【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ 多さわこ(おおのさわこ)編 ⑰
こちらの記事は、仲良くさせてもらっているうりもさんの企画に乗っかって書いています。
▼ プロローグはこちら。
▼ スピンオフ さわこ編 前回の第⑯話はこちら。
クリスマスとサンタさんと花落
月日が過ぎるの早い。
もう12月23日だ。
クリスマスまであと2日。
多さわこの気持ちは沈んでいたが、クリリスマ会への準備や、秘密探偵部の活動でも忙しくしていたので、気分は紛れていた。
あれから賀田さんとは会えていない。
あーあ・・・なんであんなに緊張してあんな感じになっちゃったんだろ・・・。
思い出すとため息しか出てこない。
12月21日の土曜日は、哲子ちゃんときこちんと、3人で学校の調理室を借りて、クリリスマ会の喫茶店で出すお菓子や料理の研究をした。
時々、不良雄校長先生が来てくれて、いろいろアドバイスをしてくれたり、おばあちゃんも来て、きこちんにひじきや筑前煮の作り方を教えてあげていた。
利子さんとは、いつのまにかきこちん、さわこちゃん、と呼び合うようになっていた。
校長先生が教えてくれたレシピで、喫茶店本番で出したら良さそう!となったのが以下の候補だ。
・ あんモナカジャンボ 小分けに切って出す。ただ冷凍問題が・・・。
・ 生チョコ風お餅スイーツ ちょっとびっくりな食感!
・ 超時短お好み焼き! 関西ならお好み焼き!しかもお手軽!
・ 鶏むねチャーシュー 炊飯器で作れちゃう!
・ ゼリーミルク ジュースと牛乳で簡単につくれちゃう!
・ ルマンドアイス みんな大好きルマンドのスイーツ!
もっともっといっぱい教えてくれたんだけど、とりあえず3人の中で好評だったこれらのレシピに絞って検討する事になったが、限られた時間とスペースと道具の中でこれ以上はメニューを増やすのは現実的には難しいという事になって、3人だけの秘密のお食事会になった。
みんなでお菓子を食べたりジュースを飲んだりして楽しかった。
校長先生が淹れてくれたコーヒーを、初めて飲んださわこは、あんまりに苦かったのでムセてしまった。
こんな苦い飲み物、なんでそんなにおいしそうに飲めるの?
アツアツのコーヒーをちょっとずつおいしそうに啜っている校長先生を不思議そうに眺めるさわこだったが、砂糖とミルクを入れると、とっても美味しい飲み物に変化した事に2度びっくりした。
さわこは、ミルク多めの砂糖少な目が好みだった。
その夜、みんなが帰ってからさわこは、おばあちゃんと一緒に過ごしていた。
久しぶりに学校のおばあちゃんの部屋に泊まる事にした。
さわこは、おばあちゃんに思い切って質問してみた。
クリスマスが近くなって、サンタさんの事を思い出した事。
いつもサンタさんに手紙を出すと、プレゼントが届いた事など、何気なく聞いてみた。
最初、おばあちゃんは凄く驚いていた。
『 あらぁ、あの子達もそんな事してたんだねぇ・・・』
と懐かしそうな表情をしてから、こういった。
『 サンタさんの連絡先はね、大人しか知らないからねぇ 』
『 そっかぁ、おばあちゃん、もし知ってるなら教えてよー 』
『 あぁ~ダメダメ、サンタさんは子どもからの手紙は受け取らないヨ 』
『 えー!なんでぇ? 』
『 そりゃサンタさんは子どもの為に忙しいから、大人が取りまとめた手紙しか受け取れない決まりになってるんだヨ 』
『 うーん・・・そっかぁ、みんなからいっぱい手紙が来ても困るもんね 』
『 そうそう、サンタさんも忙しいからねぇ 』
悲しそうなさわこの表情を見て、おばあちゃんは懐かしい気持ちでこう尋ねた。
『 おばあちゃんがサンタさんに手紙送ってあげようかぃ? 』
