【和訳】ユンギから2016年の受験生へ向けたメッセージ【あの日のお弁当】
【追記:2025/11/19】関連動画に「受験生を励ますバンタン」の再生リストを追加
受験シーズンにはちょっと早いけど
2015年にユンギが受験生へ向けて書いた連続ツイートを読み、感動したので、全文和訳を残しておきたいと思いました。
断片は以下のような記事で読んだことがあったんですが、全体を通して読んだことがなかったんですよね。
頭の記事はこれなんですが、スレッドになってないので、読みづらい場合は以下のリンクの「最新」を下から遡って読んでください。
(ただ、これだと何故か一部ポストが引っかからず、3つぐらい抜けています……)
안녕하세여 슈간데여 오늘이 2015대입 수능 전날이다 보니 제가 수능쳤던 해 수능 전날이 생각나네여
— 방탄소년단 (@BTS_twt) November 11, 2015
注意書き
申し訳ないですが、素人仕事なので品質保証はしかねます💦
引用する時は、この記事へのリンクを貼っていただければと思います。
※読みやすさ重視のため、一部改行を追加しています。
事前補足
修能(スヌン)とは?
毎年11月第3木曜日に全国で行われる「大学修学能力試験(대학수학능력시험 / CSAT)」の略で、日本の大学入学共通テストに当たります。名門大学への入学には、事実上これでの高得点獲得が必要。
韓国は学歴社会ということもあって以下のように社会的影響が大きく、国民的イベントとも言えます。
・パトカーや白バイが遅れそうな受験生を乗せてくれる
・百貨店やコンビニで、スヌン応援弁当が発売される
・株式市場の開場や公共機関の出勤時刻にも影響する
・騒音防止のため、サイレン・クラクション・航空機の離着陸にまで配慮
・受験票を見せたら割引が受けられる
・親は弁当を持たせ送り迎えをし寺で祈る、という光景も普通
国民的関心事であるため、アイドル達も応援メッセージを出すのが恒例になっているようで、バンタンからも受験シーズンになると受験生ARMYを励ます動画が出ます。
本文
こんにちは、SUGAです。今日は2015年のスヌンの前日なので、僕がスヌンを受けた年の前日のことを思い出しますね。
大邱から上京してちょうど1年と数日経った日でしたが、両親と離れて暮らしていたので、お弁当を作ってくれる人はいませんでしたw
だから、スヌンの試験会場に行く前にキンパ(訳注:韓国風海苔巻き)でも買っていこうと思って寝ようとしたけど、眠れませんでした。ソウルに上京して勉強とは縁遠くなったと思っていたのに、実際はただの受験生だったんだw
眠れなくて何時間も寝返りを打っていると、外でごそごそ音が聞こえました。ああ、あの子たちが弁当を作っているんだな、と思ったんです。
でも、起きてからかなり時間が経っていたし、弁当を作っているのを全部知っていたのに、ドアの外に出られませんでした。トイレに行きたかったのに、ただ寝たふりをしました。
時々、起きているか確認もされましたねw 一生懸命寝たふりをしました。
メンバーの中で僕が一番最初にCSATを受けたので、弟たちも緊張していたようです。僕よりあの子たちのほうが騒いでいましたw
正直その時はトイレに行きたかったし、何も知らないふりをするのはもっと大変でしたw
とにかく、それで弁当を受け取って外に出ると、弟たちが「試験頑張って、ファイティン!」って言ってくれました。あの頃、僕が宿舎で一番年上だったから、皆弟だったんだ。
ごめん、タイプミスがある。半身浴しながらタイピングしたから、わかってほしい。
朝早く試験会場に行ったのですが、なんだか緊張しました。試験会場が幸いにも僕が通っていた高校の隣の学校だったので、歩いて行きました。
マフラーをぐるぐる巻きにして、デビュー初期によくしていたあの灰色のマフラーでした。正確に覚えています。あの、灰色のよく巻いてたマフラー。
あれ、僕がソウルに上京する前にお母さんが買ってくれたものでした。うんうん。

まあ、とにかく、それで街路樹通りを横切って試験会場に向かいましたが、本当に時間がゆっくり進みました。スローモーションみたいに。
