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第3回: 提言の急所「日銀当座預金のトークン化」—トークン化預金・普及の最後のピース

なぜ当預のトークン化がTDの生命線なのか

トークン化預金(TD)は銀行預金そのものをトークンとして移転する仕組みです。A銀行のTDとB銀行のTDは、法的には別々の銀行の負債(正確には、預金者による預金債権の請求権)。銀行をまたいで移転するには、銀行間の資金決済——つまり中央銀行マネーによる最終決済が必要です。このマルチバンクのTD交換は、米JPMCによるJPMD(単一プラットフォームで交換)、米The Clearing Houseによる決済レイヤーでの償還・発行方式など実装が進んでいます。
現在銀行間の清算の役割は日銀ネットが担っていますが、稼働時間もメッセージ形式も「人間の営業日」を前提にしています。TDが24時間365日・プログラマブルに動くなら、その裏側の銀行間決済も同じ性質を持たねばならない。当預のトークン化(ホールセールCBDCに近い概念)は、TDという建物の基礎工事なのです。BISと日米欧中銀のProject Agoráが「統合台帳」構想で解こうとしているのも、まさにこの構造です。

「年内に論点整理」の重み

中央銀行に期限付きで宿題を出す政治文書は珍しく、これが骨太の方針に載れば実質的な政府方針になります。論点は多い——当預アクセスの範囲、既存日銀ネットとの併存、金融調節への影響、障害時の最終性。しかし論点整理が始まること自体が、TD陣営にとって最大の追い風です。

実務者への示唆

TDを検討しているなら、見るべきは他行の動向ではなく日銀の工程表です。当預トークン化の設計が固まった瞬間、TDの相互運用仕様は事実上そこから逆算で決まります。先回りするなら、行内の勘定系・流動性管理・日銀ネット接続チームを今のうちに同じテーブルに着かせておくことです。


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