それを聞いたさわこの表情がパッと明るくなる。
『 え!いいの! 』
『 ちょっと待って!いま書くからっ! 』
さわこが自分の文房具を取り出して、用意していたのか便箋にサンタさんへのお手紙を書いている。
書き終えて封をした便箋をさわこから受け取る。
『 おばあちゃん、クリスマスって外国のお祭りかなにかなの? 』
『 サンタさんの誕生日?・・・でも、誕生日にプレゼントもらうんじゃなくてみんなに上げるっておかしいよね。変だよね。』
さわこが楽しそうに聞いてくる。
『 さてねぇ、おばあちゃんも良く知らないからねぇ。』
『 でも、戦争が終わってからクリスマスを祝うようになったかねぇ 』
『 サンタさんもその頃からプレゼントをくれてたの? 』
『 当時は世界中で戦争してたらねぇ、サンタさんも疎開してたんだよ 』
『 みんなが平和になってからだねぇ、サンタさんがプレゼントくれるようになったのは・・・ 』
『 ねぇねぇ、サンタさんは子どもにはプレゼントをくれるけど、大人には何かくれるの? 』
さわこの質問が止まらない。
『 あぁー・・・オトナねぇ、大人かぁ・・・ 』
ちょっと考え込んで悩むおばあちゃん。
『 そうさねぇ、あれよねぇ、そうそう、あれだったかねぇ・・・ 』
何やら思いついたようにおばあちゃんはこう言った。
『 大人はね、もう大人だからね、大人同士でプレゼントをあげるんだよ 』
『 大人同士で?誰にあげても、貰ってもいいの? 』
『 いやいや、そうじゃなくてね。大人になると、大切な人ができるからね、その人にプレゼントをあげるんだよ。 』
『 わぁー・・・そうなんだ・・・ 』
さわこが目を輝かせて楽しそうに聞いている。
『 おばあちゃんも、おじいちゃんにプレゼントあげたの? 』
『 そりゃぁ・・・いやいや、おばあちゃんは貰うばっかりだったからねぇ 』
『 えー!なんかずるーい! 』
『 今はどうかわからんが、昔は男性が好きな女性にプレゼントするもんじゃったんじゃよ 』
そういって大笑いするおばあちゃん。
『 なんだぁ、そういうものなんだ・・・ 』
『 そうそう、そういうもんじゃ。 』
『 じゃぁ、サンタさんにお手紙書くみたいに、おじいちゃんに欲しいものをお願いしておくの? 』
『 うーん、おばあちゃんの場合はそうじゃなくて、おじいちゃんがおばあちゃんの為に買ってきてくれたモノなら何でも嬉しかったからねぇ、そういう事はしかなったねぇ。 』
『 えー、なんかいいなぁ、それー 』
『 はっはっは、さわこはまだまだサンタさんにお願いしないとダメじゃからなぁ 』
おばあちゃんとそんな話をして、いつの間にかさわこは眠っていた。
今年はサンタさんのプレゼントが届くかな、少しワクワクしたさわこだった。
・
・
・
さわこが眠りについて、おばあちゃんはさわこから預かったサンタさんへの手紙を持って、不良雄校長がいる校長室に向かった。
校長室のドアを開くと、不良雄校長が紅茶を淹れて優雅にケーキを食べているところだった。
『 帝子さん、こんな遅くに何かありましたか?』
『 まぁ、ちょっと頼みたい事があってねぇ 』
『 それはまた珍しい、どんな事ですか? 』
『 まぁ、これよ・・・ 』
そういって、おばあちゃんが一通の便箋を差し出す。
そこには、大きな整った字で、サンタさんへ、と書かれていた。
『 サンタさん? 』
目を白黒させる校長に、おばあちゃんが続ける。
『 今年だけでいいから、さわこのサンタさんになっておくれ 』
『 !? 』
作戦会議は、すぐに終わったが、不良雄校長は悩んでいた。
・・・うーん・・・あと3日しかないじゃないか・・・。
それに・・・さわこちゃん、これなに??
