おばちゃんとひげ。
東京出張でさ、5時起きよ、5時起き。
いつも早くて6時起きだから、ちょっと調子狂うのよね。
でも不思議、熱いシャワーを浴びたらスッキリよ。
最近は飛行機のチェックインもスマホでお手軽でさ、いちいち空港の機械まで行って操作しなくても、時間になったらスマホでピッ、てやればいけんのよ。
まぁそれでも不安だから出発の2時間前くらいには空港に着いてたいのよね。
しかし、新千歳空港はマジで駐車場料金なんとかしないとやべえよ。
1泊3500円とか無理だって。
まぁ、近隣の民間パーキングが送迎車込みで安い(1泊1300円くらい)ので、そっち利用するよ。
ずっとC駐車場(昔は確か1000円)が安くて便利で愛用してたのに。
まぁいいや、物価高騰だもん、どうしようもない。
今回もいつも愛用しているpeachを利用して東京へ向かったんだけどさ。
これがあんた、それなりに飛行機乗って来たけどさ、あんなに揺れたの初めてだったわ。
東京に近付くにつれて天気が悪くなってきて、途中から天空の城ラピュタの竜の巣に辿り着く前みたいな雲の中(雷なってない)で、おおー、雲にぶち当たって飛行機が揺れてやがるぜ・・・なんて余裕ぶっこいてたんだけどさ・・・
成田空港上空でとんでもない荒れた状態になってさ、飛行機が上下左右に劇揺れよ。
こんな揺れる!?ってくらい揺れた。
ジェットコースター並み。
で、一度着陸態勢に入ったみたいなんだけど、無理っぽくてキャンセルして2度目のトライで着陸できたんだけどさ、上空に居る間はもうずっとぐわんぐわん揺れてんのよ。
もうね、周りの乗客のほとんどが紙袋を片手に用意してんのよ。
もしもの時に用意されてるアレね。
こんなの見た事ないし、こんなけ揺れてる中で紙袋に上手に収めるのもそれなりの高度なスキルが必要じゃないの?・・・なんて思ったよね。
余裕ぶっこいているけどさ、俺ももう気持ち悪かったもんね。
冷や汗かいてたもんね。
怖くねえよ、って顔してちょっと笑ってたけど、怖かったもんね。
これは死んだかもな、とかちょっと思ったもんね。
でも偉いよ、CAさん。
すげー冷静な声でアナウンスしてくれんのよ。
運行に影響はありません(きっぱり)。
これ、地味に超安心感あるんよね。
あー、これがプロの仕事だわ、って思ったよね。
あ、大丈夫なんだ、って思うよね。
どんなけ揺れて不安でもさ。
雲の下は穏やかだったから着陸に支障はなかったので、その後は順調だったよね。
その後は、不思議と気持ち悪さもなくなって落ち着いたんだけど、定刻より遅れたのと、成田空港からの電車も大幅なダイヤの乱れがあってさ、まったく予定通りにいかんのよね。
知らない土地でよくわからんところで降ろされて、道に迷ってさ。
雨も降ってるし、傘なんか持ってないから、せっかく上京してきたのに頭ワカメになってさ、散々だったよ。
そうだよ、おばちゃんの話だよ。
おばちゃん。
いや、違うのよ、東京で会ったミャンマー人の関西のおばちゃんね。
まぁ落ち着いて聞いてくれ。
名古屋行きの高速バスの時間待ちで、近くにあった寿司屋に入ったのよ、なんか入りやすい店構えだったからさ。
そしたら、そのミャンマー人のおばちゃんが、流暢な日本語で、いらっしゃいまセ―って、感じで接客してくれたのね。
おススメの握りのセットと生ビールを、スマホで注文するあれ、アレで注文したのよ。
いや、寿司屋でその注文方法なの?って思ったけどさ、いや、目の前に大将いるやん?って思ったけどさ、まぁオレもあれよ、そのくらいの技術についてけない訳じゃないからさ、あー知ってますよ、出来ますよ、と、こういう感じよ。
頭がワカメだけどさ、北海道から上京してきたからってナメられる訳にはいかんのだよ。
で、まぁ注文したんだけどさ、生ビールが届いてから寿司が来るまでの間、そのミャンマー人のおばちゃんと日本人の若いねーちゃんの店員さん同士の会話が丸聞こえでさ、その会話の中で、そのおばちゃんがミャンマー人だてのがわかったんだけど、もう話が止まらないわけよ。
日本人の女の子は、福岡出身で大学の関係で上京してるが東京は住んでて住みにくいから早く帰りたい。
ミャンマー人のおばちゃんは、だいぶ長く東京に住んでて、下町は人情が厚いからおすすめだって熱心に教えてる。
なんだよ、ミャンマー人のおばちゃんが人情語ってんのかよ、つーかなんで所々関西弁っぽいんだよ、いや、なんでそんなに日本人っぽいんだよ。
いや、たぶん俺の生まれが関西で、すっごい関西風味のミャンマー人のおばちゃんだから親近感沸いたんだわ。
で、そこではたと気が付いたわけよ。
もしかして関西のおばちゃんて、外国人なの?
ってな。
なんかしっくり来たんよ、それ。
関西のおばちゃんのあの感じ、すごい独特だから外国人だと思った方がしっくりきたのよね。
で、トムクルーズの宇宙戦争。
「大阪ではやつらを何体か倒したらしい」
あの無敵のトライポッドを大阪では何体も倒した、という話を聞いて、大阪のおばちゃんを連想したのは俺だけじゃないはず。
ハリウッド映画にも登場するくらい大阪というのは海外なのよ。
ったく、何の話だよ。
いや、その関西風ミャンマーのおばちゃんなんだけどさ、東京で人に道を聞いても無視されるか、そこの看板読めば?とか、そういう反応なのよ。
俺なんて室蘭で厳つい白人の外人さんに、いきなりヘイ!って呼び止められて何言ってんのかワカランけど、トレインだけ聞き取れたから、最寄りの駅まで案内したもんね。
そんな大都会東京で人間の冷たさに晒された後に、生まれ馴染みの関西のおばちゃんだけど正体はミャンマーのおばちゃんがさ、そっちはサムイよ、こっちにしなヨ、なんて言われて席に案内されたらさ、寿司屋のサービスで出された味噌汁が、まぜまぜ不足で明らかにインスタントなのが分かっても、逆に人間味を感じて美味しかったよね。
いや、寿司もうまかったんだよね。
だけど、東京の寿司って赤酢っていうの?シャリが赤いやつ、あれだと思ってたんだけど、あれとは違う寿司だったけど、まぁ旨かったよ。
あ、また鼻の下のヒゲを剃りすぎて血が出たじゃないの!
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つづく、かもしれない物語。
この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、国家などとは一切関係ありません。
俺も実在していません。
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★ 前回までの髭剃物語・・・
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