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今は「新しい音」じゃなくてもいい。|LadyMonixと新譜レコードの値段。

アメリカのハウスプロデューサーのLadyMonixがお気に入りです。

LadyMonixはボルチモア出身で、現在はデトロイトを拠点に活動するプロデューサー。
今のところシングル中心のリリースですが、その音はディープハウス寄りで、シンプルだけど現代的。

そして、いかにもデトロイトらしいボトムのグルーヴに、頭で考えるより先に体が反応してしまいます。

そのラフで濃い内容は「もっと他のも聴きたい」と思わせるサウンドで、これが90年代みたいに、12インチが1,000円前後で気軽に買えていたら全部買ってたと思うほどです。

2026年の新譜「A Sax Moment」も非常にわかりやすいながらも、腰にくる太い音。とりたてて新しいことをしているわけではないものの、もしレコードを持っていたらDJごっこで選びたくなると思います。

彼女のYouTubeで公開されているDJミックスもほとんどがデジタルですが、アナログレコードでプレイするミックスを見つけました。懐かしいDefectedレーベルの企画のようですが、結構好き。

LadyMonixのプレイは、驚異的なDJスキルを見せつけるタイプではなく、ところどころズレたりするのも含めて、そこが素敵です。
ロケーションもNYのRazor-N-Tapeというレコード店で行われたインストアDJで、動画からも伝わるリラックスした雰囲気が最高です。

ところで、LadyMonixが最後に選んだMadonna『Human Nature (Love Is the Nature Mix)』がめちゃカッコいいです。
シンセソロがJoey Youngmanというか、僕の好きなアレです。

1時間15分あたりで、DJ中に話しかけに来たお姉さんとお喋りして、「次はこれかけるよ」と、このMadonnaのラベルを見せて、お姉さんが喜んでいる様子が、LadyMonixもお客さんもかわいい。

そして、1時間18分あたりからメガネ髭のAaron Daeに変わりますが、そこからも結構いいよ。

とにかくこの場には数名しかいないですが、楽しそう。

最近、女性DJのほうが楽しそうに見えるのはなぜかな?90年代は圧倒的に男社会だった気もするし、「苦労した」とインタビューで答えていた女性DJも多かった気がします。

それでも年月を経て、今では音を聴いて「お!」と思って見ると女性だったりする。
なんだか、それがうれしいです。

この『Human Nature (Love Is the Nature Mix)』は、数あるMadonna『Human Nature』のリミックス盤でも、アナログでは、プロモ盤でしか聴けないようです。(YouTubeでは簡単に聴けます。)

このかっちょいいキーボードはDanny Tenagliaなのね、意外。
プロデューサーはサトシトミイエ、まさにあの時代のNYハウスです。

95年当時はテクノ聴き始めたてだったので、Madonnaはもちろん、NYハウスは無縁でした。ましてやMadonnaのリミックス盤なんて、その後も今に至るまでノーマークでした。
(中古探さないと、目標1,000円以内)

僕の知らないカッコいいシンセソロのハウスやテクノってまだまだたくさんあるんだろうな。

それにしても、90年代にテクノやハウスの進化(機材の進化?)と同じようなタイミングで育ってきた僕はいつの間にか、

「ダンスミュージックは、新しいことをやらなければいけない」

「今まで聴いたことのない音で驚かせてほしい」

そんなふうに思い込んでいたのかもしれません。

でも、今は少し違います。特別に新しい革新的なサウンドじゃなくても、
「カッコよくて、身体で感じて、腰が動くような、心地の良いグルーヴがいいじゃない」
そんなふうに思えるようになってきました。

確かに、あの頃は毎週のように新しいサウンドに出会えていた時期でもありました。新譜を聴くと本当にわくわくしたものです。
僕が古書店でアルバイトをしなければ、きっと新譜を追い続ける人生を続けていたのかもしれません。

古い音源ばかり聴いていた頃も、時折AkufenやRicardo Villalobosなど、その時々に話題になっている新譜を聴いて、
「すごいな。今はこうなってるんだ」
と思ったものです。

確かに、90年代のように時代を象徴するビッグトラックが生まれにくい時代なのかもしれませんが、それでも心地の良いグルーヴは今も生まれています。

毎週のように12インチを買うことはありませんが、今は、どこにいても、いつでも、じっくりと試聴することができます。

これは昔の自分からすれば、ものすごく恵まれた環境です。

まずYouTubeやBandcampで聴く。
気に入ったものを何度も聴く。

そして、本当に手元に置きたいと思った作品だけ、レコードで買い求める。

ひょっとすると、それが今の時代に合ったレコードの買い方なのかもしれません。

……というか今の時代、安易に買えない値段が、レコード購入へのいちばん高い壁かもしれません。

フォロワーのにゃんぽこさんに教えてもらった
Planetary Assault Systems『Planetary People』

このアルバムがやたら気に入りすぎて、レコードあるのかな?と安易に調べたら、タワレコで15,890円、ディスクユニオンで13,035円。
この値差もすごいけど、これでみんな買ってるのがすごい。

3枚組でこの価格か。
2012年の、Delano Smith 『An Odyssey』も3枚組レコードだったけど、3,000円も払ったかなぁ?

それにしてもなんでも高いなあ。
もしかして、僕以外はみんなお金持ちなのかな。


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