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東京フィルヨーロッパ・ツアー2025 vol.15 11/11 デュッセルドルフ公演🇩🇪

11月10日、スイスの名勝ルガーノでのデビュー公演を終え、東京フィルは翌朝の移動に備えます。11月11日の早朝にバスで宿泊先を出発、ミラノ・マルペンサ空港をふたたび経由して最終公演地デュッセルドルフへ。

🇨🇭ルガーノ→🚌(約76km)→🇮🇹ミラノ・マルペンサ空港→🛫(約860km)→🇩🇪デュッセルドルフへお昼すぎに到着、宿泊先に荷物を置いて午後に公演会場であるトーンハレに到着、リハーサルを経て20時開演のコンサート。本ツアーのうちもっともタイトなスケジュール、「乗り打ち」です。

デュッセルドルフはドイツ中部のノルトライン=ヴェストファーレン州の州都。戦後、日系企業が数多く進出したことによりドイツ最大の日本人人口を抱え、「ドイツの日本」の異名をとるドイツ第6の規模をもつ大都市。
トーンハレは1926年に建築家ウィルヘルム・クライスの設計によりプラネタリウムとして開館(完成当時、世界最大のプラネタリウムだったそう)、1970年代にコンサートホールとしてリノベートされたホールです。プラネタリウムの面影を残すドーム状の天井や複雑なロビー構造など、見るべきものが多い場所。デュッセルドルフ交響楽団の拠点でもあり、バックステージには頑丈そうなオーケストラの楽器ケースがあちこちに並べられていました。

トーンハレのホール内部。ドーム型で深い青色のタイルが貼られた天井にちりばめられたようなライトが星空を思わせ、プラネタリウムの面影を残します

この日のプログラムは、ツアー初日と同じ「Aプログラム」。東京、ベルリン、ブダペストでご一緒したピアニスト小曽根真さんとも再び合流し、慌ただしくも充実したツアーの最終日に初心に立ち返るようなプログラミングとなりました。

ツアー最後の音出し
客席に散らばってそれぞれのコンディションと向き合う
マエストロチョン・ミョンフンとの、ツアー最後のリハーサルが開始
星空の↓にいるようなホールです
3人のコンサートマスターが揃うのもツアーならではの光景でした
小曽根真さんともふたたび合流。ブダペスト公演以来12日越しの再会で、さらに新しいアプローチが生まれていました
日が暮れてトーンハレに明かりが灯り、開場
レンガ造りで円型のロビー内に、ホール内へ向かう高い階段があちこちに配置されています。ホールが高い位置にあり、どの席に行くにも階段を上らなければなりません。
東京フィルのパンフレットは英語版・ドイツ語版で用意
客席は舞台を四方八方から取り囲む1階席、高い階段を登り見晴らしの良い2階席。この日の公演も完売御礼で、日本人のお客様も多くおられましたが地元のお客様もたくさんお越しでした

コンサートは20時に開演。

東京でもお届けしたAプログラム、バーンスタイン『ウエスト・サイド物語』よりシンフォニック・ダンス、ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」、プロコフィエフ『ロミオとジュリエット』より抜粋、の組み合わせ。

前半の鮮やかなバーンスタイン、小曽根真さんのカデンツァとオーケストラのソロが光るガーシュウィンに、年配のお客様が多かったこの日の公演でも身体を揺らして音楽に引き込まれている姿が見受けられました。小曽根さんのアンコールは『アジアン・ドリーム』。クリアなピアノの音色が美しく響き、星空に囲まれているような時間をホール全体が深く味わっているようなひと時となりました。
後半はプロコフィエフ『ロメオとジュリエット』より。シェイクスピアの傑作ドラマから生まれたこのプログラムもついに最後の演奏となり、マエストロ チョン・ミョンフンと東京フィルメンバー、それぞれが万感の思いを込めて演奏に向き合っている姿がありありと受け止められる演奏になりました。最後の一音のあとには長い長い静寂。マエストロのタクトが降り、客席からは感動的な拍手が巻き起こりました。

速報レビュー

オランダ在住のジャーナリスト、安田真子さんがAプログラムも聞き届けるべくデュッセルドルフに駆けつけてくださいました。

安田真子(音楽ジャーナリスト/オランダ在住)