17歳の頃から作業室やスタジオを行き来して、正直勉強に興味がなかったのに、そんな僕ですら緊張しました。
僕ですらあんなに緊張したんだから、皆さんはどれだけ緊張することでしょう。
試験会場に入ると、緑茶とかチョコレートとかキャンディーとか、こういうのをくれるんだけど、一つだけもらったから、中へ入る前に「もう一つください」って頼みました。皆さんももう一つもらってから入ってください。
タイプミスが冗談じゃない。防水ケースを使っても湿気がすごい。これを押しても、あれが押されちゃう。
とにかく、弟たちが「お弁当箱の蓋は、食べる時間になったら開けて」ってしつこく言うから、待って、昼食の時間まで開けませんでした。
食べる時間になって開けたら、調理された鶏むね肉とご飯とウィンナーと卵焼きが入っていました。練習生のどこにお金がありますか? 宿舎にあった材料を使っただけの弁当だけど、僕一人で本当に美味しく食べました。冷たい鶏むね肉は噛むのが大変だったけど、美味しかった。
しかし、お弁当箱の隣には、数枚のA4用紙がありました。
「これ何だろう?」って見たら、手紙でした。便箋を買うお金もなくて、宿舎に転がっていたA4用紙に手紙を書いてくれたんですよ。正直、ちょっと感動……いや、泣いてないよ、絶対。
そのままスヌンを全部終えて、運動場を横切って、手紙を読みながら出てきました。あの学校の運動場が広くて、結構歩きました。
スヌンを終えて出てくる他の子たちは、親が車で迎えに来ていたり、友達同士で「スヌン終わったからどこかに行こう」と話したりしていて、そんな声が全部聞こえました。
一人で灰色のマフラーをぐるぐる巻いて、再び街路樹通りを横切って行くのに、自分だけモノクロの世界にいる気分でした。来る時より行く時の方が遠く感じられました。
歩きながら、何十万、何万もの気持ちが湧いてきました。12年間の学校生活がやっと終わったのか、とか。あの子たちはいいな、僕は練習に行かなきゃいけないのに。ああ、僕も両親とご飯が食べたい、とか、そういう考え?
歩いて宿舎に行ったら、弟たちが「試験、よくできた?」って訊いてきました。「いいわけないだろ。ただ試験用紙はよく見てきた」って答えました。
試験を受けて帰ったその日も眠れませんでした。変な気分になって虚しくもなったし、色々な考えが浮かびました。
僕もそうだったんだから、君たちだってそうでしょう。
だから緊張せず、震えず、落ち着いて試験を受けてください。分からなければ3番にマークしてください。
正直、学生時代に思い出に残ることはあったかと聞かれれば「ない」と答えます。本当に記憶にないです。18歳以降の学生時代は特に。
18歳の頃からは、高校2年生、高校3年生ではなく、練習生1年目、練習生2年目でした。
本当にスヌンの会場に行く時緊張したのは、実はワクワクしていたのかもしれません。18歳以降は修学旅行も遠足も行けなかったから。
ということで、明日はスヌンを受けて、思う存分遊んできてください。あなたたちは 12 年間、疲れ果てるまで競争してきたのだから、結果が良くても悪くても、遊ばなきゃ。
あなたはまだ未成年なので、お酒は飲まないでください。お酒は 20 歳になったら飲みましょう。
僕がテストを受けた日は、練習に行きました。本当に。その後、みんなで寮で一緒に食事をしました。
そうやってスヌンを受けて、ぼんやりと数日過ごしたら、20歳。
僕の20歳の1月1日は、お酒でもクラブでもなく、家族と一緒に釜山に行ったんです。本当に海しか見えない変な場所でした。流刑にでもなった気分。
僕は20歳になったら、本当にポン!って人生がスペクタクルになると思っていました。
でも、そうはなりませんでした。スヌンもそう、20歳もそう、全部特別だと思っていたけど、大したことはなかったです。
だから震えないで。大したことないから。
マークシートが分からなければ0か1だとか言ってた。僕は0にした気がする。合っていたか間違っていたかも、覚えていません。
本当に大したことないから。だから震えず、緊張せず、多すぎず少なすぎず、やった分だけやってきてください。
朝、両親が車で送ってくれると言ったら、「はい、分かりました」って乗って行ってください。わざわざイライラしないで。
