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鉄道の安全運行を担う公務員~交通局電気職の仕事

1.はじめに

 私は、東京都の電気職として入都し、現在は都庁内の交通局で仕事をしています。

交通局では、地下鉄やバスなどの交通事業と水力発電を行う電気事業を運営しており、電気職の私が最初に配属されたのは、地下鉄の設備を維持管理する事業所でした。

その後、工事監督を行う事業所なども経験し、現在は、その現場経験を活かして、都庁舎にある車両電気部信号通信課で勤務しています。

今回は、私が勤める東京都交通局の電気職の仕事について紹介します。

  

2.交通局の電気職について

 交通局の電気職は、様々な設備(変電、電力、信号、通信など)、車両の点検・補修などの維持管理に加え、工事の設計・施工管理、将来を見据えた設備の導入計画の立案など、非常に幅広い分野で活躍しています。

 私の所属する「車両電気部」は、その名の通り、車両設備と電気設備を担当していますが、ここでいう車両は、電車の車両です。(都営バスは、バス専門の「自動車部」という部署で担当しています。)

車両については、下記リンク先の記事もぜひ、ご覧ください。

  都営三田線新型車両(6500形)の概要 |東京TECHブログ(東京都技術会議)

 

都営三田線6500形車両


都営浅草線・馬込車両検修場で使用する車両について(浅草線車両の更新と電気機関車の活用)|東京TECHブログ(東京都技術会議)

 

都営浅草線5500形車両と電気機関車

3.信号通信課の仕事について


私の所属する信号通信課は、電車を安全に運行するための信号設備や、運転手が指令所と通話する無線などの通信設備を担当しており、どちらも電車の運行には重要な設備ですが、今回は、私が仕事として携わってきた信号設備についてご説明します。

 一般的に「信号」というと、道路の交差点にある交通信号機をイメージする人が多いのではないでしょうか。鉄道でも、電車の運転士が確認する「信号機」はありますが、「信号設備」はさらに多くの設備が加わってきます。

線路が分かれる部分(ポイント)で、進路を変える装置(転てつ機)も、信号設備の一つです。ポイントが誤った方向になっていると、電車の脱線事故が発生してしまう可能性があります。

このような事故を防ぐため、ポイントの方向と信号機が連動して動くようにする「連動装置」や、赤信号では列車を必ず停止させる「自動列車停止装置(ATS)」などがあります。そのほかにも、ATC、ATO、PTCなど(※)、鉄道ならではの様々な設備があり、私が交通局に配属されたばかりの頃は、多くの専門用語になかなか慣れることができませんでしたが、仕事を進めていく中で少しずつ覚えていくことができました。

 ※ATC(自動列車制御装置):制限速度に応じて列車の減速や停止を自動で行う

 ATO(自動列車運転装置):列車の加減速と駅での停車を自動で行う

 PTC(列車運行制御装置):列車の運行ダイヤに合わせて進路を制御する

 

研修用設備で訓練を行う職員

   駅のホームからお客様が転落する事故を防ぐためのホームドアも、信号通信課で所管しています。ホームドアに関する記事もご覧ください。

 

都営三田線におけるホームドアの更新|東京TECHブログ(東京都技術会議)

三田線のホームドア

 世界初!QRコードによるホームドア開閉連動技術の開発|東京TECHブログ(東京都技術会議)


QRシステム概要

  また、地下鉄の話ばかりをしてしまいましたが、踏切設備がある都電荒川線や、無人運転をしている日暮里・舎人ライナーもあります。

 

4.電気職における現場業務について


地下鉄の電気設備を維持管理する事業所では、交代勤務の職員が24時間体制で仕事をしています。

昼間は、事務作業や他部署との打合せのほか、電車の運行中でも実施可能な点検作業などを行っています。しかし、電車の運行中では点検できない設備も多くありますので、終電から始発までの夜間に設備の点検や工事を行います。

 足場の悪い線路を歩きながら作業をすることも多く、入局したばかりの頃は、転倒しないように歩くことで精一杯でした。

夜間作業は、終電から始発までの限られた時間で行うのですが、終了が遅れてしまうと始発電車を運行できなくなってしまう可能性もあります。また、万が一、線路上に工具などの忘れ物があれば、電車が脱線する恐れもあるため、安全確認には、細心の注意を払う必要があります。

 夜間作業が無事に終わって、始発電車を見送ることができると、「今日の仕事も無事に終わったな」と感じます。


実際の設備(転てつ機)を点検する職員

 

5.電気職における本庁業務について


現場業務を経験し、現在は本庁(都庁舎)に勤務しています。

現場の事業所では、ヘルメットに作業着、安全靴という格好で現場を歩くことが多かったのですが、本庁ではデスクワークがメインとなります。

工事の計画立案や、工事の発注に必要な書類、図面の確認を行うなど、現場の仕事をサポートする仕事が多くなります。

信号設備は、電車の安全運行に直結する設備ですので、運転手や車掌に関係する乗務部門や、駅業務の旅客部門、車両部門、保線部門など、多くの部署の職員と連携して仕事を進めています。

また、東京都以外の自治体や、相互直通運転を行う他の鉄道事業者など、様々な関係者と調整が必要な仕事も多く、広い視点で仕事に携わることができる点も本庁業務の特徴です。


 都庁舎で働く職員

 

6.さいごに

今回は、交通局の電気職の職員が、どのような仕事をしているのか、という視点で、ご紹介をしましたが、ほんの一例です。

同じ交通局の電気職でも、電車の車両を担当する職員もいれば、変電設備の仕事に携わる職員もいます。

また、東京都には交通局以外にも、水道局、下水道局、建設局、港湾局など、多種多様な職場で、電気職の職員が活躍しています。

東京都の電気職という仕事に、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。