ドイツのカーニバル初日を迎えた11月11日の夜、東京フィルハーモニー交響楽団欧州ツアーの最終公演のため、デュッセルドルフのトーンハレまで足を運んだ。東京のサントリーホールで聴いたプログラム(10月16日)をもう一度味わいたかったのがその理由だ。

1曲目はバーンスタイン『ウエスト・サイド・ストーリー』より「シンフォニック・ダンス」。チョン・ミョンフンの指揮はいつもながら鮮やかで、ドラマティックに躍動感を持ってストーリーが展開していく。気合いの入った「マンボ!」の声も効果的。刻々と色を変えるハーモニーから、しなやかでカラフルなオーケストラの魅力がすぐに伝わった。

続くガーシュウィン『ラプソディー・イン・ブルー』は、東京公演よりもさらにたっぷりとしたクラリネットのグリッサンドで幕を開けた。世界的ジャズピアニストの小曽根真は、ドーム型のホールの空を見上げながら、場の空気を音楽に閉じ込めるように、即興を交えた独奏を披露。煌めく高音で始まったカデンツァは、より自由に広がり、オーケストラと一体となって、古典派から現代まであらゆる響きを織り込んでいった。ソリスト・アンコールは小曽根自身の『Asian Dream』。東洋的な陰影のある響きにも、聴衆は熱狂した。

後半はプロコフィエフ『ロメオとジュリエット』より10曲が演奏された。マエストロ・チョンのタクトによって、夢のような情景が広がっていく。鋭さから安堵感に満ちた温かさまで、場面の切り替わりが鮮やか。最終幕の「ジュリエットの死」では、ごく小さい音から立ち現れる弦のトレモロで、悲痛な表現が光った。高い集中力と精度を保ちながら歌うオーケストラの演奏は、いつまでも聴いていたいと思わせる魅力に溢れていた。

最後の音が放たれたあと、指揮者は10秒近くも動きを止め、余韻を残した。次いで、客席よりもまずオーケストラに向かいあって礼と視線、そして笑顔を交わすマエストロ。オーケストラはタクトにぴったりとついて、アンコール曲のブラームス『ハンガリー舞曲』でも音をうねらせた。会場全体の一体感も素晴らしく、熱狂的な拍手や歓声と共にコンサートは幕を閉じた。

オーケストラ・アンコールはブラームス「ハンガリー舞曲第1番」。満席のお客様が長い拍手を送り、マエストロもオーケストラも互いの演奏に長い拍手を送りました。

指揮台に座ってオーケストラに拍手を送りねぎらうマエストロ。笑顔の溢れるカーテンコールとなりました。


終演後には、トンボ鉛筆株式会社様とのコラボによる鉛筆を配布。
何人ものお客様から「素晴らしかった!」と満面の笑顔でお言葉をいただきました。

「Gute Idee!(いいアイディア!)」とお客様より。「日本の鉛筆ね!すばらしい、嬉しいわ」とお持ちになるお客様もいらっしゃいました。
たくさんのご来場、ありがとうございました!


マエストロ チョン・ミョンフンは最終公演であるデュッセルドルフのコンサートを終えてこう語りました。

「まず何と言っても彼ら(東京フィル)は素晴らしく演奏した。
 皆にとって大成功でした。
 私たち皆にとって素晴らしい経験だったと思います
 新しい聴衆に出会うために旅をする、
 多くのことを学び、美しいホールもたくさんありましたが
 何よりも彼らが素晴らしく演奏したんです」

サポートの御礼とお願い

ツアー最終公演日を最終日としていたクラウドファンディングは、当初の目標金額5,000,000円/ネクストゴール10,000,000円をともに達成し、支援総額10,212,000円 (達成率204%)、ご支援者数392人と本当にたくさんの皆様からのご支援をもって終了いたしました。

ご支援くださいました皆様にはこの後、返礼品やご報告などを順次お届けしてまいります。本当にありがとうございました!

◆東京フィルでは、年間を通じて楽団の活動をサポートいただく「賛助会」としてのご支援も募っております(法人・個人問わず)。日本の芸術の力を国際的に広くお伝えし、いっそう豊かな社会を築いてゆくために、東京フィルへの引き続いての皆様のご支援をお願い申し上げます。

https://www.tpo.or.jp/support/index.php


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