【大分グルメ】ひとくちの旅、大分あつめし便り【あつめし】
春の風が、少しだけ、海の香りを連れてくる。
届いたのは、リンベルのカタログギフト。

九州の企業さんのキャンペーンで運良くいただいたものだ。
表紙を捲った瞬間、もうそこには旅が広がっていた。
鹿児島の黒豚、熊本の味彩牛、長崎のちゃんぽん……
指先を滑らせる度たび、景色と香りが立ち上がってくる。
ふと、一枚の頁で手が止まった。

大分の漁師めし。
海の記憶も、悪くない。
大分といえばあつめし、りゅうきゅう丼である。
先日、noteでもりゅうきゅう丼のお店をご紹介したばかりであるが、我が家、海鮮丼には目がない。
りゅうきゅう丼のお店には繰り返し通うほどである。
その頁で手が止まってから、決断するまでに数秒もかからなかった。
今は便利である。
昔はカタログギフトというと、はがきを出してから先方に到着するまでの期間も要したものだが、今はスマホでピッ、である。
あっけなくも感じながらも、画面を繰り返し見てニヤける時間はできたということだ。
届いたのは、冷凍されたブリの漬け。
袋を手に取ると、ひんやりとした重みが伝わってくる。
これが、大分の、海の記憶。
これが、遠く離れた漁師町の、手のぬくもり。
流水にさらすこと数分。
ブリの身は、まるで目を覚ますように輝き出す。
照りのあるタレが、その身を包みこんで、静かに、丼の中へと滑り落ちていった。

一口。
驚いたのは、その優しさだった。
もっと塩気の強い、男前な味を想像していた。
けれどそこにあったのは、魚の十分に引き出された旨味と、みりんの甘みが溶け合った、まるで穏やかな潮の音のような味。
決して主張しすぎないのに、静かに胸を打つ味。
舌に、心に、ふわりと残る余韻。
白米が、進む。
言葉は減って、笑顔が増えていく。
ブリは元々好きで、よく家でも漬け丼にはするけれど、この『あつめし』はどこか違った表情をしていた。
それは、漁師たちの時間がゆっくりと染み込んだ味。
魚の声を聞いて育った人達が、魚と語り合うようにして仕込んだ、その味。
気づけば、箸を置いた後の丼は、綺麗に空っぽだった。
満たされて、静かに、幸せだった。
食べることは、旅をすること。
遠くの街の景色を思い浮かべながら、ひとくち、またひとくち。
ありがとう、大分、
また、会いに行きます。
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