スヌン、上手くできなくてもいいじゃないですか。でもどうせ受けるなら、上手くやってきてください。
2016年大学修学能力試験、皆大成功して、マークがずれたって泣かずに、気をしっかり持ってマークして。
もう牛乳とレタスを食べて寝る準備をしないと。11時か12時には眠りにつくだろうから、早く牛乳とレタスを食べて寝てください。
よく寝て、試験頑張れ。ファイティン、バイバイ。
感想と補足
これを読んで感動したのは、ユンギの文章力の髙さです。
淡々と描写される情景の中に、試験を前にした落ち着かなさ、家族がいないことへの寂しさとメンバーへの情愛、同級生たちと少し違う世界で生き大人になっていく自分への複雑な感情、そして自分の後に続く受験生たちへの思いやりが鮮やかに浮かび上がります。
この時のユンギはまだ22歳。「花様年華」がヒットし一気に世界が変わって行った頃で、まだまだ経験より若さが勝つ時代です。自分の事だけに夢中でもおかしくないのに、彼の目線は色んなものを観察し、記録し、練習生時代の光景を甦らせています。
自分よりソワソワしながら、限られた中で一生懸命お弁当を作り、手紙を書いてくれた弟達への感謝が滲む下りには、胸が熱くなりました。
世界がモノクロに見える日。大人になっても何も変わらないと気づいた日。誰しもが経験するような瞬間を、ユンギの文章は優しい視線で切り取っています。だから私たちは、そこにいる灰色のマフラーをグルグル巻きにした少年を、愛しく感じずにいられないのです。
きっと彼の中には、そんな風景や感情が沢山しまわれているんだろうなと思いました。
SUGAの話は、言葉の端々に情感が滲むので、当時覚えた感情を手掛かりに記憶を呼び起こしてそうだという印象を受けます。
ナムさんの記憶が写真集なら、SUGAのは感情のタイムカプセルじゃないでしょうか。
思い出を毎回追体験してしまうということなので、上手くやり過ごせないとしんどそうですが、だからこそ彼が書く歌詞はいつまでも生々しく、人の感情を揺さぶるのではないかと思っています。
この文章、何度か記事になってるんですよね(この記事の頭にもリンク貼ってます)。
読んでみて、時間を越えて、胸に響くものがあるからなのだと思いました。彼の音楽がそうであるように、その言葉にも、長く愛され人の心に残る力があるのを感じます。ユンギ……!
最後に牛乳とレタスが出てくるのは、どちらも心を落ち着かせよく眠れるという話があるからだと思いますが、最近牛乳を見ると『Dynamite』の冒頭で口拭いてる子しか出てこなくて落ち着きません。眠れない!
時系列を振り返ろう
ユンギが上京したのは2010/11/7で、この話の時点(2011/11のスヌン)だと、宿舎にいたバンタンメンバーは、おそらくジミンちゃんとジン君以外になると思います。
入所日まとめ
2010/08/14 ナムさん
2010/11/07 SUGA
2010/12/24 ホビ
2011/06/03 グク
2011/09/03 テテ
2012/05/15 ジミンちゃん
2012/07/29 ジン君(契約後自宅から通っており、宿舎入りは最後)
ということは、お弁当作ってお手紙書いてくれたのは、クサズとグクテテになるでしょうか。大騒ぎしてそう( ;∀;)
ジン君がまだいなかったので、「メンバーの中で僕が一番最初にCSATを受けた」になったのかと思いました。長兄は大学入ってから勧誘されてますしね。
テキストは一部ミスタイプと思われるものや方言があったので、そこは多分こうだろうというラインで訳しました。でもお風呂の中で、一生懸命これ打ってくれてるユンギの姿が浮かんで、リアルでしたね……。
これ18:27~20:15に投稿されてるんですが、いつお風呂から上がったんだろうと考えてしまいました。
バンタンとのお約束
迷った時は3番
前日は牛乳飲んで早く寝る
試験が終わったら美味しいものを食べる
受験じゃなくても、大きなことに挑む前はこれを読んで(応援動画も見て)元気をもらいたいな、と思える素敵なメッセージがいっぱいでした。
アミヨロブン、ファイティン!
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