掌編|【ふーちゃん】ふーちゃん、東大宣言をする
何についてだったか
すっかり忘れたけれど、
その日
ふーちゃんは、
お父さんに
怒られていた。
お父さんが去った後、
気分を害したふーちゃんは、
私にこっそり
こう言った。
「私は、
塾に行かずに、大宮高校へ行って
そのまま東大に行くわ」
私は、
へえ、と頷いた。
「近いし、安いし、助かるわ。
それが理由だとしたら
まるで、流川みたいね。」
彼女は、
「違うわ。」と
そう言って、
さっきの話の続きを聞かせてくれた。
「東大へ行った後、
料理学校を出るの。
そして、YouTuberになるわ。」
私は笑いながら、頷いた。
「あなたは、料理も
好きだものね。」
ふーちゃんは、それを聞いて、
まるで、
「でしょう?」
とでも言うように、
イタズラな眼で私を見て、
ニヤッと笑った。
私はその夜、
夫に、その話をした。
「あなたが
『僕は頭が良いから。』と
いつものように言ったら、
あの子は、
『私の方が賢いけどね。』
そう言う予定だそうよ。」
夫は
少しだけ目を丸くした後、
「それは、楽しみだな。」
そう言って、
なんだかちょっと
嬉しそうに笑った。
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