にーちゃんとひげ。
宿のシャワーっていろいろあるよね。
最近は、だいたい蛇口をひねると適温の40℃くらいでジャーって出てくる。
で、たまに古い所は赤い蛇口と青い蛇口でセルフ温度調整が必要で、赤い蛇口の方がだいたいこれでもかって熱湯だしやがるんよ。
だから湯温の調整はムズイし、何ならボイラーか給湯器の調子で急に熱くなったり冷たくなったりするわけよ。
で、出張先の宿がそんな感じでセルフ調整な上にシャワーがよわよわで、朝シャンもいまいちスッキリしないのよね。
で、思い出したのよ。
高速バスの座席ってのは、思ったより狭いもんだな。
6時間だか8時間だか、途中で休憩があったにせよ、狭い椅子に肩を小さくしてると身体のあちこちが痛くなっちまったよ。
東京を後にした俺は、ちょっとだいぶ前からお世話になってる愛知県のお友達(ただしzoom越しにかみたことない)に会いに名古屋までやってきたんだぜ。
なんつーか、愛知県って名古屋だと思ってたから、名古屋デケェ!って思ったけど、愛知県なんだよな。
で、愛知県が全部名古屋だって思ってたからさ、名古屋に行けば会えると思ってたんだけど、これがまた愛知県にもいろいろあって、そう簡単じゃないわけね。
で、夜中に名古屋に着いてまずビビったのが思った以上に洗練された大都会ってこと。
名古屋って字面でちょっとそんなオシャレなイメージなくて、味噌カツとか手羽先とかそんなちょっとワイルドなブラウンなイメージだったんだけど、だいぶキラキラしててオシャレだったわ。
そんでもって俺もよくわかんなくて栄とか錦とかいう所の宿を取ったんだけど、名古屋駅前は綺麗なのに、その辺りはゴミが散らかってるわ、酔っ払いはフラフラしてるわ、人は多いわ、わちゃわちゃしてるわで、俺みたいな田舎もんが不用意に足を踏み入れたらダメな土地だったんよ、まじでやばかった。
夜中なのに騒がしいのよ、もう街全体がMEGAドン・キホーテ、みたいな感じよ。
びびったぜ。
そうだよ、にーちゃんの話だよ!
もうね、名古屋の栄駅のあたりでスマホなんて見ながら歩いてたらさ、チャラい感じのにーちゃんが話しかけてくるのよ。
東京であんな感じで人の冷たさに触れたから、ちょっとうっかり話を聞いたり答えたりしちゃうわけよね。
そしたら終わりよ、一度食いつかれたら終わる。
強制的に何等かのお店に連れて行かれそうになる。
基本、断れない性格だから俺ももうちょっと若かったらヤバかったよね。
だが流石に経験を重ねた俺はちゃんと無視したり断れたりするわけよ。
まぁでも、なんだろうね、そういう感じで話かけられるのは怖いのに、話しかけてくれてありがとうって思っちゃうから、去り行くにーちゃんに、ありがとね、なんて言ったりね、するわけよ。
まぁでも宿に入ろうとすると、別のにーちゃんが、そこじゃないですこっちです!とか言われた時は、マジで怖かったな(笑)
あと感心したのが、どこから来られたんですか?って別のにーちゃんが聞いて来た時に、うっかり、北海道から、って答えちゃった瞬間、ちゃんとした笑顔で、ありがとうございます!って言ってくれたんよね。
なんつーの?地元愛っていうか、地元背負って仕事してる自負っていうか、そういうのを感じて、なんかいい気分になったんよね。
だがオマエのおススメのお店には行かんぞ、怖いから!

京都本店のあのドロドロ感が懐かしい。
学生の頃から最低でも月イチは食べてた天一。
仕事始めてからも夜勤明けに必ず食べて帰ってた、こってり。
肉食獣から必死で逃げていた俺をあの頃と同じように迎えてくれた聖域。
しかも、あの頃にはなかった、こってりMAX。
俺の名古屋は、こってりと暮れていったんだ。
何の話だよ。
そうそう、この耳の下の顎の曲がり角のとこ、ここが剃りにくいのよ。
で、出張で朝もゆっくりできたから気が付いたんだけど、ゆっくり剃ると結構綺麗に剃れるんじゃないの。
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つづく、かもしれない物語。
この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、国家などとは一切関係ありません。
俺も実在していません。
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★ 前回までの髭剃物語・・・
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