、企業事例や演習課題を刷新。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
まとめ - - 問題は本当にそこにあるのか?
『ライト、ついてますか』が教えてくれるのは、「問題は客観的な事実ではなく、人の視点によって生まれるものだ」ということです。
そして、問題を正しく定義しなければ、適切な解決策は生まれません。
本書は、問題を適切に認識し、考え、解決へと導くための思考法を学ぶことができる一冊です。
問題解決を成功させるためには、
(1)本当に問題なのかを確認する(問題発見)
(2)なぜそれが起こったのかを考える(原因分析)
(3)最適な方法で解決を試みる(問題解決)
この3ステップを丁寧に踏むことが大切です。
「問題」と思われるものが目の前に現れたとき、すぐに解決策に飛びつくのではなく、一度立ち止まって考えてみましょう。
もしかすると、「ライトは、もうついている」のかもしれません。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!