掌編|写真に残したのは、甘い卵焼きの匂い
今日は日曜日。
早起きの娘が、もう少し寝ていたい私を、
キラキラした目でたたき起こす。
「ねぇ、ママ。卵焼きを作ってみてもいい?」
もう、大けがには繋がらないだろう。
火事も多分、大丈夫。
なら、どうぞご自由に。
もうちょっと、布団の中でまどろもうとする。
そんな私を、
彼女はもう一度、弾んだ声でたたき起こす。
「ねえ、ママ!すっごくきれいにできたんだよ!」
それは一大事。
スマホを片手に、身体を起こす。
「わぁ、上手にできたねぇ」
そう言いながら、
娘と、びっくりするくらいきれいな卵焼きを
カメラに収める。
娘はますます嬉しそうに
えへへ、と笑う。
何年か先に
この写真を見たら
きっと、このやり取りを思い出すだろう。
娘は、何を思い出すかな。
初めて完全に一人で料理して
それがうまくいったという
誇らしい気持ちを思い出すかもしれないし
褒めてもらえた嬉しさと
そのときの私の笑顔を
思い出してくれるのかもしれない。
私が写真に残すのは
娘の笑顔ではなくて
そんな日常の、小さなエピソードだ。
そんな甘い卵焼きの匂いがする
人生の1シーンを切り取りたくて
今日も、娘しか映っていない
私と娘との写真を撮るのだ。
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こんな日常が、好きだと思った方へ。
▶︎ ふーちゃんの特別な花
少し違う日の、娘の言葉。
▶︎ ふーちゃん、恋をする
くすっと笑える、ある日のことも。
▶︎ ふーちゃん、東大宣言をする
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娘との、あたたかい誕生日。
▶︎バースデー
娘に捧げる短い言葉
▶おまもり
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つはるの世界を、もう少し。
▶︎ ようこそ!つはるの世界へ
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