サンタさんへの手紙には、こう明記されていた。
エクイノクスZ シリーズ エクイノクスZ4R デジタル ナイトビジョン
・・・こんなのどこで・・・
途方に暮れる不良雄校長であった。
・
・
・
教室では、昨日のM-1グランプリの話題で持ち切りだった。
さわこはテレビを見ていないので良く分からないが、お笑いの一大イベントらしい。
吉田くんは、堅にハマった漫才を求めすぎたっ!ってなんだか悔しそうな事を言っていた。
茶保先生なんかは、感動してお風呂に入れないほどだったらしい。
宇利くんが、嬉しそうにみんなに言いふらしている。
宇利くんもM-1を見て影響されたのか、バッテリーがどうのこうのといって廊下を走りながら騒いでいる。
みんな楽しそうでいいなぁ・・・なんてぼんやり眺めているさわこだった。
視線を動かすと、哲子ちゃんと目が合った。
『 やっぱり、そっちの方がいいよ~ 』
ニッコリ笑顔で褒めてくれる。
哲子ちゃんは、いつもさわこの味方だ。
・
・
・
先週のある日の放課後・・・
音楽室で友美ちゃんにミスチェリの自慢や音楽室の楽器の説明とか聞いた後に、哲子ちゃんがジャスミンティを飲ませてくれた事があった。
みんなでボロボロとすぐに崩れてしまう脆いお菓子と一緒に飲んだジャスミンティの味は、今でもはっきりと思い出せる。
あれ以来、賀田さんがくれた白いシュシュは、左手首につけている。
友美ちゃんが、そのジャスミンティの白い花と、白いシュシュの事が似ているね、と言ってくれて、思わず賀田さんの事を思い出してしまった。
で、その時に哲子ちゃんと友美ちゃんが、クリスマスプレゼントをさわこにくれたのだ。
サンタさん以外からクリスマスプレゼントなんてもらった事がなかったので驚いた。
その時は、まだおばあちゃんにクリスマスの事を聞いてなかったので、サンタさん以外でプレゼントのやり取りをしてもいいとか、そういう発想がさっぱりなかったので、本当にびっくりしたし、お返しも何も用意できてなかったので、どうしていいのかわからないでとっても困っていたのだが、哲子ちゃんと友美ちゃんがいつもの調子で強引に楽しく物事を推し進めてしまって、無事に受け取る事ができた。
メイクセットと、新しい眼鏡。
メイクなんて、夜に人目につかないように出かける時とかに炭を顔に塗ったり、壁の模様と同じ模様を書いたり塗ったりするくらいだったので、どうしていいのかわからなかったが、哲子ちゃんが、オシャレな波都子さんや圭子さんに教えてもらった美容法を教えてくれた。
ちょっと一人で出来る自信はないけれど、頑張ってみようと思ってたんだけど、お化粧して学校なんて考えた事もなかったので、今はまだメイクセットには手を付けていない。
でも、哲子ちゃんと友美ちゃんがいろいろ教えてくれながらしてくれたメイクをした自分の顔は、まるで別人みたいだった。
その時に、一緒に眼鏡までプレゼントしてくれた。
さわこが大好きなLOZZAの眼鏡。
今までの瓶底のレンズではなく、普通のレンズ。
今までは、目立たないように顔や目線をかくすために愛用していたけれど、そんなのはもうどうでもよくなっていたので、さわこにとっては、新しいデザインの眼鏡に興味深々だった。

by よしよし
哲子「さわこちゃんは絶対そっちのほうがいいよー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・ちなみに、さわこBeforeは、こんなかんじ ↓

ゆるこさんのイラスト
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうは言ってもらえても、全然自分に自信が持てなかったさわこだったが、そのあとに哲子ちゃんがさわこの左手の中指に魔法のおまじないをかけてくれた。
哲子ちゃんは、セルフコーチングを勉強しているらしくて、そこでは、そういう魔法を学んでいるらしい。
きっと、ハリーポッターの学校みたいな所なんだろうな・・・とぼんやり空想するさわこだった。
『 自分をプラスの方向に持っていく学び。』
『 さわこちゃんの中指の根元の骨は笑顔になれるスイッチだよ。』
音楽室には友美ちゃんがかけてくれていた、インストゥルメンタルが流れて、3人は笑顔で幸せなひとときを過ごすことができた。
・
・
・
クリスマス当日、田梨木高校のクリリスマ会まであと2日。
漏れ聞こえてくる噂によると、
大映の名作ドラマリバイバル企画や、ライブ企画があるらしい。
ライブ企画ではミスチェリも登場するので、さわこは楽しみにしている。
文化祭では、舞台から一番遠い場所で、みんなの事が豆粒くらいにしか見えなかったので、今度は一番前でしっかり見て応援したいな。
あとは、なんだっけ・・・
フィーリングカップル?
そんなイベントもあるみたい。
そこに参加するのが・・・
宇利くん、阿久くん、保志田くん、吉田くん、ヨメンくん、小郷くん
彩子さん、壽賀美さん、千代子さん・・・
たしか、こんな感じのメンバーだったような気がする。
どんな事をするのかさっぱりわからないけれど、なんだか楽しそう。
クリリスマ会まで、あと2日。
さわこの片思いが終わるまで、あと2日。
つづく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は、以下の方に登場してもらいました。
▼ 宇利盛男役のうりもさん
▼ 吉田吉夫役+賀田さん役のよしよしさん
▼ 貝差彩子役の彩夏さん
▼ 保志田役のほっしーさん
▼ 小室哲子役+小室友美役のT Kさん
▼ 大門寺ナナコ役のだいなさん
▼ 阿久佳祐役のアークンさん
▼ 小郷オーエン役の習慣応援家 shogoさん
▼ 橋田壽賀美役のららみぃたんさん
▼ 千代子役のチョコさん
▼ 波都子役のloveheartさん
▼ 圭子役の西野圭果♡さん
▼ 千葉ヨメン役のばちょめんさん
▼ 冨永利子役のkikiさん
いいなと思ったら応援しよう!
応援いただけると励みになります☺️